私たちが普段使っているほとんどのアプリには検索画面があります。
検索画面に遷移するということは多くの場合何かしらの目的(なんとなく何かを探しているという暇つぶしも含む)があると思いますが、
ストレスなくスムーズに目的を達成できることもあれば、求めている機能やコンテンツがなくて困ったという経験もありませんか?
そこで、今回は私がよく使うアプリの中から8このアプリについて、検索画面を考察してみました。
▼調査したアプリ
Twitter、Instagram、TikTok、Spotify、Netflix、Uber Eats、ZOZOTOWN、Slack
▼調査条件
デバイス:iPhone12mini iOS15.0.1
調査日:2021/10/06
「検索」と「探索」について
「検索画面」と言いましたが、実際には「検索」と「探索」の2つの用途があります。
今回はこの2つの言葉を以下のように定義しています。
- 検索:既知情報(探したいコンテンツが決まっている)を探すための行為。
- 探索:未知情報(探したいコンテンツが決まってない)を発見するための行為。
「カテゴリ検索」がメイン
ZOZOTOWN、Uber Eats、Spotifyの3つが該当します。
3つのサービスの共通点は、特定のコンテンツを提供しており、運営側がカテゴリ分けできることです。
このようなサービスでは、ホーム画面が探索の機能を持っていることが多く、ユーザーは検索画面ではコンテンツを絞っていくという行動をとります。
アパレルではトレンドも重要な検索軸なので、ZOZOTOWNには「トレンドキーワード」も提示されています。
「レコメンド」がメイン
Twitter、Instagramの2つが該当します。
虫眼鏡アイコンをタップすると、ユーザーの履歴に基づきパーソナライズ化されたレコメンドが表示されます。
Twitterには幅広く情報収集の役割があるため、レコメンドだけでなくカテゴリ別のトレンドも表示し、ユーザーの探索を促しています。
一方、Instagramはキーワード検索でない場合には興味があるものの情報収集が主であるため、レコメンドのみと考えられます。
「トレンド」がメイン
TikTok、Netflixの2つが該当します。
この2つはホーム画面でフォローやマイリストといったユーザーが選んだコンテンツの他に、レコメンドという「探索」の機能を持っており、検索タブではトレンド(or人気コンテンツ)のみ表示しています。
TikTokはトレンド感を重視したサービスであり、タブのラベルが「トレンド」になっていることからもわかるように、ユーザーにトレンドの発見を促しています。
Netflixは「特定のコンテンツを提供しており、運営側がカテゴリ分けできる」に当てはまっていますが、「自分の好きなカテゴリ」「見たかったアレ」だけでなく、「流行っているから見る」という選び方をするユーザーが増えているため、カテゴリではなく人気の作品を見せていると考えられます。
「キーワード検索」のみ
Slackが該当します。
含まれるコンテンツをユーザー自身が把握できていて、探したいものが決まっていることがほとんどのため、シンプルに検索機能のみとなっています。
さいごに
検索画面ひとつとっても、表示するコンテンツや機能はサービス・ユーザーの特性によって大きく異なります。
類似サービスや有名サービスをただ模倣するのではなく、
「ユーザーがなぜその画面を開いたのか」
「ユーザーになにをさせたいのか」
「ユーザーにどのような感情になってほしいのか」
といったユーザー体験を考慮した画面設計を心がけましょう!