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レベルの高いグラフィックについてチームで考えてみる

レベルの高いグラフィックデザインは、なにをもって優れていると認識されているのか疑問に思ったことはありませんか?

セブンデックスのデザインチームでは、チーム内でレベルの高いグラフィックの認識を揃え、みんなが目指せる共通の指標として設定するために、チームにとってレベルの高いグラフィックとはどういうものなのかを言語化する施策を行いました。

今回はそのために行ったワークの軌跡と、その結果をシェアしたいと思います!

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ワークの前提

グラフィックデザインと一口に言ってもデザインが施されているメディアは多岐にわたります。今回のワークではWebデザインのグラフィックデザインに対象を絞り、UIや情報設計などの良し悪しについては触れないことを前提としました。

ワークの内容

準備編:レベルが高いと思うグラフィックデザインを探す

チームで集まってワークを行う事前準備として、個々で「これはレベルが高い!」「これ好き!」と直感的に好印象を抱くグラフィックデザインの実例を複数個用意してくることを宿題としました。そして、個々で用意したグラフィックデザインの実例の中でランキングづけまでしておきます。

選ぶ際には直感で構わないのですが、ワークを円滑に進行するために、どこがレベルが高いと感じるのか、どこが他の実例と比べて優れているかをやんわりと言語化しておきます。

また、個人の趣向に寄りすぎることを避けるために、弊社の競合や近い業界のデザイン会社を洗い出し、その中の実績からも複数個選んでくることも条件としました。

1.グラフィックのレベルを相対的に可視化する

ここからはチームで集まってワークを行います。

あらかじめやんわりと言語化してランキングづけした個々のいいと思うグラフィックを持ち寄り、改めてチームメンバーで認識を合わせたランキングを作っていきます。

お互いがそれぞれ下位としているものから比較していき、一つずつ優劣をつけていきます。優劣の判断を行う際にやんわり言語化したものをシェアし、判断材料とします。一つずつ比較し、優劣をつけますが、もちろん比較が難しいものもありますので、ここではあくまでざっくりとしたランキングができれば良しとします。念の為下位から上位を何度か見直し、全体ランキングとしてチームの合意が取れていることを確認します。

また、ランキング作りをしている段階で得た気づきは、最後の工程で生かされていくので、どんどんシェアしていきます。

2.レベル分けする

前項で作成した全体ランキングを区切り、レベルを付していきます。今回はあらかじめ5段階に分けることを決めておき、1を最低、3を標準、5を最高と定めました。

ワークではどこに区切りを置くかについて議論していきます。区切りは後でも調整可能なので一旦ラフに置いていきました。

今回良し悪しが分かりやすい4段階ではなく、あえて中央値のある5段階に設定した理由は、競合や近しい業界の標準レベルを確認するためです。中央値を設定することで、ワークが終わった後レベル3に該当する実例がこの業界で求められるグラフィックデザインの最低ラインと言えるだろうと考えました。

3.各レベルに該当する要素を言語化する

ざっくりと5段階に分けられたランキングを元に、それぞれのレベルの違いを発散していきます。レベルの区切りを置く際になぜそこに置いたのか、その間にはどんな違いがあるのかなどを発散し、視覚的に感じとっていた優劣を言語化していきます。

「デザインの基礎が整っていることがこのレベルなのだとしたら、この実例は該当しないだろう」というように、各レベルの要素を言語化していきながら、先ほど決めた区切りの位置を微調整していきます。

ワークの結果

全てのワークを終え、今回のメンバーの中ではレベルの高いグラフィックには以下の要素があるという共通認識が得られました。

  • 確固たるコンセプトがあり、それが一目で伝わる
  • デザインの基礎がしっかりしている
  • 小技が効いていて、大味でない
  • 固有性のあるあしらいが用いられている

また、今回のワークで持ち寄ったグラフィックデザインのレベルごとの特徴については以下のようにまとめることができました。

  • レベル1:コンセプトやターゲットが曖昧。
  • レベル2:コンセプトは伝わるが、デザインの基礎が緩い部分や、構成が単調に感じる部分がある。
    また、あしらいが古い、大味などの理由で野暮ったく感じるものもここ。
  • レベル3(常に達していたい標準レベル):コンセプトが一目で伝わる。コンセプトに基づく表現がされている。
    デザインの基礎が整っており、レイアウトに遊びを入れた場合も均整が取れており、バランスがいいと感じられる。どこをスクショしても画面がもつデザイン。
  • レベル4(目指すべきレベル):コンセプトが一目で伝わる。コンセプトに基づく表現の他にも、小技が効いていて、コンセプトと技術的の両面で固有性を感じられる。
    パッと見ではわからないレイアウトのルールが敷かれている。
  • レベル5(需要の外側):コンセプトに合致した表現が高い再現度でなされている。グラフィックデザインとしての技術や固有性のレベルが高く、先進的がゆえに一般的な需要には合っていない可能性がある。
実際のワークの結果

ワークを実施してみて

個人としては、レベルが高いグラフィックが何を持っているものなのかが言語化されたことで、今後制作に行き詰まった際に見直すポイントになりそうだと思えました。

チームとしては、それぞれの趣向が見えるという副産物もありましたし、チーム内で今までぼんやりとしか認識されていなかった「ここを目指したい!」というレベルや方向性が言語化されたことで士気が高まったように感じました。

あくまでこのワークの目的は、チーム内でのレベルが高いグラフィックデザインの認識を揃えることでしたので、ここを起点にそれぞれが常にレベルが高いアウトプットをしていけるように、今足りないものと照らし合わせてそこを補うような学習や鍛錬を行うことが重要だと思いました。

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UIデザイナー
東京藝術大学卒業後、映画配給会社にてデザイナー、広報などを担当。その後制作会社で雑誌やSNS、アパレルのアートディレクションなど様々なメディアのデザインに携わる。表層だけではなく、課題解決のデザインで企業支援をしたいと考え、セブンデックス にUIデザイナーとして入社。