ワークショップは事前準備が命。どれだけ準備できたかが、結果に直結しやすいように思います。
今回は、ワークショップ当日を最大化させる事前準備を自分自身の失敗も踏まえ、設計プロセスと共にまとめました!
今回は、参加者に対して「何かしらの行動変容を求めるワークショップ」を想定して執筆しています。
目次
前置き|ワークショップ 設計プロセス
私は、ワークショップを設計するときに以下のようなプロセスで考えています。この後記載するポイントはこのプロセスでの設計を前提としています。
①ワークショップの目的を決める
②参加者の状態を把握する(クラスター分け・課題の具体化)
③参加者の状態を元にした、目的の再設計
④理想と現状の差分を埋める、要素の洗い出し
⑤全体構成の設計とアジェンダごとの目的設計、内容の精査、時間設定
⑥シュミレーション
⑦満足度調査のアンケート作成
point 01|設計前に、参加者の状態を把握する!
ワークショップの命運を分けるのが「参加者の状態を詳細に知ること」なのではないでしょうか。参加者ごとに、ワークショップが行われる理由となった課題に対しての状態も全然違いますし、どのような価値観を持っているかも違います。
また、ワークショップをするからには「ロジカルな説明」だけでは動かせない、「感情面でのすり合わせ」も必要な状態も多いのではないでしょうか。
- 目的の設定 → メンバーの状態を事前にヒアリング
- ヒアリング結果を元に、メンバーの状態を言語化
をするだけで、どんなワークをする必要があるか見えやすくなります。課題感も揃いやすいです。
point 02|クラスターごとにアプローチを変える!
参加者ごとに、考えていることもワークを受けた後の反応も違うはず。
目的を達成するために、参加者ごとにアプローチを変えられると効果的です。参加スタンス一つを取っても、「前向き」「後ろ向き」がありますし、ワークショップで取り上げるトピックへの理解度も違います。
司会者が何か一つ説明するにしても、どんなセグメントの参加者が大まかにいるのかわかると、メッセージングを変えやすくなりますよね。「頑張りましょう!」なのか「その気持ちわかります」なのか。参加者にかける一つの一つの言葉に意味を込められるといいかもしれません。
point 03|参加者に求めるスタンスを提示する
「UXUIデザインを学ぶ」「業務を効率化するためのワークショップ」など、トピックが明確に決まっていたとしても、参加者にとってはどのような気持ちで望めばいいかわからないケースは多いです。
「こういう気持ちで参加してね!」というだけで、その場で自分がどのようなスタンスで望めばいいのか考えやすくなります。
Grand Ruleを設定するのも一つの手です。その場の、ある種法律のような「このルールから外れたことをすることは間違っている」といった空気を作ることができます。
ワークショップで作りたい空気をイメージして、ワーディングしましょう。
point 04|ワークを機能させるのは、観点とファシリテーション!
観点の提示
「〇〇を考えてください」ワークは、観点の提示とセットでできるとグングン進みます。
グループでのディスカッションが進むにつれて「あれ、これ何の話をしてたんだろう」と忘れてしまったり、議論が詰まった時に立ち返ったり。そんな時に観点が提示されていると、ワーク中の手助けになります。
また、質問に対してワークショップの設計者の意図通りに議論を進めてもらうための道標にもなります。意外と質問やお題だけでは、思った通りに進めてもらえないことも多いです。ワークの目的に沿う思考を参加者ができるように観点を3~4つほど提示できるといいかもしれません。
グループに一人はファシリテーション役を
「え、あそこのグループ誰も喋らない?」「進行役がいなさそうだぞ?!」「論点がずれていってる?」というのもワークあるある。
設計前に参加メンバーの状態を把握する際に、誰と誰が組めば議論が活発になるんだろう?と想像しながらヒアリングしていくことも大切です。グループの組み合わせがいいと、参加者のスタンス・議論の進み・場の全体の雰囲気が変わってきます。
point 05|長時間のワークショップには、緩急を
どうしても長時間ワークが続くと、集中力が切れて場の雰囲気もだれてきます。
そこでおすすめなのが、事前に「だれてくるところはどこだろう?」「内容が単調になりそうなのは?」とイメージし、「気を入れ直すには?」「雰囲気をもう一度建て直すには?」と決めておくことです。
目安、1時間半を超えてくると集中力も切れやすくなってきます。
司会者も、どこでだれてくるかがわかっていれば落ち着いて対応可能!
point 06|雰囲気作りには、部屋の広さとBGMに気をつけて!
部屋の広さ
▼司会者と参加者との距離
遠すぎると目が届きにくくなり、参加者のコミットメントが落ちやすくなります。
▼参加者同士の距離
近すぎると運営側が状況を把握しにくいですし、遠いと会話しづらく、ワークが盛り上がりにくくなります。「話しやすい距離感は?」を意識して、会場のセッティングをできると○です。
BGMの選曲
- 盛り上がれる曲→ワークショップの導入部分・ブレストするワーク etc…
- しっとりとした曲→メッセージング・真剣な議論 etc..
他にも
意外と、ワークで囲むテーブルの大きさも重要だったりします。話しやすい距離感って難しいですね。
point 07|シュミレーションを丁寧に
「運営がうまくいかなかった…設計は良かったのに…」で終わるのはもったいない!開催前にシュミレーションすると、防げるもったいない部分がたくさん見えてきます。
運営メンバーで一度スライドやロジを見ながら、当日のイメージを話し合うといいかも?👀
point 08|振り返りアンケートをお忘れなく
忘れがちな、FB回収!いやーすぐ忘れちゃう。できればその日中に回収したい。けど当日のアジェンダで精一杯…。終わってから作り始めて、回答をお願いするけどエンゲージメントが低くなっていて回収できない> < なんて悲しいです。
振り返り観点
- ワークショップの目的は達成されたのかを確認する
- 参加者の参加後の感情を拾う
- 次回に活かすためのFBをもらう(社内でやるなら、進行・設計・資料とかで分けてもらうのもあり)
ワークショップをする際に気をつけていること、今まで失敗したことを書きました。参考になれば嬉しいです。