そもそもブランドパーソナリティとはなんでしょうか?
ブランドパーソナリティとはブランディングにおいて根幹となるような部分です。
このページではブランドパーソナリティについて、重要性、作成方法、成功事例について細かく紹介しています。
記事を読めばこれがわかる!
・ブランドパーソナリティとは
・ブランドパーソナリティの3つの効果
・ブランドパーソナリティの作り方
目次
ブランドパーソナリティとは
ブランドパーソナリティは、企業の属性や性格を示す要素の一つです。一言でいうと、ブランドの人格のことです。ブランドを人に例えたとき、「どんな性格なのか」「どんな振る舞いをするのか」を明文化したものになります。
同じ業種の中でも、印象が変わる企業の例として、無印良品とFrancfrancを出すと、無印良品はミニマリストなイメージがあり、Francfrancはかわいらしいイメージがあります。このように、ブランドパーソナリティとは自分の会社はどのような属性か、性格なのかを示す要素の一つです。
ブランドアイデンティティとの違いとは?
ブランドパーソナリティは、ブランドが人間のような特性や性格を持つという考え方です。一方、ブランドアイデンティティは、ブランドが独自性や識別可能な特徴を持つことを表現する考え方です。
ブランドアイデンティティは、ブランドのロゴ、色の使い方、文字のスタイル、スローガン、広告キャンペーンなど、ブランドを見分けるためのビジュアルやメッセージを含みます。
要するに、ブランドパーソナリティは、ブランドが「誰であるか」を示し、ブランドアイデンティティは、ブランドが「どのように見え、どのように感じられるか」を表現します。両方とも、ブランドのビジュアルや感情的な要素、そしてブランドと消費者の関係を築くのに役立ちます。
ブランドパーソナリティを持つことがいかに重要であるか、企業にとってどのようなメリットがあるかをみていきましょう!
会社の売り上げの8割は2割のロイヤルファンから成り立っている!
「80/20の法則」では80%の売り上げは、20%の特定の原因によって生じる、といわれているように、ビジネスの結果の大部分がロイヤルファンから出されていることがわかります。ビジネスにおいて、その要因や顧客層を特定し、そこに対して特別なサービスやプロモーションを提供することでさらに売り上げや利益を伸ばすことができます。
ブランドパーソナリティを通して顧客とブランドの間に感情的なつながりを構築し、そこから口コミによる宣伝効果も期待できます。
ライフタイムバリューが3倍以上に?!
パーソナリティを確立したブランドは、ライフタイムバリュー(自社の商品・サービスを初めて利用してから、長期的な関係のなかで得られる利益)が以前と比べ3倍以上上がったという調査もあり、消費者と近い性格を持つブランドは高いロイヤリティを保持し、より長く使用してもらうことに繋がります。
競合との差別化
ブランドパーソナリティは、競争の激しい市場でブランドを他社と差別化するのに重要です。顧客は、ブランドが独自の性格や特徴を持っていると感じることで、そのブランドを他の選択肢と区別することができます。ブランドパーソナリティの効果について、具体的に解説していきます。
ブランドパーソナリティの3つの効果
ブランドの差別化を図ることができる
企業が独自のブランドパーソナリティを確立することで、同業他社との差別化が可能になります。商品の品質や価格が似ている場合でも、ブランドの性格や個性によって顧客に与える印象が異なります。
例えば、Appleは高級感やライフスタイルを提供するイメージを重視し、そのブランドパーソナリティを徹底的に打ち出しています。
ブランドパーソナリティを明確にすることで、他社との差別化だけでなく、顧客に独自のイメージを与えることができます。これにより、消費者の心に深く残り、ブランドが長期的な成功を収める可能性が高まります。
ブランドに対して感情移入を創る効果
”ブランドへの感情移入”は、顧客がブランドに深い感情的な結びつきや愛情を持ち、そのブランドが生活において欠かせない存在と感じる段階です。
〇〇がないと生活ができない、〇〇を見ると必ず購入してしまうというように、そのブランドがユーザーの生活の一部として組み込まれていることや、ほかの競合ブランドを選択することなく、ある特定のブランドをこだわり続けている状態はブランドの売り上げにも大きく影響します。
ブランディングに一貫性や統一感を創る効果
ブランドパーソナリティは競合ブランドとは異なる独自の個性を持たせることができ、ブランドコミュニケーションに一貫性や統一感を持たせることができます。
スターバックスを例にとると、「お洒落、カジュアル、落ち着き」といったブランドパーソナリティがあり、そのブランドパーソナリティが、コーヒーだけでなく、接客や店舗、WEBサイトにいたるまで全てに統一されていて、生活者はいつでも”スターバックスらしい”サービスを体験することができています。
実際にブランドパーソナリティの作り方を紹介!
形容詞のリスト作成
まずはターゲットの顧客の好みを炙り出すことが大切です。どのようなイメージを顧客に持ってほしいかについて、「フレッシュ」「便利」「情熱的」などの形容詞で書き出してみましょう。
ディメンションフレームワーク
Jennifer Aakerにより提唱されたブランドパーソナリティ策定のためのフレームワークを、ディメンションフレームワークといいます。このフレームワークを実際にみていきましょう!
まず、ブランドパーソナリティを大きく5つに分類し、自社ブランドがどの属性に該当するかを考えます。
自社ブランドを想起したときに顧客が思い浮かぶ言葉を3〜5程度書き出し、その言葉が5つの属性のうち、どこに当てはまるかを考えます。自社ブランドを想起した言葉が最も多い属性が、自社ブランドの持つブランドパーソナリティです!
アーキタイプフレームワーク
Carl Gustav Jungの理論に基づいたフレームワークをアーキタイプフレームワークといいます。アーキタイプフレームワークは、ブランドが望む顧客像からブランドパーソナリティを定めていくようになっています。
弊社デザイナーが解説!ブランドパーソナリティに該当する人格の探し方
ブランド・パーソナリティを、例えば「ワクワクする」「自由」「最新の」といったワードに決定したとして、ブランドの人格に該当する人物を探すのはかなり大変です。
以下で紹介する方法は、実際に弊社のデザイナーが人物を探し始めた時のリサーチ方法です。人物を探す初手の手助けとなれば幸いです。
ワードから連想される製品のブランドの創業者を調べてみる
ブランド・パーソナリティで定めたワードから連想できる製品はなんですか?例えば、「ワクワクする」「自由」「最新の」といったワードで、iPadをイメージしたとしましょう。Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズが人物として上がってきました。
そこで、「もうちょっと親しみやすいイメージの方がうちのブランドっぽい」など、ズレが発生する場合があるかと思います。
次はそのズレを埋めていくように次の人物を探してみましょう。
雰囲気の近いアパレルブランドの、創業者・デザイナーを調べてみる
イメージ写真が豊富であり、身に纏っているブランドによってその人の人格や雰囲気が分かりやすい “アパレル” というカテゴリー。アパレルの創業者・デザイナーの思想がプロダクトに反映されていることが多いので、雰囲気の近いアパレルブランドを調べてみるのも手だと考えています。
また、各アパレルブランドを身に纏っている人はどのような家でどのような生活を送るのでしょうか。そこからイメージを膨らませて次々と人物を探し出してみるのもいいでしょう。
密着系ドキュメンタリー番組のゲストを調べてみる
調査対象は創業者やクリエイターだけではありません。より範囲を広げて探したい時に、弊社デザイナーが参考にしたのが、情熱大陸など、各業界の第一線で活躍している方をピックアップしている密着系ドキュメンタリー番組でした。密着系ドキュメンタリー番組では、今まで思いつかなかった分野や属性の人物と出会うことができます。
他にもWebメディアなど、様々な分野で活躍している方々がピックアップされているコンテンツを是非参考にしてみてください。
人格がブランド・パーソナリティに近いなと思った人物は、インタビュー記事や関連記事を読み漁ります。
かなりブランドの人格に近い人が現れても、「ここだけちょっと違うんだけどな…」と違和感を少しでも感じたら、その違和感を言語化してメモしておきましょう。残してきたメモが次の人物を探す際の手がかりとなります。
「どう違う?」の繰り返しが大事
多くの人物に触れていく中で、「近いけど少し違う」と思うことが沢山あるかと思います。その都度、どう違うのかを言語化して、次の人を探していく。弊社デザイナーはその繰り返しで人物を見つけてきました。
ブランドパーソナリティの成功事例を紹介!
ここでは、ブランドパーソナリティの成功事例を紹介しています。
日本鋳鉄管株式会社のブランディングの詳細や、誰もが知るブランドのブランドパーソナリティについて掲載しました。
日本鋳鉄管株式会社
創業から84年、業界第3位の水道管メーカー。
インフラに関わる比較的変動の少ない市場に事業ドメインを置き、堅実で安定的な経営を行っている。しかし国の水道事業に関する予算が減少。水道管の劣化が社会課題となり、水道クライシスと称されている日本では、再び市況が盛り上がる見込みはあるが現在は市場規模縮小に伴い事業成長も減退。
「この状況を打破し、成長するためには、根本的な意識改革が必要である。」とブランド力の強化とデザイン経営の推進に乗り出す。
日本鋳鉄管のパーソナリティで掲げたのは、日清食品創業者の安藤百福と「下町ロケット」の主人公であり、佃製作所の代表である佃航平でした。誠実で、ひたむきで、少し泥臭く、世に役立つ技術、製品を産みだそうとする性格を日本鋳鉄管に重ね合わせました。一方、華美や豪快なイメージが入らないように、気をつけていました。
セブンデックスが行った日本鋳鉄管のブランディングについての詳細を掲載しています。↓
ここまでどのようにブランドパーソナリティを定めていくかについて紹介しました。次に、ブランドパーソナリティをどのように商品やサービスに活かしているか、イメージのしやすい二社について紹介します。
スターバックス
スターバックスのブランドパーソナリティは次のような特徴を持っています。
「上質」「洗練」「誠実」「フレンドリー」「正統派」
スターバックスは、コーヒーだけでなく、居心地の良い空間やくつろぎの時間を提供することに重点を置いています。顧客にとっては、自宅や仕事場とは異なる、リラックスできる第3の場所として位置づけられています。
また、スターバックスは顧客の好みやライフスタイルに合わせて商品をカスタマイズできるようにしており、顧客のニーズに応える顧客中心のサービスを提供しています。
店舗については地域の中心に出店していることから、地域の人々が集まる場としても認識されているでしょう。
ハーレーダビッドソン
ハーレーダビッドソンのブランドパーソナリティ
「男らしさ」「野性的」「独立心」「自由」
ハーレーダビッドソンは、ただのバイクブランドではなく、乗る人の経験や態度、ライフスタイルを象徴しています。
彼らの広告では、「自由」や「アメリカ」など、強いイメージを連想させる言葉が頻繁に使われています。この強い個性を持つことで、ハーレーダビッドソンはコアファンの共感を得ています。
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