コミュニケーション力とは、他者と互いに考えていることを伝え、相互に理解し、認識を共有する力を意味します。
デザイナーの中には「人とコミュニケーションを取るのが苦手だからデザイナーになった」という人も少なくありません。
しかし、実際のデザイナーの業務では、クライアント含め人と話す機会は想像以上に多いのです。
今回は、デザイナーこそ身に付けたいコミュニケーション力を3つに分けてご紹介します。
目次
デザイナーがコミュニケーション力が必要な理由
「情報を発信する人」と「情報を受け取る人」を理解する必要がある
デザイナーの仕事は、クライアントとの要望を正しく聞き出し、理解し、それをユーザーへ適切な形で伝えること。つまり、「情報を発信する人」と「情報を受け取る人」を繋ぐことです。
この両者(時にはそのほかのステークホルダー)を一番理解している存在になるには、リサーチや観察から情報を得るだけでなく、対話を重ねることや相手の立場に立って同じ視点を持つことが必要になります。
課題定義とその解決方法の説明ができなければ、案は通らない
どんなに表現力が高いデザイナーでも、そもそもの課題定義が間違っていたら良いアウトプットを作ることはできません。
「なんか違うんだよね〜…」と言われてしまう原因として、クライアントと意思疎通ができず達成したいことの共有ができていなかったというのは、残念ながら良くある話です。
また、どんなに良いアウトプットを作ることができても、そのデザインの意図を伝えることができなければ、デザイン案が通ることはありません。
デザイナー同士での会話だと、なんとなく意図を理解できることもありますが、実際業務で行うのは非デザイナーへの説明がほとんどです。デザインの知識がない相手にも伝わる言葉で話す必要があります。
チーム内のコミュニケーションの質が、アウトプットの質も上げる
私たちは、クライアント含むプロジェクトメンバー(時にはプロジェクト外のメンバー)と関係性を築きながら仕事をしています。
チーム内の関係性が良くないと、
コミュニケーションコストが高くなる→報連相が遅れるor機能しない→お互いのタスクを共有できない→適切なFBがされない→・・・
というように、スケジュールやアウトプットのクオリティに大いに影響を与えます。
チームメンバーと常に密なコミュニケーションをとることは、プロジェクトを前に進めるためにもとても重要になってきます。
デザイナーに必要なコミュニケーション力
伝える力
伝える力とは、相手が理解しやすい道筋で、相手にわかる言葉を使って、理解してもらう力です。
クライアントへの提案、チーム内での進捗共有、エンジニアへの仕様説明・・・上げるとキリがないほど必要な場面が出てきますが、多くの場合は非デザイナーとのコミュニケーションです。
HCDなどのガイドラインやお作法といったデザイナーとしての基礎知識から、デザインの意図や考慮すべき点まで、丁寧に説明できるようにしましょう。
聴く力
聴く力とは、相手が発話したことを聞き理解することに加え、相手の非言語情報(表情・仕草等)も踏まえて、要望や意図を汲み取る力です。
当たり前ですが、クライアントの方はアウトプットイメージを明確に持てていなかったり、言語化できていないことがほとんどです。
そのため私たちの仕事は、対話を重ねて、モヤッとした状態から本質課題を汲み取り、ゴールイメージを立てるところから始まります。
ここで最適な提案ができるかどうかは、聴く力にかかっています!
共感する力
共感する力とは、相手の考えや主張を理解し、寄り添える力です。
デザイナーはクライアントの気持ち、ユーザーの気持ちを想像し、「なぜそう思うのだろう?」「なぜこの行動を取ったのだろう?」と推測することが求められます。
自分とは異なる価値観を持った相手であっても切り捨てず、相手の背景や立場、意図を汲み取ることが、心動かす提案につながります。
さいごに
デザイナーとして高いデザインスキルを持つことがマストであることはもちろんで、そこに力を入れることは大前提です。
ただ、本文でも説明した通り、コミュニケーション力がないとそのデザインスキルを発揮できる機会が減ってしまうこともあります。
コミュニケーション力を身につけることで、1歩ステップアップしたデザイナーを目指しましょう!