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定量調査のススメ

現状把握、課題特定のフェーズでよく聞く定量調査。今回はそもそも定量調査でどの様な事をするのか、気をつけた方がいいポイントについて、実体験を元にご紹介します。これから定量調査を行おうとしている方におすすめです。

定量調査とは?


定量調査は、アンケートを用いて対象者から実態や評価を収集し、人数や割合を数値化したものを分析することで、傾向や全体像の理解のために行われる調査手法のことです。
※多くはWebアンケートを実施することが多いですが、電話調査や郵送調査、ホームユーステストなどの選択肢があります。

ブランド認知調査、満足度調査、市場の動向調査など、複数人の回答を集計することで、仮説を立てる種にしたり、立てた仮説を数字で裏付けるために用います。

では、定量調査を実施するにあたり、何から始めれば良いのでしょうか?まずは調査企画を固めていくにあたり、下記を決めましょう。

  1. 調査背景
  2. 調査目的
  3. 調査対象者(エリア、年齢、職業、年収帯etc…)
  4. 調査費用(サンプル数、調査項目)
  5. 調査手法
  6. 調査時期

調査自体は外部の調査会社に発注する事が多いですが、①,②,③は明確にしておいた方が目的に沿ったアウトプットとなります。
特に意識して欲しいのが調査背景。調査の先に何かを意思決定する必要があるので、そのためのエビデンスを得るために、調査目的を設定することが多いです。
ですので、何をどこまで把握できれば目的が達成されるのか、綿密に定義しましょう。

定量調査をする時に気をつけるポイント

目的に合わせたサンプル数に設定すること

まずアンケートには誤差という考えがあります。回答の偏りによって、精度がブレるのです。

精度を確かめるために、標本誤差早見表というものがあります。

例えば、「あなたはサクラダファミリアを知っていますか?」という設問を100人に聞きました。

99人がYesと答え、1人がNoと答えたとします。その場合大きな偏りがあるため、回答の誤差は2.0%。97%~100%の方が知っている、ということになります。

一方、50人がYesと答え、50人がNoと答えたとします。
その場合、回答の偏りがないため、どちらとも言える状況で、回答の誤差は10.0%となります。
よって、40.0%~60.0%の方が知っている、ということになります。

誤差の許容は場合によりますが、一般的には5%以下の誤差、調査対象1カテゴリーごとに400サンプルが望ましいです。

設問を考える時に分析方法や考察のことも考慮する

アンケートや質問を考える時に、あれもこれも聞きたくなり、設問を増やしたくなってしまいます。調査目的を忘れずに達成するためには、何を知る必要があるのか、結論を出すためにどのような情報が必要なのかを考えた上で、設問を設計していくことが大事です。

基本的な集計方法
調査票を回収した後は、それらを集計し、考察をかけていく準備をします。
基本的な3つの集計方法をご紹介します。

単純集計

単純集計は、各設問ごとにどれくらいの人がどんな回答をしたのかを、数と比率で示す集計方法となります。
調査会社の方は、GT(Grand Total)と略すことも多いです。

クロス集計

クロス集計は、単純集計での値を、性別・年齢・エリアなどの質問と掛け合わせて、単一では見えなかった考察をかけていく分析手法になります。
◯◯の回答をしている人は、△△の属性の人が多い傾向がある。と言った考察をすることができます。

アフターコーディング

自由記述・フリーアンサーの設問を集計する際に使います。自由記述の回答を目視で確認し、同じようなカテゴリーに分類。それらの回答を数値化することで定性情報を定量化します。

定量情報で傾向値を知る事で、次の仮説につなげやすくなります。

まとめ

今回は定量調査における、実際の実施までのプロセスまでをご紹介しました。
調査票の設計次第では、短時間で多くの情報を得ることができる調査手法ですので、是非実践してみてください。

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1991年生まれ、大阪府出身。 2018年に株式会社セブンデックスを創業し、代表取締役に就任。 これまで携わったPJは、ブランド戦略、UXデザイン、新規事業開発と多岐に渡る。現在は事業全体を統括し、日本のマーケティングに変革を起こすため従事している。