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デザイナーお気に入りの日本未上陸ビューティーブランド

デザイナーは積極的に街に出て「わ!これ良いな」と思うモノに出会う体験が大事だと思っています。業務でデザインをする際には様々な過程を経て”良いデザイン”に仕上げることを目指します。”良いデザイン”に出会い、そのアウトプットに至った過程を遡るように考察まですることで、デザインの仕上がりをクオリティアップさせるための思考の訓練になると考えています。

今回は、そんな風に出会ったものの中から、ビューティー領域のブランドのパッケージデザインや広告クリエイティブ等を紹介していきます。筆者はイギリス在住のため、せっかくなので日本では展開されていない人気のブランドを中心に、6ブランドを選んでみました!

REFY

イギリスの美容インフルエンサーが立ち上げたブランド『REFY』。ふさふさの眉を作れるアイブロウ製品が有名なブランドです。

ニュートラルなパッケージデザインにまず魅力を感じます。さらに、メイクアップの仕上がりの質感に加えて肌本来の凹凸・シワまで、ディティールを表現した写真を使用した広告クリエイティブは「ナチュラル」「既に備わっている美しさを際立たせる」「欠点を隠すのではなく活かす」といったコンセプトが伝わるものになっています。

肌本来の質感を生かす写真表現は、肌の色や質がより多様な国のブランドではトレンドとなっているように見受けます。

ごくシンプルなパッケージデザイン・広告クリエイティブですが、カラーや質感などが丁寧に設計・管理されており、しっかりとブランドらしさが感じられます。無駄を削いだクリエイティブが商品の機能性へとフォーカスさせ、「まずは実際に試してみたい」という気持ちを醸成するものになっています。

実際の商品の使い心地については、これまでにない質感に仕上がりに面白みがあり、試してみた価値があると思わせるものになっています。おすすめです!

SIMIHAZE

サウジアラビア生まれのパレスチナ人DJユニットSimi & Hazeの立ち上げたブランド『SIMIHAZE BEAUTY』

見たことのないユニークなパッケージデザインが魅力のブランドです。90〜00年代のグラフィック表現がリバイバルしていますが、その流行に乗ったようなチープ&レトロなカラーと形状です。

そのチープさとは裏腹に、実際に手に取ってみると、ツルンとした石のようなテクスチャに加えてズッシリとした重量もあり、値段相応のラグジュアリーさを感じさせてくれます(いわゆるデパコスぐらいの価格帯です)。

機能性よりも、パッケージデザインやDJが立ち上げたブランドストーリーを魅力に感じさせ、持っていることを自慢したくなるブランドになっていると思います。持っておけば、イケてる自分自身を演出できる。おすすめです!

r.e.m. beauty

ここまでに紹介したブランド含め、著名人の立ち上げるブランドが人気を博しています。その中でも、最大とも言えるファンダムを抱えるアリアナ・グランデの立ち上げたブランド『r.e.m. beauty』

確立された”アリアナ・グランデらしさ”を表現したコンセプトが魅力です。既に人気を誇り、世界観までも広く認知されている彼女だからこそ可能なことだと思います。

また、”ミュージシャンとしてのアリアナ・グランデ”の視点から考えてみると、音楽リリースの頻度がそんなに多くはないという状況の中で、ファンとの接点づくりの一貫にもなっているのかなと考えました。

ユニークな使用感を特長にした商品もあり、機能面においても魅力を感じさせ、ファンでなくても手に取ってみたくなるブランドです。おすすめです!

BYOMA

物価の上昇の影響もあり、高級ブランドを諦めて中価格帯を商品を選ぶ方が増えているそうです。『BYOMA』はドラッグストアで買える”ちょっと良い”スキンケアブランドです。

直線的な形状に加えて、ポップだけど子供っぽさを感じさせない絶妙なカラーの組み合わせで、売り場でもよく目に入るおしゃれなパッケージデザインが魅力です。かわいいのに安っぽさが無いので使うたびにキチンとしたものを使っているという喜びが感じられる、なのに買い続けられる価格である、というのが魅力です。おすすめです!

Gisou

ハチミツが配合されたヘアオイルが有名なブランド『Gisou』

中身の見えるパッケージデザインも広告クリエイティブも、ハチミツのしずる感で攻めています。とにかく美味しそうなのが(食べられないのに)魅力です。食品由来のビューティープロダクトへの安心感なのかな、と思ったのですが、それ以上に”ハチミツが美味しそうであること”に心を奪われるのです。ちなみにオイルの質感もハチミツそっくりで、使うたびに幸せになれます。おすすめです!

Vyrao

エネルギー療法からインスパイアされた、フレグランスをメインとするウェルビーイングブランド『Vyrao』です。

まずはじめにモダンで大胆なデザインが気に入ったのですが、「エネルギーを注ぎ込んだ香水」というコンセプトにも魅力を感じました。例えば占いを信じたり、お守りを持つように、身にまとう香りを心の拠り所にしたり、気力を奮うキッカケにできるという発想が面白いです。

また、ブランドについて語られるときにまずファウンダーの経歴が記載されているように、ファッション業界で活躍した後にエネルギー治療の療法士として活動し、ブランドを立ち上げたというストーリーもユニークです。

コンセプトやストーリーに共感できなくても、天然香料がメインの質の高い香りで商品力のあるブランドです。おすすめです!

※ 日本でもセレクトショップ等で販売されているようです


はじめは”良い見た目”に惹かれますが、成功しているブランドは戦略、コンセプト、デザインなどのあらゆる条件を上手く結びあわせ、ブランドを作り上げていることが分かります。

ちなみに、どのブランドの商品も筆者の試し済みで使用感含めおすすめなので、機会があれば是非試してみてください!

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UIデザイナー
多摩美術大学卒業後、広告制作プロダクションに入社。ビジュアルデザインを軸とし、デザイナーとしてナショナルクライアントをはじめとした様々な案件に携わる。2020年セブンデックスに入社し、クライアントワーク支援や社内のクオリティーマネジメントなど幅広く携わっている。