PM(プロジェクトマネージャー)はサービスの価値を最大化させるため様々な業務を行います。クライアントとのやりとりや、デザインが要件を満たせているかの確認。そのなかでもプロジェクトの進捗管理はPMの基本的な仕事の1つです。
そんな進捗管理を進める上で陥りやすい問題について、今回は事例を交えて解説していきます。プロジェクトを進める際の参考にしてみてください。
目次
はじめに
ゴールへはどういったプロセスを辿ればよいか、そのプロセスにはどんなタスクがあり、誰がいつまでに実現するのか。これらを管理するためにプロジェクトの開始時にスケジュールを組み、それらと照らし合わせ作業を進めていきます。
しかし、スケジュールを立てる段階では予想がつかないことや不確実な要素も多く、立てたスケジュール通りに進むとは限りません。
「新たなタスクが発生したがデザイナーの手が空いてない」
「貰ったフィードバックを元に修正する時間がない」
「このままじゃ納期に間に合わない」
今回は、その中からよく陥りがちな問題を6つピックアップし、原因や対処の仕方についてお伝えしていきます。
①実現可能なスケジュールになっていない
スケジュール通り進まない場合、まず考えるべきは立てたスケジュールに問題がないかです。タスクに対して時間の見積もりを誤っているかもしれません。
PMはデザインができる必要はありませんが、デザインで何を行うか知っておく必要があります。
「ワイヤーフレームの制作にはこれくらいかかるな。」
「トップページの制作にはこれくらいかかるな。」
などデザイン業務のイメージを持てていないと、実現可能な時間の見積もりはできません。
弊社セブンデックスのPMもまずは自分でワイヤーフレームやデザインを行い、デザイン業務のイメージを持ってから実務でのスケジュールを立てていきます。どうしてもイメージがつかない場合は、デザイナーと話し合うことで無理のないスケジュールを組みましょう。
②適切にタスクが区切られていない
新人のPMだとプロジェクトメンバーとのやり取りなどで、なかなか強く出れない場面もあるかもしれません。余裕を持ち進めるため、明日締切のデザイン制作に着手してほしくてもデザイナーから、
「まだ1日あるから、明日やるよ」
と言われてしまい、作業を進めてもらえないかもしれません。
残り時間の捉え方は人それぞれであり、それらを統一する事は困難です。この様な時はタスクはなるべく細かく区切り設定してみましょう。
例えばトップメニュー、マイページ、検索画面の3画面を1人のデザイナーに制作をお願いするとします。
「今週中に3画面の制作をお願いします」と大雑把な区切り方では、定期的に進捗を確認しないといけなかったり、完成までの目処が見えづらかったりと進捗の管理が困難です。
そこで、
「トップメニューは火曜日まで、マイページは木曜日まで、検索画面は金曜日までにお願いします」
とタスクを細かく区切ることで、目の前のタスクに共通の認識を持ち作業を進められます。不確定な要素を減らすためにもタスクを細かい粒度で区切りましょう。
③詳細な締切が決まっていない
設定したスケジュールをガントチャートで可視化すると、プロジェクト全体の流れを把握できます。しかし、ガントチャートでは個々のタスクの締切までは把握しきれません。そこでPMはそれぞれのタスクに対して、何時までどの段階まで完成させればよいか、タスクごとの詳細な締切を決めなければいけません。
詳細な締切が決まっていない場合、担当者の認識のズレから提出期限に間に合わない、といった事態に陥ります。
例えば提出期限が今日のデザインがあった場合、デザイナーが今日中にデザインを作ればよいというわけではありません。デザイナーが制作したデザインはPMが要件を満たせているか、責任者がクオリティを担保できているか確認ができて初めて完成です。そのため必要であればフィードバックを元に修正しなければいけません。
締切が今日までとしか決まっていないと、デザインは午前中に出来上がるかもしれませんし、はたまた夕方までかかるかもしれません。夕方までかかってしまうと、その後の確認や修正を行う時間が確保できず、今日中の提出に間に合わなくなってしまいます。
そのため、確認・修正をするためには責任者の予定がいつ空いているか、そのために何時までにデザインを完成させなければいけないか、細かなスケジューリングが必要です。PMは時にガントチャートでは把握できない細かなスケジュール管理が求められます。
④クライアントの確認フローを把握していない
設定された締切は、提出の締切なのかフィックスの締切なのか確認が大切です。
クライアントにより納品したデザインの確認フローは異なります。窓口となっている人の判断で確定が済めばスムーズに話は進みます。しかし、決裁権を持った人の判断が必要な場合、確認を終えるまでに予想以上の時間がかかってしまうかもしれません。
一般的にクライアントの規模が大きくなれば、確認のフローも長くなります。窓口、部長、本部長、責任者など複数人からの確認が必要になり、他の部署との連携がある場合はその部署への確認も必要です。
そのため、プロジェクトの開始時にはまずクライアントの確認フローを把握しましょう。その上でいつまでに提出をすれば間に合うかといった点を考慮し、スケジュールを立てる必要があります。
⑤新しいタスクを割り振れない
スケジュールを立てる段階では予想がつかず新たなタスクが発生したり、一度提出したデザインに対し修正が必要になる場合もあります。しかし、新たにタスクを振り分けようとしても、デザイナーが他のタスクを抱えていてすぐに取り掛かってもらえないかもしれません。
デザイナーが携わっているプロジェクトは一つではありません。複数のタスクを柔軟にこなしてもらうためには、タスクに対しての優先度を明確にしましょう。デザイナーが参加する他のプロジェクトに関しても把握し、期限が近いタスクは何か、誰かを待たせているタスクはないかなど、PMには目下のタスクへの優先順位付けが求められます。
⑥クライアントに不安を与えてしまう
細かくタスクを区切りスケジュールを組んでいると、その都度多少の遅れが出る場合もあります。個々の遅れは前後の努力で調整ができるかもしれませんが、やはり進捗の遅れはクライアントに不安を与えます。
そこでクライアントに対してはバッファを持ったスケジュールを伝えておくことが有効です。「この週までにはこの画面が完成します」と大まかに伝える事で、こちらも柔軟に対応できるようになります。
便利なツール
ここまで問題に対する解決方法をご紹介しましたが、最後に進捗管理を行う上で実際に使ってみて便利だった、Backlogというツールをご紹介します。
Backlogではタスクを入力すると自動でガントチャートが作成されプロジェクトの全体像を把握できます。カンバンボードを使えば誰がどのタスクを抱えているのかも直感的に把握できます。
またSlackなどコミュニケーションツールや、GitHubなど開発管理ツールとの連携もでき、チーム全体での活用に優れいるためおすすめです。
法人向けか個人向けか、またチームの規模により豊富なプランが用意されています。
いずれのプランも30日間無料で試す事ができるので、興味を持った方は是非一度体験してみてはいかがでしょうか?
また、その他プロジェクト管理に役立つツールは以下の記事でご紹介しています。ぜひご覧ください!
おわりに
今回は進捗管理で陥りがちな問題を6つ取り上げ解説しました。
皆さんがプロジェクトを進める上で参考になれば幸いです。
また今回は進捗管理について焦点を当てお話をしましたが、PMの仕事はそれだけではありません。
ユーザーリサーチ・情報設計・データ分析など多岐に渡って活躍するセブンデックスのPMについては、以下の記事で詳しく説明しています。是非こちらもご覧ください!