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UXデザインで「専門家」の意見を活用|ヒューリスティックス評価とは

UXデザインにおいて、ユーザーインタビューなどユーザーからの意見を参考にすることは多いかと思いますが、UXUIの「専門家」に評価をもらう『ヒューリスティックス評価』という手法もあります。

専門家の豊富な経験則を活用することで、効率良くUXUIをより向上させられるというわけです。

今回は、ヒューリスティックス評価について、その内容・事例を紹介したいと思います。

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ヒューリスティックス評価とは

ヒューリスティックス評価とは“専門家”による評価です。

ヒューリスティックには「発見的な」・「発見を促す」という意味があります。心理学でも使われる用語でもあり、「経験則」・「バイアス」という意味で使われます。

ヒューリスティック評価の場合は心理学と同じ意味で使われ、経験や知見の豊富な専門家の経験則を利用した評価のことを指します。具体的には、UXUI・人間中心設計の専門家が、ユーザーが操作する上での問題点・ユーザビリティの欠陥がUI上にあるかどうかを、自身の経験やガイドラインに則って評価します。一般の方では見落としてしまうような点も見つけることができます。

ヒューリスティックス評価の“メリット”

専門家から評価してもらうことのメリットは、まず問題を早期に発見できることです。

ユーザーインタビューではユーザーが相手なので完成品をもとにをインタビューしますが、ヒューリスティック評価では専門家なので完成前のプロトタイプやコンセプトもにの段階でも評価してもらえます評価の対象を柔軟に設定して、評価してもらうことができます。実際に作り始める前に改善点を伝えてもらえることで、効率的に制作できます。

ユーザーインタビューと比べると、ユーザーインタビューが多くのユーザーの方に見てもらえる一方で、集まってもらうにはそれなりの時間とお金がかかります。ヒューリスティック評価は少数の専門家の方に、短期間で評価をもらうことができ、費用も時間もかからないこともメリットとなります。

評価する上での有名なガイドライン

専門家の知見や経験則のみを元に評価することもありますが、組織内で作られた原則や専門家が提唱するガイドラインなどを用いて、観点・評価項目・基準などをある程度揃えて評価することが望ましいです。

ガイドラインの中では、米国の工学博士ヤコブ・ニールセンが1994年に策定したニールセンのユーザビリティ10原則が有名です。20年以上前のものですが、人間の認知特性などを考慮したもであるので、有益だと思います。ガイドラインの一つの参考にしてください。

-参考「ニールセンのユーザビリティ10原則」

1.システム状態の視認性を高める
2.実環境に合ったシステムを構築する
3.ユーザーにコントロールの主導権と自由度を与える
4.一貫性と標準化を保持する
5.エラーの発生を事前に防止する
6.記憶しなくても、見ればわかるようなデザインを行う
7.柔軟性と効率性を持たせる
8.最小限で美しいデザインを施す
9.ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする
10.ヘルプとマニュアルを用意する

ヒューリスティック評価を行う上での注意点とは?

専門家の経験則を元にした評価であるから、どうしてもその専門家の知識や経験が大きく影響する側面があります。ですから、ヒューリスティック評価によって抽出された課題のすべてが、ユーザーにとって重要な問題であるは限りませんサービスにとって何よりも大切なのは「ユーザーの声」です。ヒューリスティック評価の結果とユーザビリティテストの結果を組み合わせることで、専門家とユーザーの意見とがうまくまとまります。

ヒューリスティックス評価の活用事例

弊社では、UXデザイナーがヒューリスティック評価を必ず行います。
ヒューリスティック評価の結果をどの程度参考にして、プロジェクトを進めるかは与件によります。プロジェクトを進める上での大事な指針となることもあれば、逆に参考程度に扱われることもあります。

ここでは、ヒューリスティック評価の結果を元にプロジェクトを進めたケースを紹介します。

HPのUI改善を行う案件で、UXデザイナーがヒューリスティック評価を行いました。ガイドラインを考慮しつつも、主にUXデザイナーの経験則を元に判断した結果、100個以上の問題が発見されました。例えば「カタカナ検索に対応していない」ことや「カートボタンの形がカートに見えない」など、細かい問題から情報設計まで多くの改善点が見つかりました。

これらに対して、ユーザーへの影響度を基準に優先順位ををつけて、優先順位の高いものから順々に改善を進めていきます。その結果、UIは大幅に改善され、そのサイトの売り上げは億単位で数倍となりました。ヒューリスティック評価とUI改善がもたらす変化の大きさがわかるケースです。

まとめ

ヒューリスティック評価、いかかだったでしょうか。あまり聞きなれない言葉ですが、

専門家の経験をもとにUIのユーザビリティの問題点を効率的に指摘してもらうということです。
「ユーザー」ではなく、「専門家」だからこそ設計段階での指摘や、確認してもらいたい部分を重点的に見てもうことができたり、スピーディーにかつ柔軟に対応してもらえるます。

一方で、専門家とはいえ主観がありますし、やはり実際に利用するユーザーの声が最も大切であるので、ユーザビリティテストも行うことで良い体験を生むことができます。

実際、弊社でもヒューリスティック評価の結果を元にUI改善を進めることで、売り上げが数億円増加した事例があります。

皆さんも、何か困った時には詳しい人に聞きたくなりますよね。詳しい人からアドバイスに加えて、客観的なガイドラインや、実際のユーザーからの生の声も組み合わせて、考慮することでさらに良いものにもなります。是非、ヒューリスティック評価、試してみてください!

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