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LTVを高めて、長期的な利益創出に貢献しませんか

LTV(顧客生産価値)はビジネスパーソンの多くの方が聞いたことのあるワードの1つですよね。とはいえ、LTVを高めるために何をするか、何が重要か、自分の答えが定まっていない人も多いのではないでしょうか。この記事では、私の前職での営業経験や現在のクライアントワークの経験を通して、LTVを上げるために行っていたこと一部ご紹介します。ぜひこの記事を通して、ご自身の仕事を通してどのようにLTVを上げるのかを考える機会にしていただけたらと思います。

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今LTVが重要視されている理由

LTVとは「顧客生産価値」を指しており、顧客が企業・サービスと契約してからもたらす価値(利益)を指します。近年、LTVが重視されるようになってきたのには大きく2つの理由があります。

1つ目は「新しい顧客を獲得することのコストが高くなっているため」です。

現代では消費者は商品購入前に多くの情報を手にしており、商品自体の差別化と商品をどうやって知ってもらうかにこれまで以上にエネルギーをかける必要が出てきました。こういった状況を踏まえ、新規の顧客獲得ではなく既存の顧客維持が注目されるようになりました。

注目されるようになった裏付けとして、新規顧客を獲得する際のマーケティングの法則として**「1:5の法則」というものがあります。この法則は新規獲得にかかるコスト**に注目をしており、新規顧客獲得は顧客維持と比べて5倍のコストがかかるという法則です。

また、こういった新規の顧客獲得にコストがかかる理由に加え、既存の顧客を維持するメリットを踏まえると新規の顧客獲得はコストが高いと言えます。例えば、既存顧客を維持するメリットを説明した法則に**「5:25の法則」があります。この法則は顧客の解約率**・離脱率に注目をしています。これは、顧客の解約・離脱を5%以内に抑えた場合、利益率が25%向上するという法則です。

以上を踏まえ、新規顧客の獲得はコストが高いと言えるでしょう。

2つ目は消費者の行動変化に伴い「新しいビシネスモデルが台頭してきたため」です。

前述した通り、情報技術の発達により消費者の消費行動が変化しています。そういった中で単発の商品購入ではなく、サブスクリプションサービスが台頭してきました。サブスクリプションサービスは気に入った商品を定期的に費用を払い享受するサービスで、現在は動画や音楽サイトを始め、お花や化粧品・香水など様々な商品カテゴリで導入されています。こういった新しいビジネスモデルが生まれたことで、継続的に商品を購入してもらうために何をするかをこれまで以上に重要視されるようになりました。

LTVの算出方法とLTVを上げるための要素

算出方法は下記が例として挙げられます。この算出方法を見ると、LTVを高めるための要素は複数あることがわかります。

・LTV=顧客の平均購入単価(客単価)×平均購入回数
・LTV=顧客の年間購入額×収益率×顧客の取引継続年数
・LTV=顧客の平均購入単価(客単価)×購買頻度×契約継続期間
・LTV=(売上高-売上原価)÷購入者数
・LTV = 平均購入単価 ÷ チャーンレート

※参考①:LTVとは?重要視される理由と計算方法を解説(NECソリューションイノベータ)

※参考②:今さら聞けない「LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)」 - デジタル時代を生き抜く基礎知識(Digital Marketing Forum)

簡単にまとめると、購入単価を上げる、購入回数を増やす、継続購入年数が長くなるようにする、解約率を下げる、商品を売買するためにかかるコストを抑える、ことがLTVを上げるための要素になります。

では、この複数ある要素の中で何を重視して、そのために何をしていくのが重要なのでしょうか。次のセクション以降では実際に私がやっていたことと需要だと思った要素をご紹介します。

LTVを上げる重要性を考えるに至った背景

まずは私の前職での仕事についてお話をさせてください。

私は前職で宿泊予約サイトの営業と営業企画をしていました。具体的には、営業時代は約130の旅館やホテルを担当し、宿泊プランの作成、在庫出し、ページのビュー数を伸ばすためのページの記載情報のアップデート依頼をして、担当宿への宿泊件数増加に向けた取り組みを行いました。

営業時代の顧客(ここでは宿を指します)の多くは契約いただいてから一度もご連絡できていない、実績が上がっていない状態で、マイナスな関係性からのスタート。まずは、ご連絡できていなかった期間や、現在の宿への予約件数、そこからの売り上げ、画面の充実度などを整理し、アプローチの順番を決め活動していました。

こういった状況を踏まえ、アプローチの優先順位を決めた後、私は解約率を下げること、まずは契約を続けてもらうことを目標に置いてご連絡をすることにしました。理由は明確で、解約率を下げるためには予約件数を増やして実績で満足してもらうこと、営業個人として信用してもらうことが必要であり、これを達成することで**「今後提案内容に関わらず顧客が提案を受け入れやすい状態を作ることができる」**そしてそれが「結果的に長期の契約と売り上げ増加に繋がる」と考えたためです。

結果として、これまで新しいプランの作成は絶対にしないと言っていた宿のプラン販売に繋がったり、困った時の相談先としてクライアントから連絡をいただけるようになりました。そして解約を阻止することができました。

また、上記を踏まえて**LTVを上げるためのkeyを改めて考えてみると「現在、顧客と良好な関係性が築けているか」**だと考えています。顧客との関係性を踏まえずに、一概にこの要素が重要であるとは判断できないと思うのです。

では実際に私が顧客との関係性を踏まえて、どの要素にアプローチすることにしたのか、その際何をしたのかをお話します。

私がLTVを上げるために行っていたこと

ここまでの前提を踏まえ、実際にご連絡をする際に時ぶらさず行なっていたことが一つだけあります。それは、まずは相手に心を開いてもらうことを意識したコミュニケーションをすることです。それは当たり前だと思われたかもしれません。でもその当たり前がビジネスの場面で思ったよりできなかったことはありませんか?

心を開いてもらうために私が実際にやっていたことは、最初数回のお電話では現状の営業状況や、サービスに対して思っていることを聞き、こちらの要求は伝えないことの徹底です。もちろん、ご担当者様によっては具体的な提案を早期にすることを好まれる方もいるので、その場合はお相手が心を開いてくださりやすい方法でアプローチすることもありました。ただ、どんな場合でも、相手がもっと本音を話したくなる状態を作り、こちらの話を聞いていただけるようにすることを徹底しました。

結果として、こういったコミュニケーションが功を奏し、これまで新しいプランの作成は絶対にしないと言っていた宿のプラン販売に繋がったり、困った時の相談先としてクライアントから連絡をいただけるようになりました。そして解約を阻止することができました。

改めてになるのですが、日常生活で置き換えてほしいのです。久しぶりに連絡してきた友人に急に分かったような顔でアドバイスされたり、何か提案されたらあまり良い気持ちにはならないし、身構えてしまいませんか。逆に押しつけをせず、自分の話を聞いてくれる友人には久しぶりに会ったとしてもすぐに前のように心を開けるのではないでしょうか。ビジネスでも全く同じだと思ったのです。良い提案でも相手の心が開いてないうちは受け入れてもらえる確率も低くなるものです。だからまずはぐっと堪えて、相手の話を聞くことが重要だと思うのです。

LTVを上げるのは営業でしかできない?

さて、ここまで読んでいただいてLTVって営業やクライアントワークをしている職種でしか関わる機会がないなと思っている方もいるのではないでしょうか。結論、直接クライアントに関わらなくてもできるのです。

顧客のLTVを上げるために、営業効率を上げるためのツールを作成したり、顧客への定期的な接点を設けるために一斉メールを作成したり、そういった動きもLTVを上げるための一歩なのです。

また、特にスタートアップにおいては継続して成長していくために、職種に関わらず全てのメンバーが既存の案件でどのように追加受注をいただくかを考えて動いていく必要があります。日々の活動ひとつひとつでLTVを上げるための方法を試していきましょう。

最後に

LTVを上げていくためには、企業やサービス、提案者に愛着を感じてもらうことが重要です。愛着を感じてもらうことでファン(ロイヤルカスタマー)になり、継続的な商品の購入・同会社の別商品に繋がっていくのです。

営業は指標が明確で、指標を達成した人が評価される世界です。連絡しやすい顧客に連絡した方が短期的には売り上げが上がりやすい状況になります。でもそれって、長期的な視点で見たときに会社にとって有益なことなのでしょうか。

あなたも今の職場、プロジェクトでLTVを上げるためにできることを考えてみるのはいかがでしょう。

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大学時代、学生団体でイベントの企画などを経験し、体験設計に興味を持つ。新卒で旅行会社に入社し、営業や営業企画を経験後、体験設計に注力できる、且つサービスを通してではなく、直接顧客の課題に向き合い事業のグロースに寄与できるセブンデックスに惹かれ、UXデザイナーとして入社。