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採用活動におけるユーザー視点×ビジネス視点の戦略的選考プロセス

優秀な人材に対する獲得するためには、求人票を提示し応募が合った方を面接する「待ちの採用戦略」ではなく、候補者様に魅力を伝えるブランド戦略や、適切なタイミングでクロージングを行う営業スキルなど、様々な視点が求められるようになりました。

セブンデックスでは、日々クライアント様の事業戦略やユーザー体験の設計を通じて企業成長に繋げる支援を行っていますが、採用戦略を考える際にも、それらの考え方やノウハウについては多く活かせる部分があると考えています。

この記事では、そんな「企業に寄り添い、事業成長にコミットするデザインコンサルファーム」を掲げる当社が、採用戦略で大事にしている「ユーザー視点(候補者視点)」と「ビジネス視点(企業側視点)」を掛け合わせた考え方と、戦略的な採用選考プロセスについてご紹介します。

「選ばれる」視点と、「選ぶ」視点の双方が必要

企業側が優位に立ち、“企業が候補者様を選ぶ”採用活動を行っていた時代が終わり、“候補者様側が企業を選ぶ”動きが強くなっている昨今、企業側は「どうやって候補者様に選んでもらえるか」を考える必要があります。

とはいえ、候補者様に好かれようとするあまり、「その方が、本当に自社に合った人材なのか」という選考判断の質が落ちてしまっては元も子もありません。

質の高い採用活動を行うためには、「候補者様に選ばれるための施策」と「自社にマッチする候補者様を選ぶ」施策が必要であり、候補者視点と企業側視点の双方が求められます。

候補者視点(ユーザー視点)での「選ばれる」施策

候補者視点とは、候補者様の目線に立ち、候補者様が自社を選ぶまでの体験・ストーリーを設計することです。

候補者様にとって、「入社する会社を決める」という意思決定は非常に重要なものであり、その分不安も大きいもの。「この会社に本気で入りたい!」「この会社なら私に合っている!」と思って頂くためには、候補者様と接する全てのタッチポイントで施策が必要であり、候補者様の体験そのものを設計する必要があります。

最近は、CX(Candidate eXperience:候補者体験)という言葉もよく使われるようになり、UX(User eXperience:ユーザー体験)と同様に、候補者様の転職〜入社後の活躍までの体験を設計することの重要性が高まってきました。

企業視点(ビジネス視点)での「選ぶ」施策

この「選ばれるたの施策」を設計すると同時に、「正しく選ぶ(見立てる)ための施策」も丁寧に設計する必要があります。

「経歴はすごいし頭は良いけど、自社のカルチャーには合わなかった(ことが、入社後に分かった)」という経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。

選ぶ施策を正しく設計する際は、「入社」ではなく「(入社後の)定着」をゴールとし、スキル・カルチャーフィットの両軸からマッチ度を測るための選考プロセスが必要です。

「選ばれる」と「選ぶ」を両立した選考プロセス

セブンデックスでは、上記の「選ばれること」と「選ぶこと」の双方を意識した上で、以下のような選考プロセスを設けています。

候補者の方が「セブンデックスは自分に合っている会社かどうか」を判断して頂けるな情報を提示することを意識しながら、自社がとのマッチ度を測るための情報を収集していきます。

初回面談

初回面談では、まずはお互いのことをカジュアル話しながら、理解を深めていきます。

求職者の方からはキャリアの軸や入社したい会社像などを伺い、企業側は会社紹介資料などを活用し、自社の特徴や業界の内側から見た自社の立ち位置等についてお伝えします。

学生さんやキャリアの軸が明確に決まっていない方との面談時には、キャリア相談のような形で長時間お話しすることもよくあります。

あくまで「相互の理解を深める」ことを目的とした面談であり、どちらかが上に立つような構図になってはいけないことを意識しなければなりません。

初回面談終了後、求職者の方が「弊社の選考に進みたい」と希望される場合は、次の技術選考の案内を行います(次の選考に進むかどうかは、企業側ではなく求職者の方が判断します)。

技術選考

技術選考では、求職者の方課題またはポートフォリオによるプレゼンをして頂きます。

例えば、UIデザイナーの選考では以下のような課題に対してアウトプットを出して頂き、当日プレゼンテーションを実施して頂きます。

Q1/国内のグルメサービスを3つとりあげてください。
Q2/その中の1つについて、成長している理由や特徴をあげてください。
Q3/あなたがその会社のデザイナーだったとして、改善案をあげてください。

当社では、デザインを作成する際のプロセスを重視しているため、職種専門性・言語化力・思考力・表現力などの項目から定量的に評価を行っていきます。

「選ぶ」要素が強い選考プロセスにも見えますが、このフェーズにて候補者様に質の高いフィードバックを提示することで、自社のスキルレベルの高さをアピールすることができ、「この会社ならスキルアップできそう」と感じて頂くことができます。

ご飯会

技術選考を通過された方には、同職種の社員を含めて食事会を実施します(コロナウイルスの感染状況によって、オンラインで実施することもあります)。

食事会では、候補者様のメンターとなりそうな社員や、同職種・同年代の社員など、候補者様の希望も考慮しながらメンバーをアサインします。

また、ご飯会のゴールや候補者様の経歴、これまでのコミュニケーションの中で得た情報などは参加するメンバーにも共有することで、ミスコミュニケーションは極力無くすことも大切です。

あとは、(ゴールを意識しながらも)着飾ることはせず、普段のコミュニケーションを取るテンションでありのままのカルチャーを表現していきます。

最終選考

ご飯会が終了した時点で、「スキル」「カルチャー」に対する双方の理解が高まり、ある程度入社後のイメージを持って頂くことができます。

その上で、払拭しきれていない不安や、意思決定しきれずにもやもやしている感情をクリアにして頂くため、共同代表2人を交えた最終面談を実施します。

(+α)内定後面談

内定から入社まで一定の期間が空いてしまう方については、定期的にコミュニケーションを取り、会社の現状や最近のトピックなどを共有します。

人によっては社内イベント(合宿や納会など)に参加頂くことも歓迎しており、「内定者」ではなく「メンバー」として接することで、より密なコミュニケーションを取り、関係性を深めていきます。

「入社」ではなく、「定着」を意識した選考を行う

採用選考では、企業側が候補者様を選考すると同時に、候補者様側も企業側を選ぶ場でもあります。

構造上、採用における最終的な意思決定権は候補者様側に存在するため、「この人に入社してもらいたい!」という方と出会った時には、「選んでもらう」ことが優先され、候補者様の求める姿に寄せて自社を表現したくなってしまうこともあるでしょう。

あくまでゴールは「入社」ではなく「定着」であるため、企業として候補者様を見立てることと、候補者様に選んでいただくことを同じくらい重要視した採用選考を実施していきましょう。


その他、セブンデックスの採用戦略について、以下の記事でも紹介していますので、気になった方は是非こちらも御覧ください。

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新卒入社でマイナビに入社し、企画営業としてマイナビ転職や、求人広告販売を担当。全社表彰/社長賞獲得。CX(Candidate Experience)を通して広義のデザインに可能性を感じ、また自分の仕事の領域を広げたいと思い、セブンデックスに入社。現在はPM/UXデザイナーとして様々な案件に携わりつつ、採用人事など幅広く担当している。