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マーケティング支援を掲げる会社。UIデザイナーのリアル

セブンデックスでは広義のマーケティング支援として、戦略策定からUXUIデザイン、グロースと一気通貫で支援しています。
マーケティング支援を掲げる会社のUIデザイナーはどんな姿なのか。職責や苦労、キャリアなど、UIデザイナーのリアルに迫りました。

▼プロフィール|三澤 英知
新卒でITメガベンチャー企業に入社し、プロジェクトオーナーとして複数の新規事業立ち上げ・運用に従事。その後、デザイナーにジョブチェンジし、デザインコンサルティング会社にてUXデザイナー、起業を経験。ビジネスとデザインを越境するビジョンに共感し、セブンデックスにUIデザイナーとして入社。コーポレートサイトのリニューアル、採用サイトのUIデザイン、新規プロダクトのUXUIを担当。

▼プロフィール|佐久間 美里
多摩美術大学卒業後、DeNAで新規アプリサービスの設計、UIデザインに従事。その後、セブンデックスに入社し、新規音声サービスUXUIデザイン、スタートアップのアプリのUXUIデザイン、上場企業のブランディングでは調査や戦略策定、VI策定など幅広いフェーズのデザイン業務に携わっている。

マーケティング支援に携わるデザイナーの職責

ーセブンデックスではどんな案件に携わってきましたか?

▲UIデザイナー|三澤 英知

三澤
UIデザインだけではなく、戦略や要件定義から一緒に決めていく案件に多く携わってきました。上流から決まっていない、制約条件もない状態なので、制約を決めつつUIデザインに落としていくイメージです。
例えばあるプロジェクトでは、会社が資金調達フェーズで組織を大きくしていきたい、営業面でマンパワーの活動からインバウンドでの獲得に変えていきたい、といった課題があり、手段としてコーポレートサイトを刷新したい想いがありました。そこで、ブランディングとマーケティングの側面を両立させるために、戦略からサイトへの落とし込みまでを提案しました。

UIデザインの職域が基本とはなりますが、デザインだけやる、決められたものをスタイリングに載せる様な動き方は全くなくて、一緒に考えながら役割を持って進めていくイメージです。

▲UIデザイナー|佐久間 美里

佐久間
様々なプロジェクトに関わってきましたが、特にここ半年くらいのプロジェクトでブランディング、マーケティングに深く携わってました。当初の与件は「ブランディングで認知度を上げること」だったんですよね。想定アウトプットもロゴとサイト制作でした。
ただ、進めていくうちにクライアントの「良さを伝えきれていない」という想いを聞くようになって。他社より優位な部分があるにも関わらず、自社が選ばれない。この状況の中で良さや価値を抽出して表現しないと差分は無くならないとわかり、戦略から考えてアウトプットに落としていきました。

役割はUIデザイナーとしてはもちろん、インタビュー設計から集計、ニーズの示唆出しを行ってました。ステークホルダーが多かったので、ただアウトプットを作るだけではなく、プロセスを的確に説明する必要があったんですよね。そうなると最初のプロセスから関わるほうが効率的で、その上で状況やプロセスをどう伝えるか、資料でのコミュニケーションデザインなどにも携わってました。

ーデザイナーの括りからすると、職域が広いですよね?セブンデックスのデザイナーに求められることは何ですか?

三澤
プロジェクト制約などのシステム面、クライアントに対するスタンス面、デザイナーとして達成すべき目標の3つがあると思ってます。

システム面は、PMがUXデザイナーを兼務してて、そこに対してUIデザイナーが1人、統括が1人入るのがプロジェクトの基本構成。そうなると必然的に1人あたりの職域が広くなるので、連携しながら動く必要が出てきます。この構成で求められるのは、プロジェクトマネジメントの意識です。

スタンスは、ただスタイリングするだけのデザイナーは会社としても望んでないですし、中にいるメンバーもそうなりたくないと思っているので、UXの知識、スキルはもちろん、アウトプットに絡む成果も求められると思ってます。ただ表現するだけではなく、成果に繋げるために連携しにいく動き。
大前提ビジネスの上流部分を理解してないとフィジビリティの高いデザインは生まれないと思っていて。セブンデックスの価値でもある「リアルな事業目線を持つ」に繋がるデザイン案を出すには、デザイナーもフィジビリティの観点を持って行う事が必要かなと。

最後、目標を達成するために、クライアントの制約、情報資産、チームのケイパビリティを理解した上でアウトプットする。リリース後の運用はできるか、グロースさせられるか、後工程を考える視点もアウトプットの1つだと思ってます。

これらの動き方は難易度が高いと思うんですよね。越境はリソース補填ではなく、さらなる可能性を生むので、職責を全うした上で接続する必要があります。まだ理想の部分もありますが、全員が越境できることを目指していて、最適だと言う共通認識は持ってます。

ーUIデザイナーとしてそこまで携わるんですね

佐久間
デザインを納品して終わりではなく、その先のビジネスをどう伸ばすかまで考えた上でアウトプットするので、UIデザインのWhyを問い続けていると、結果UXデザインへの越境だったり、事業視点を持ったりすることが必然になるんですよね。デザインって泥臭く思考した結果ですし、ビジュアルデザインも手段の1つかな。エゴで作るわけではないので、徹底的な顧客目線が必要だなと感じています。

ーUIデザイナーとしても最適な動き方なんですか?

三澤
一見非効率かもしれないですが、結果的に本質的なんですよね。事業を伸ばすために、デザイナー自身も目の前の課題に正しい目線で立てるのは大きくて。目線をブラさずにどう利益に繋げていくか、そのスタンスを全員が持ってるところは強みだなと。

ビジネスの世界だと数ヶ月単位で市場や競合の状況が変わることは全然あるので、そこに合わせて戦略も場合によってはプロダクトも変えなければいけない。その中で日々変わる情勢の中で最適なアウトプットを出していくところが満足度も高いですし、求められていることだと思ってます。

広い職域の中で体感した難しさ。

ー職域が広い中で、セブンデックスのデザイナーとして難しさを感じる場面はありますか?

佐久間
戦略からUIデザインに接続させて、成果を最大化させる事には難しさを感じます。部分最適であればシンプルで簡単ですが、接続した際の変数を考慮しなくてはいけない。この部分はプロセスをそのまま体系化、言語化できる部分ではないんですよね。他のケースを見ながら自分のプロジェクトに当てはめ解釈し直して、ロジックが通るかを確認する。そこから一連の流れでアウトプットしていくこともそうですし、これらを後続のプロジェクトで再現できる形でどう残すかは難しさを感じます。

三澤
戦略に対しての表現のコンセプト力は再現性がなかったり、知見も無いのでまだ感覚的な部分はあります。きっと市場ではこういう人がやってるんだろうな、と想像はできてますが、やっぱり感覚的で属人的。UXデザインのプロセスは体系化されてるものが多いですが、コミュニケーション戦略はなかなかなくて。物の意味や、どんなメッセージをすべきかなど、再現性を高めないとなと感じてます。

言語化しつつ、感覚を感覚として捉えてもらう

ー「表現の言語化」がポイントになってきそうですね

佐久間
まさにこれから大事になってくるのは思考の言語化なんですよね。
例えば「シンプル」と言うコンセプトのサービスがあるとして、Webサイトがシンプルで良いかと言うと違う。シンプルなものを作るのではなく、結果相手にシンプルに思わせるためにどう作るか?の視点で考える必要があるんです。

三澤
シンプルと言っても解釈は様々ですよね。言語化されない複雑性が多い中で、すごい感覚的なものだけどそれを表現して伝えた時に「確かにそれはあるよね」と理解してもらえる様な。

誰にでも伝わるクリエイティブコンセプトをどう出すか、五感的にこれだと思わせる腹落ち感を作る。シンプルと明文化するのではなく、結果としてシンプルかもと思わせる。さらにクライアントの制約条件も踏まえて出すバランス感。コミュニケーションは重要だなと感じてます。

ー直接脳にインストールできたらベストですが…感覚の伝え方って難しそうです

三澤
言語化してるんだけど、しきれない。「なんとか感」。これを数字で示してもピンとこなくて、メタファー的に表現する必要があるんですよね。データを使いロジックはありつつ、伝える時はストーリーとして伝える。情緒的な納得感はあるし、それしかない感覚になる。この空気感まで設計する必要があるなと思ってます。

佐久間
現状は戦略からUXUIデザインまで、思考プロセスを全てロジックで丁寧に説明して理解してもらう方法を取ってます。さらに情緒的に伝えられ、感覚的に腹落ちしてもらえたらベストですよね。コミュニケーションのアップデートは日々行ってます。

マーケティング支援におけるデザイナーの在り方

ーセブンデックスではこれら一連の支援をマーケティングとして提供してますが、UIデザイナーの視点からどう解釈してますか?

佐久間
最近会社として改めてマーケティング支援を行っていくと共有を受け、説明を受けたのですが、その時思ったことは今までやってることそのままだなと。全部含めてマーケティングでその中に戦略もデザインもある。一気通貫で物事を考えてたからこそ、ラベリングが変わった位で違いを感じなかった印象でした。

三澤
今までやってきたことがそもそもマーケティングで、ちゃんとラベルを付けた印象でした。マーケティングの中にデザインが含まれているので、ただユーザーにとっての価値を見つけるだけで売れる訳ではないことが理解しやすくなります。きちんとマーケティングと捉えていると、必然的に自社が出したアウトプットがユーザーが競合製品の機能、表現に対して相対的にどうか比べられるものだと意識するようになって。相対論の中で比較される前提がマーケティングに対するデザインの解釈ですし、デザイナーとして外してはいけない視点だと思ってます。

ー今後当たり前になるかもしれないマーケティングに対して、UIデザイナーに必要なものは何ですか?

三澤
BTC人材のBCの掛け合わせが必要だと思っています。UIデザインはプロダクトを伸ばす上でユーザーとの接面になる重要な要素だと思っていて、UIデザインがしっかりできるうえで目の前のビジネス状況に応じた最適なUIデザインを作って意思決定できるようになりたいんですよね。
CDOやCXOの様な、デザイナーに軸足を置きながらビジネスを考える。この視点で向き合って行こうと思っています。

佐久間
デザイナーは言語化力が一番大事だなと思っていて。色々なところでデザイナーは言語化が苦手と言われながらも、職人気質だからしょうがないと思われてきたんですよね。でも実際はインターフェースを考えるデザイナーこそ言語化力が必要ですし、マーケティングを伝えるためにも概念や感覚を今以上に伝えなければいけないと思うんです。そのためにクライアントやその先の社会に対しても、アウトプットを通じて伝えられるようになりたいと思ってます。