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目的思考でグラフィックデザインする

デザイナーに必要なスキルは、表現力や技術力以外にも多々あると思います。セブンデックスに転職してからは、特にそれを実感する機会が増えました。その中でも特に、目的やゴールを正しく設定し、最適なデザインをアウトプットする、目的思考でデザインすることの大事さを日々痛感しています。

この記事では、目的思考がなぜデザインにとって大事なのか、また、目的思考でデザインするために筆者が日頃行なっている方法を紹介したいと思います。

グラフィックデザインに目的設定は必要か

目的思考における「目的」とは「最終的に達成したいこと」を指します。これをグラフィックデザインの作業内で取り入れる場合には、まず初めにクライアントの成し遂げたいものを目標として自身で設定することになると思います。しかし、グラフィックデザインの依頼をいただく場合はクライアント側に「成し遂げたいこと」と別に、ふわっとした「見た目のイメージ」がある場合が多いため、前者の目的ではなく、後者を鵜呑みにし、そこからグラフィックデザインを発想してしまいがちです。もちろん参考にいただくイメージはとても重要なのですが、そこのみを足掛かりにしてしまうと、最終的に出来上がったデザインが真の目的を達成することができない可能性があります。

一般的に良いグラフィックデザインとは、「美麗でオリジナリティがあるもの」とされていることが多くあります。しかし、美麗なグラフィックデザインでも目的に沿っていないアウトプットは、伝えたい対象に適切にメッセージを伝えることができず、見た目だけが話題にされ消費されていってしまうと思います。

そういったことから鑑みるに、本当の意味での良いグラフィックデザインとは、目的が適切に設定され、それに合った表現を使った上で「美麗でオリジナリティがあるもの」なのではないでしょうか。

目的思考でデザインするメリット

目的思考でデザインされたグラフィックが優れていることは対象に的確にメッセージを伝えることができるという点だけではありません。この項目では目的思考でデザインする主なメリットを3つあげます。

  • プレゼンしやすい

目的を言葉で設定した上で制作されたデザインは、根拠の明示や言語化がされているため、クライアントやチーム内で共通認識が取りやすくなります。

特にデザインのプロではないクライアントにとって、このデザインがなぜ優れているかが根拠をもって説明されることは安心感に繋がるはずです。複数案ある提案の際にも、デザイン案の中から自分がなぜそれを選んだのかをクライアント自身が理解しやすくもなります。

  • 軌道修正しやすい

グラフィックデザインをしていて徐々に正解がわからなくなることはないでしょうか? または、クライアントに言われるがままに修正を施した結果、なにか違う気がするのに、正しくその根拠を示せないなど…。

これらは手を加えていくうちに当初のクライアントの望みが曖昧になっていき、何をデザインの軸とすれば良いかが分からなくなった状態だと思います。

しかし、デザインの初手で目的を設定し、修正のたびにクライアントと目的を確認しあうようにしていれば、目的設定自体が間違っていない限り、何を軸にすれば良いのか?という疑問は持たずに真っ直ぐデザインをしていくことが可能です。クライアントの希望により、目的から逸れてしまいそうになっても共通認識としての目的を取り出し、軌道修正していくことすら可能になります。

  • 情報資産として残しやすい

今まで、先輩デザイナーの功績が最終アウトプットしかなく、そこに至るまで何を目指し、どういう思考プロセスがあったのかを知ることはできない…という場面を多く経験しました。

しかし、初手で設定した目的(そこに至るまでのプロセスもあると良い)と共に、最終アウトプットに至るまでの主なプロセスを残していくことで、目的に対してどのようにアプローチし、また、修正は目的に対してどういうズレがあった時に発生したのかを脳内を覗くようにして知ることが可能になると思います。

目的思考でデザインするために

以上で紹介したようにグラフィックデザインにとっても目的思考は必須スキルといえるでしょう。しかし、筆者の経験上、実際に手を動かしていると「この方が見た目としていいのでは?」と感覚的な判断やデザイナーのエゴがいたる所で発生し、ビジュアルのみが先走ったグラフィックデザインになってしまうことが多くあります。

そのため、筆者は「タスクを行う際のチェックリスト」というものを作り、できるだけ常に作業スペースの見えるところに置くようにしています。

このリストが「デザインをするとき」ではなく「タスクを行う際」となっているのは、ふとした瞬間に感覚やエゴで手を動かしてしまうことがないように、すべてのタスクに関連してこれを行うのだ、という意識のもとに命名したためです。癖づけされていけば、そういった感覚的な作業はなくなっていくので、このリストも作業開始のタイミングに使うだけになっていきました。

実際のリストが以下のものになりますので、よければ参考にしてみてください!

おわりに

グラフィックデザインの現場において、目的思考はプレゼンスキルや言語化スキルの中の一要素として求められてはいますが、ここだけを抜き取り、必須スキルとして語られているのをあまり目にしたことがありませんでした。

筆者自身も自覚的になったのはセブンデックスに入ってからだったため、この記事を機に、より多くのグラフィックデザインをされる方に、ご活用いただけると嬉しいと思っています!

UIデザイナー
東京藝術大学卒業後、映画配給会社にてデザイナー、広報などを担当。その後制作会社で雑誌やSNS、アパレルのアートディレクションなど様々なメディアのデザインに携わる。表層だけではなく、課題解決のデザインで企業支援をしたいと考え、セブンデックス にUIデザイナーとして入社。