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クライアントと伴走しながら、価値共創するために大切なこととは?

UXデザインにおいて、クライアントと価値共創するために大切なこと

セブンデックスでは、ブランディングから SaaS の UXUIデザインフルリニューアル、新規事業開発など、様々な種類の案件を担当しています。

仕事の難易度は、プロジェクト内容そのものにもちろん依存しますが、それ以外にもクライアントワークならではの難しさが存在します。

それは、「クライアントのリテラシー(理解度)を合わせながら、納得度高く意思決定してもらい続けること

セブンデックスは、一方的に理論的なアウトプットを出すのではなく、現場に寄り添い、クライアントを取り巻く状況を踏まえて物事を前に進める支援を行います。

クライアントと同じ目線で、草をかき分けながら先頭で道を切り拓いていくイメージです

だからこそ、クライアントのリテラシーや期待値に合わせたプロジェクト進行が求められますが、それが難しさでもあり、同時に面白いところでもあります。

加えて、私たちが手掛けるのは「見た目」のビジュアルデザインの修正だけでなく、成果を最大化するために背景の「Why(なぜそれをする必要があるのか?)」から見つめ直すことが多いです。

UXの5段階モデルでいうと、表層のビジュアルデザインだけでなく、もっと上流の 戦略 ~ 構造 フェーズを定義しながら進めることになります。

しかし、戦略 ~ 構造 フェーズでは、ビジュアルデザインという視覚的にわかりやすい成果物が出てこない分、「それが本当に必要な過程なの?」とクライアントにとってはパッと理解しづらいという側面もあります。

UXの5段階モデル

そのような側面を乗り越え、ミーティング含めた日々のコミュニケーションを通じ、どのようにクライアントと UX デザインのアウトプットを形作っていくか

まだまだ未熟ではありますが、これまで UXUIリニューアルや新規事業開発プロジェクトの PM/UX デザイナーを担当してきた経験から、UX デザインを専門としない(詳しくない)クライアントと、UX デザインフェーズで共創するに当たって大事だと思うポイントをまとめてみました。

中には基本的な内容もあるとは思いますが、プロジェクトマネージャーとしてのクライアントとの仕事の進め方についてや、クライアントワークの日が浅い方にとって少しでも参考になるものがあれば嬉しいです。

UXデザインプロセスの具体的な繋がりを意識する

例えば、UX デザインプロセスの主要な成果物である「ペルソナ」。

成果物として提案する際、以下のようなコミュニケーションになっていたりしていないでしょうか。

コミュニケーション例

「言っていることが相手に正しく伝わっている手応えがない…」

UX デザインの成果物を共有するとき、伝え方が「説明」になってしまい、相手が「理解しているようで意義を真に理解できていない」ことになりがちです。

この事象は、説明内容のわかりにくさも一因として考えられますが、他にも

「アウトプットの意義 = 実際の活用方法」

が正しく伝わっていないことが原因かもしれません。

例えば英語学習の例で見てみましょう。

「英語を話せるようになりたい」というゴールを持っている生徒がいるとします。話せるようになるためには、当然単語や文法のインプットも必要です。しかし重要なのは、その単語や文法を「必要なシーンでどのように活用するか(どのように会話できるようになるか)」でしょう。

理解から活用

UX デザインも同じで、アウトプットをただ説明するのではなく、そのアウトプットが、どのように後続プロセスに活かされるのか、という「Why」を意識して伝えることで、アウトプットに対する理解度や納得度が高まります。

例えばペルソナの例では、作成したペルソナが携わっているサービス設計においてどのように使われるのか、後続プロセス(ここでは機能のアイデア発散)において、どのような役割を果たすのかを強調して伝えるようにします。

ペルソナの作り方

このように、作成したアウトプットの活用方法や、意義について具体で伝えることができると、実際の活用イメージがつきやすくなり、アウトプットに対する理解も促進させることができます。

アウトプットの判断軸を明確に提示する

アウトプットに対する合意形成をとる時は、「アウトプットの良し悪しを判断する判断軸」をこちらから提示することがポイントです。

合意形成の場面ではある種当たり前のことかもしれませんが、意外と提示の仕方が甘かったり、社内のプロジェクトメンバーとアウトプットの共通認識を取る際にも重要な観点です。

例えばペルソナ策定の場合、「作成したペルソナパターンの内容に合意をもらう」だけでは、目的を達成することができません。

相手目線では、いきなりモノを提示されても「何を持ってそれを”良い”と判断すればいいの?」と思ってしまうからです。特に相手がクライアントはUXデザインに詳しくない(少なくとも私たちよりは専門ではない)ことが多いので、わからなくて当然です。

プロである以上、意思決定の判断軸や FB の観点については、こちらから提示する必要があります。

その際の流れは以下のとおりです。

  • 意思決定するための前提情報と制約事項を明らかにする
  • 良し悪しを判断できる判断軸(要件)やFB の観点を設定する

まずは、アウトプットを判断するに当たり、留意してもらいたい前提を伝える必要があります。

例えば UX デザインにおけるペルソナの考え方(セオリー)がこの前提にあたります。この前提によって、相手も「このアウトプットは修正する前提なんだ」などと、FB する際の姿勢が変わってきます。

ペルソナのポイント

その上で、今回のサービス設計においてペルソナの良し悪しを判断できる要件を設定します。

各プロジェクトにおいて、同じステップでペルソナを作ることはなく、そのプロジェクト特有の要件や判断軸があるはずです。「これを満たしているので私たちの提示するものは良いです」と言える基準は何か、言語化しておくことで、チーム内のフィードバックもしやすくなりますし、それがそのままクライアントに提示できる判断軸となります。

各ペルソナが満たすべき要件

ここまでしてようやく「この観点で判断すれば良いんだな」と、クライアントも迷わずアウトプットと向き合い建設的に議論することができます。

(当然、合意形成以前に、クライアントが提示した要件や判断軸に納得しない可能性もありますが、その場合はディスカッションを通じて愚直に判断軸を揃えるしかありません)

まとめ

一見当たり前のこともあったかと思いますが、それだけ「言うは易く行うは難し」なのがクライアントワークにおけるコミュニケーションであると感じます。

何より大事なのは「相手の立場になってみて、アウトプットを見せられた時どう思うか」を常に意識し、丁寧に情報の差分を埋めることです。

一歩引いてみると、これはクライアントとの打ち合わせだけでなく、仕事をする上での日々の対人コミュニケーションにおいて大切なのではないかと思っています。

(別記事で「伝える」観点で何が大事なのかを踏み込んでまとめているので、よろしければ見てみてください)

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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