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苦手意識があっても、対話を始められるコミュニケーションテクニック

ミーティングやインタビューなど、日常の中で対話が求められるシーンはたくさんあります。そのような中でどうすれば良い対話をできるようになるのか、コミュニケーションが苦手な筆者の気づきをもとにコツをお伝えしようと思います。

なぜ対話にならないか

対話をするためには、相手を尊重し、傾聴しましょうと言われます。コミュニケーションが苦手な人にとって、それは意識して話していたつもりでも、なかなかうまくいかないものです。

筆者の場合、相手の疑問に対して的外れな返答をしていたことを後から同席した先輩からフィードバックをもらったり、インタビューにおいてはヒアリング項目を網羅することを重視して質問のカスタマイズができずインタビューイーに回答を困らせたりということがありました。相手の発言の真意を汲み取らない回答、話の流れを無視した質問、これらは全て、相手の発話と自身の発話に意味の断絶が起きてしまっているということが原因です。

対話をするためにはまず、相手の思考と自分の思考を合わせるところから始めましょう。

相手の思考と自分の思考を合わせるとは

もし相手が「連絡は主にチャットでお願いします」と言ったとしたら、それはどういう意味でしょうか。「都度細かく連絡をください」という意味でしょうか。あるいは、「まとまった時間が取れないから、わかりやすく見直せるよう、チャットで報告をしてください」という意味でしょうか。さまざまな汲み取り方ができます。それを理解するためには、相手の発話背景や周囲の環境を知る必要があるかもしれませんし、性格や思考の癖をあらかじめ知っておくと正しく推察できるかもしれません。しかし、クライアントやインタビューの被験者の場合、相手のことを知れる範囲には限りがあります。そのため、まずは相手が何を言いたいのか直接聞いてみるところから始めましょう。

その時にお勧めしたいのが、相手の発言から言葉をそのまま使って返してみることです。

例えば、「連絡は主にチャットで」と言われた場合は、まず「チャットですか?」と返します。そうすると、次の質問を考える時間も取れますし、相手がなぜチャットがいいのかを補足してくれることもあります。

相手の発言を使って対話することのメリット

実は、相手の発言を使って対話を進めることには、考える時間を作ること以外にも、いくつかメリットがあります。

  • 話し手に、聞いてくれているという安心感を感じてもらえる

聞き手が話し手の文脈に沿って同じ言葉を使うことで、話し手は自分の話を聞いてもらえていると感じて安心します。

  • 話し手との共通言語を作れる

同じ言葉でも、人によって違うニュアンスで話していたりします。相手の使っている言葉の意味を間違えて捉えていると、互いに言いたいことが伝わらず、気持ちよく会話ができなかったり不信感を抱かれてしまうことがあります。

あえて同じ言葉を繰り返すことで、話し手がどのような意図でその言葉を使っているのかを確認するきっかけをつくることができます。言葉に含まれる意図を確認しながら対話を進めることで、会話のすれ違いを防ぎましょう。

  • 相手の思考を深掘りすることができる

話し手と同じ言葉を返すことで、話し手は自分が発した言葉を再度認識することになります。あまり適切な言葉選びでなければ、話し手自身が気づくことができます。

相手の発言を使って対話する際の注意事項

相手の発言を使って対話することは多くのメリットがありますが、同時に適当に話を合わされているんじゃないかといった不信感につながる可能性もあります。そうならないために、実際に使うときに意識するべきことをまとめました。

  • 話し手が言いたいことに対して、発言を繰り返す

聞き手が話し手の発話の趣旨からズレた部分を繰り返してしまうと、話し手は自分の言いたいことが伝わっていないと感じてしまいます。例えば、「来週は忙しいので、会議はスキップしてください」という発言に対しては、「来週は忙しいんですね」よりも、「会議をスキップですね」の方が正しいでしょう。その発言の中で話し手が何を一番伝えたいのかを考えながら、発話を聞いてみましょう。

  • 相手の発言に追加して、相手の主張を裏付ける情報や自分の意見を加える

対話の中で、話し手ばかりが情報を提供しているのは心理的に負担を大きく感じてしまいます。互いの信頼関係を築くためにも、聞き手も自分から情報を発信しましょう。

また、相手の意見を肯定する情報や自分の意見を開示する以外に、次のように展開させてく方法もあります。

- 「具体的にはどんな〇〇ですか」「詳しくはどんな〇〇ですか」と具体例を聞く
- 「それはなぜですか」と理由を聞く
- 「他にはありますか」と他の例を聞く
- 「それってこういう意味だと解釈したのですが、あっていますか」と自分なりの解釈を話す

相手の言葉を使って、スムーズなコミュニケーションを目指そう

ここまで、コミュニケーションが苦手な人が対話をできるようになる方法を話してきました。まずは基本的なところから意識して、少しでも話し手と聞き手が気持ちよく、意味のある対話を作っていけるように実践していきましょう。

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