イギリス在住の筆者が日常生活の中で様々なサービスを使いながら、または街を歩きながら「お、これいい感じだな」「流行ってるな」と感じる、欧文タイポグラフィのトレンドとフォントを紹介します。トレンドの移り変わりが速いタイポグラフィ。今っぽさを表現するデザインをしたいときに是非参考にしてください。
目次
エレガント+ユニークなタイポグラフィ
アーム(フォントの水平方向のストロークのこと)が極端に細く、更にフォントの一部をユニークに歪ませたセリフ体のフォントをよく見かけます。コスメや香水などのビューティーブランドや、ファッションブランドでエレガントさを演出する際に使用されています。
フォントの一部をグネグネと歪ませることで、フォントセリフ体のエレガント感・洗練感は保ちながら、コンテンポラリーな印象にしています。
Crake
Abramo
レトロでヴィンテージな温かみのあるタイポグラフィ
60〜80年代のデザインからインスピレーションを受けた、ノスタルジー感のあるグラフィックデザインが流行しています。フィルムカメラや、フィルム写真風に仕上げる画像編集アプリなども流行っていますよね。そういったザラッとしたテクスチャーを感じさせる素材に、重めのセリフ体フォントを組み合わせているのをよく見かけます。さらにHelveticaなどのモダンなフォントを組み合わせることで、レトロ感がありながら今っぽいグラフィックデザインに昇華させています。
カルチャー・ファッション系の領域はもちろん、フードテック領域(フードデリバリーサービス等)で使用されているのをよく見かけます。
Gazpacho
Bely
徹底的にシンプルで読ませるタイポグラフィ
シンプルでベーシックなフォントに余白を活かしたデザインは、ファッションブランドやカフェなどの飲食店のグラフィックによく使用されています。ポップで可愛らしい印象を与えがちなFuturaのような幾何学形をベースにしたフォントではなく、ベーシックでクールな印象も与えるHelveticaベースのフォントの流行が目に留まります。
コピーは、簡潔でユーモアの効いた、お洒落なものが組み合わせられていることが多いです。大胆な余白は街中でよく目立ちますし、コピーの視認性も高く、インパクトのあるビジュアルです。
Inter
Neue Montreal
Neue Montreal – Pangram Pangram
フレキシブルタイポグラフィ
2022年、タイプフェイスがこれまでになく横に縦に伸ばされたのではないでしょうか。あらゆる場所で見かけるので押さえておきたいトレンドです。恐らく多くの場合はデザイナーがカスタムして作成されていると思いますので、お気に入りのフォントにアウトラインをかけて、横に縦に伸ばしてみましょう。
Anisette
セリフ体とサンセリフ体を並べるタイポグラフィ
日本でもゴシック体と明朝体を組み合わせるのが流行っていますよね。英語圏でもセリフ体とサンセリフ体の組み合わせが流行っているようで、頻繁に見かけます。筆記体や手書き書体をアクセントにする組み合わせは定番ですが、セリフ体とサンセリフ体を並べる組み合わせは、意外と新鮮に感じます。
今回紹介したフォントは有料と無料、サブスクリプションサービスで利用できるものが混在していますので、利用方法やライセンスは各フォントの提供サイトでご確認ください。