わかりやすい議事録の書き方 KNOWLEDGE
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わかりやすい議事録の書き方|基本的な書き方とテンプレート、役立つAIツールも紹介

よりわかりやすい議事録を作成したい、あるいは効率的に議事録を書くためのアイデアが欲しい、というように考えていませんでしょうか?本記事ではそういった方々に向けて、わかりやすい議事録の書き方とオススメのツールを解説いたします!ページの最後にはコピーして使うことができる議事録テンプレートもご用意していますので、議事録作成に不安を持っている方はぜひ本記事を参考にしてみてください!

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議事録の目的

議事録の書き方や項目について解説する前に、そもそもなぜ議事録が必要なのか考えていきましょう。議事録の主な目的は以下の4点です。

  • 決定事項の共有
  • それに伴う次に行うべきアクションの共有
  • 決定事項や仕事に対する、責任の所在の明確化
  • ミーティングの内容の記録

また、次回のミーティングで、以前のミーティングの振り返りに割く時間を短くする効果もあります。適切に記録された議事録を見返すことによって、議論の繰り返しなどを防ぐことができるためです。そのため、誰がいつ議事録を読んだとしても、ミーティングの内容が十分に理解できるようにするのも、議事録の目的の1つです。

議事録に必要な情報

議事録をとる目的について理解が深まってきたところで、どのような情報を記載しておくべきなのでしょうか。あくまで一例ではありますが、最低限必要な情報は以下のとおりです。

・ミーティングのタイトル
・日時・場所
・参加者
・ミーティングの概要・目的
・議題(アジェンダ)
・決定事項
・ネクストアクション
・次回のミーティング日程

特に重要なのは、「決定事項」と「ネクストアクション」です。議事録の大きな目的の1つは、ミーティングで決定したことと、次に取るべき行動の共有であるというのは説明した通りです。加えて、それら2項目の責任はどこにあるのかも忘れずに記録しておきましょう。

敬称は必要?

参加者を表すとき、あるいは人の発言を記録するとき、〇〇主任や〇〇さんのように敬称は必要なのでしょうか。究極的には組織や会社のテンプレートに合わせるべき、という結論になってしまいますが、ここでは一般論としての敬称の有無についてご説明します。

まず議事録を読むのが自社内の人間に限定される場合、議事録の参加者の見出しを「参加者(敬称略)」とし、以降は名字や呼び名のみという書き方で問題はないでしょう。一方社外の人へも共有する場合は、失礼のないように社外の人への敬称は忘れずつけておきましょう

効果的・効率的な議事録の書き方

それでは効果的な議事録の作成もためには、何を心がける必要があるのでしょうか。ここでは、ダメな議事録の例を用いて、議事録作成において気をつけるべきポイントについて解説していきます。以下がダメな議事録の一例です。

新プロジェクトの進捗状況について

日時:11/11(月) 11:00~12:00

場所:会議室A

参加者(敬称略)

佐藤(マネージャー)、田中(デザイナー)、山田(デザイナー)、庄司(エンジニア)、品川(エンジニア)

ミーティングの概要・目的

本ミーティングの主な目的は、新プロジェクトの進行状況を各部署から共有し、それぞれの進捗状況や課題、提案などを聞くことです。また、それに基づいて、今後のスケジュールやタスクの優先順位を再設定することも目的です。

議題(アジェンダ)

佐藤「まずはプロジェクト全体の進行状況と現在の課題について報告させてください。現状、予定していた進行計画に比べて少し遅れています。特に、デザインとエンジニアリングの部分でバッティングしている課題がいくつかあります。」

山田「具体的には何が問題なのでしょうか?」

佐藤「デザインとエンジニア間のコミュニケーションがスムーズでなく、それが全体の進行に影響を及ぼしているようです。」

田中「全体的に見て、デザインは80%完成しています。ただし、一部のコンポーネントの開発遅延により、最終的な見た目に影響が出ています。」

庄司「エンジニアチームの機能開発の課題がデザインチームに影響を及ぼしている可能性があります。」

品川「問題解決のために新しい開発ツールの導入を考えています。それにより、コミュニケーション問題も解消され、より効率的にプロジェクトを進められるはずです。」

決定事項・ネクストアクション

田中「デザインチームは、山田さんともっと緊密に連携し、エンジニアリングチームとのコミュニケーションを改善します。開発遅延については優先的に対応を進めます。」

庄司「新しい開発ツールの導入を進めます。そのための具体的な計画を開発スケジュールに反映させます。この工程にはデザイン部門とも密に連携します。」

品川「新しい開発ツールにより、タスクの効率化とコミュニケーションの改善を目指します。具体的な導入計画は庄司さんと協力して進めます。」

佐藤「全体の進行計画を見直し、進行状況と課題の管理を強化します。具体的な進行計画とアクションプランを作成後、各メンバーに共有します。」

次回のミーティング日程

日時:11/18(月) 13:00~14:00

場所:会議室C

良い議事録の要素とは

かなり冗長で要点が掴みづらい議事録ですよね。みなさんも改善点がすぐに思いつくと思います。ここでは実際に効果的な議事録を構成する要素を紹介し、最後に良い議事録の例を示します。

あらかじめアジェンダを把握する

実際にミーティング中に議事録を書き始める前に、全体のアジェンダを把握して、議題を議事録に書き込んでおきましょう。人の発言を一言一句ただ書き連ねているだけでは議事録としては相応しくありませんし、それぞれの議題に対して論点と意見が整理されていなければいけません。あらかじめ議事録のドキュメントに議題などを書き込んでおくことによって、ミーティング中のメモが整理され、議事録作成の効率UPも期待できます。

5W1HとPREPを意識する

「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」からなる5W1Hの視点と、「結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)」のPREP法の視点は、わかりやすい議事録作成のためには欠かせません。5W1Hは、議事録全体を通して意識すべきポイントですが、特に「決定事項」と「ネクストアクション」に必要な視点です。「何を根拠に誰が何をいつまでにどのように実行するのか」ということを、議事録を読んで理解できるように記録します。

また、PREP法の視点は「ミーティングの概要・目的」「決定事項」「ネクストアクション」で特に意識しましょう。PREP法を意識するいちばんの目的は、結論を初めに示すことで、議事録を見返す時間が十分に取れない時でもミーティングの要点を理解しやすくする、ということです。

要点をしぼる

議事録作成において、人の発言を一言一句そのまま全て記録するのはNGです。くどいようですが、議事録作成の第一の目的は決定事項とネクストアクションの共有です。であれば、それらの根拠となる情報や責任の所在などの必要な情報と、不要な情報はよく仕分ける必要があります。箇条書きで簡潔にまとめるなどして、目的に基づく議事録にしましょう。

定量的な情報は特に正確に記録する

日付や人数、あるいは金額など、定量的な数値が出てきた際は特に正確に記録するよう心がけましょう。ミーティングでは複数人が時間的に拘束されますから、間違った日時や数字が伝わらないようにしなければなりません

主語と発言者を明確にする

主語と発言者を明確にすることによって、議事録の目的の1つである「責任の所在を明確にする」が達成されます。責任がどこにあるか明確にすることによって、メンバーそれぞれのタスクやスケジュールの透明化につながり、円滑な業務に繋がります。それを実現させるためにも、議事録という形で責任者を明確に記録しておきましょう

こそあど言葉の使用は極力避ける

議事録作成の際は、代名詞やこそあど言葉(この、その、あの、どの等の指示語)の使用は極力避けましょう。「主語と発言者を明確にする」でも述べたように、責任の所在を明確にすることが目的です。

録音機器・ツールを活用する

ミーティングの録音も非常に効果的です。録音を残しておくことで、議事録をまとめる際に不明点を解消しやすくなるためです。とはいえ、ミーティングの音声全てを文字に起こす必要は全くありませんから、あくまで聞き取れなかった重要そうなポイントの見直しや、発言のニュアンスの確認程度に録音を使用するのがベストです。また、録音するための便利なツールは多く存在しています。本記事の後半で2つのイチオシ録音ツールを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

見やすく書く

議事録は最終的には人の目に触れ、読まれるものです。となると、議事録自体の読みやすさも考慮に入れる必要があります。どんなにミーティングの内容が簡潔にまとまっていたとしても、レイアウトやフォントなどが可読性の低いものでは迅速な情報の共有は達成できません。ですので、読む人の議事録の理解にかける時間を抑えるためにも、なるべくシンプルで読みやすい見た目であることを意識しながら議事録を書きましょう。

すぐに共有する

議事録の作成はだらだら時間をかけるようなものではありません。参加者の記憶が新しいうちに書き上げ、共有できるぐらいのスピード感が求められます。わかっている情報はミーティング前にあらかじめ記入したり、アジェンダから特に重要そうなポイントを把握しておくなどして、ミーティング後なるべく早く共有できるようにしましょう。あくまで目安ですが、ミーティングにかかった時間と同じくらいの時間で作成する、ということを意識できると良いでしょう。

良い議事録の一例

それでは最初に示したダメな議事録の例の改善案をご紹介します。

新プロジェクトの進捗状況について

日時:2023/11/11(月) 11:00~12:00

場所:会議室A

参加者

佐藤(マネージャー)、田中(デザイナー)、山田(デザイナー)、庄司(エンジニア)、品川(エンジニア)

ミーティングの概要・目的

プロジェクトの進行状況を確認し、現在の課題とそれに対する解決策を共有し、次のステップを決定する。

議題(アジェンダ)

  1. プロジェクトの現状進捗と課題
    • 全体的な進捗が予定より遅れている(佐藤)
    • デザインとエンジニアリング間のコミュニケーションが不足している(田中、山田)
  2. デザインに関する進行状況と課題
    • 一部のデザインコンポーネントの開発遅延が全体の進行に影響している(山田)
    • エンジニアリングチームとの連携強化が必要(田中)
  3. 技術的な問題と解決策
    • 新しい開発ツールの導入で開発効率が向上する可能性がある(品川)
    • ツールの導入によりデザインとの連携も改善できると予想(庄司)

決定事項

  1. プロジェクト全体の進行計画の見直しとアクションプランの作成(佐藤)
  2. デザイン部門の進行状況の改善とエンジニアリングチームとのコミュニケーションの強化(田中、山田)
  3. 新しい開発ツールの導入とその計画の立案(庄司、品川)

ネクストアクション

  1. 進行計画の見直しと新しいアクションプランの作成(佐藤)
  2. エンジニアリングチームとの連携強化と開発遅延のあるコンポーネントへの対応(田中、山田)
  3. 新しい開発ツールの導入計画の立案と実行、それに伴うデザイン部門とのコミュニケーションの改善(庄司、品川)

次回のミーティング日程

日時:2023/11/18(月) 13:00~14:00

場所:会議室C

いかがでしょうか。はじめに示した例よりも簡潔でスッキリした議事録になりました。今行っていることの目的は何か、目的達成に向けて正しい行動は取れているかを意識しながら議事録を作成できるようにしましょう。

議事録作成のための役立つツール

現代社会において、メモを取ったり記録を保存しておくためのツールは多く存在します。ここでは議事録の文章部分を効率的に作成するためのツールと、ミーティングの文字起こしなどに便利なAIツールを合計6つご紹介します。

議事録の作成・管理ツール

Microsoft Word

Microsoft Word

まずは言わずと知れた文書作成ツール、Wordをご紹介します。皆さんも一度は触ったことがあるのではないかと思います。議事録作成においてのWordの強みは、インターネット上で多くのテンプレートがWordファイルとして配布されている、という点です。また、これから紹介する他のサービスに比べて歴史が長く、その分多くの企業に採用されているため、社外に共有する場合も圧倒的に簡単です。

Google Document

Google Document

次にご紹介するのはGoogle Documentです。本サービスはWordと比較すると、1つのファイルで同時に複数人で共同編集がしやすい無料のサービスです。特に議事録の作成なら、議事録に対するコメントがしやすく、尚且つコメントも見やすいというのが強みになります。議事録作成者以外の意見や感想も簡単に書き込めるため、1人で作成した議事録よりも発言の意図などの精度を高くすることができます。他にもGoogle Driveを用いたスムーズなファイルの共有など、複数人での共同作業に強い文書作成サービスです。

Notion + Notion AI

Notion
Notion AI

3つ目はNotionです。Notionの強みはなんといってもそのカスタマイズ性と簡単なデータベース操作でしょう。コードを書くことなく直感的にページのレイアウトを動かすことができますし、データベースでは議事録などのデータを自由に管理できます。また、ミーティングから発生したタスクも、Notionの機能の1つであるカンバン方式やガントチャートを用いてスムーズに管理することが可能です。他にも、議事録を管理するデータベースに議事録用のテンプレートを用意しておけば、1クリックで簡単に議事録のフォーマットを呼び出せたり、1つのアプリでデータを全て管理したい場合に最適なサービスです。また、Notion AIを用いれば文章の要約をしたり、議事録からタスクを割り出すことも簡単にできます。しかし、導入企業が上記2つに比べると少なく、慣れるまでは少し使いづらいという課題もあります。ですが使いこなすことができれば非常に強力なツールですので、ぜひご検討ください。

自動作成・AIツール

ここでは、議事録の自動作成を可能にする2つのAI録音ツールと、文字起こしを助けてくれる強力なAIツールをご紹介します。

AI GIJIROKU

AI GIJIROKU

AI GIJIROKUの強みの1つは、国内で唯一Zoomと連携し、リアルタイムでのZoomの文字起こしが可能であるという点です。コロナ禍がおさまりつつありますが、Zoomをはじめとしたオンラインミーティングは、会議の1つの形としてこれからも残ることが予想されるためです。また、金融、医療、ITなど、それぞれの業種に特化した文字起こしにも対応しており、専門用語など日常的に使われない単語も高精度で認識してくれます

他にもm4aやmp3などの音声ファイルの読み込みにも対応しており、スマートフォンやICレコーダーに保存してあるデータの文字起こしにも対応しています。しかし、高精度ではありますが、100%完璧な文字起こしは現時点では不可能であるため、先述のNotion AIやChatGPTなどと組み合わせて、必要な情報がまとまった良い議事録を効率的に作りましょう!

CLOVA Note

CLOVA Note

CLOVA Noteの強みは、手軽にAIが音声から文字起こしをしてくれるという点です。多くの文字起こしサービスが無料で使用できる機能を制限している一方、CLOVA Noteはほとんどの機能が無料で使用できます。加えて、LINEが提供するサービスのため、LINEのアカウントさえ持っていれば簡単に利用が開始できます。

加えて、発言者を認識する機能が非常に優れているため、複数人のミーティングでも発言と話者を結びつけて、発言者ごとに文字に起こすことが可能です。そして、専門用語や上手く認識されない単語などは、あらかじめ登録しておくことによって、より高精度に言葉を判別してくれるようにカスタマイズもできます。その他にもAI GIJIROKUのように、m4aやmp3などの録音データにも対応しています。

ChatGPT

ChatGPT

最後にご紹介するのはAI人気の火付け役、ChatGPTです。上記のサービス達とはできることが全く異なりますが、文書作成・文字起こしの強力なサポーターとしてご紹介します。ここでご紹介した文字起こしサービスは非常に高精度ですが、そのまま使用できるような文章を出力してくれないこともあります。その際、あくまで一例ですが以下の命令をChatGPTに与えれば、読みやすく、意味のある文章に修正してくれます。

<ここに文字起こしをペースト>

以上の文章を読みやすく、日本語として意味のわかる文章にしてください。

最終的には人の手で文章を確認する必要はありますが、他にも、文章の要約を依頼したり、話し言葉を文語体にしてもらったりと、ChatGPTの使い方は多岐にわたります。自分自身に合った使い方をぜひ探してみてください!

議事録のテンプレート

議事録を作成する際のテンプレートはそれぞれの組織・会社によって既に決まったものが存在しているかと思います。ですが、「これから議事録のテンプレートを作る」「議事録の改善案が欲しい」といった方に向けて、基本的な情報をまとめられるテンプレートを記載しておきます。参考になりましたら幸いです。

ミーティングのタイトルを入力”
日時
場所

参加者

ミーティングの概要・目的

議題


決定事項


ネクストアクション


次回のミーティング日程
日時
場所

まとめ

本記事では基本的な議事録の書き方、気をつけるべきポイント、そして議事録作成に役立つツールをご紹介しました。決定事項とミーティング後のアクションを共有する、という議事録本来の目的を達成するためのヒントになれば幸いです。効果的な議事録を作れるようになって、日々のミーティングの効果を最大限引き出しましょう!

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大学と42Tokyoでコーディングを学ぶ中で、UX/UIに興味を持つ。AIの台頭によって、単純な技術力以外の価値が高まったと感じ、ユーザーに寄り添うことを学ぶためにセブンデックスにインターンとして入社。国際基督教大学情報科学専攻在籍。