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コーポレートブランドとは?目的、効果、進め方を徹底解説!

現代のビジネス環境において、単なる製品やサービスの質だけで競争優位性を築くことは難しいです。企業全体の文化や価値観、社会的意義を体現する「コーポレートブランド」は、顧客や投資家、従業員など、上場企業の場合、ステークホルダーに信頼と共感を与える強い武器となります。

この記事では、コーポレートブランドの基本的な概念から、その構築・運用に不可欠な戦略、そして具体的な成功事例までを詳しく解説します。また、コーポレートブランドを高めることで得られる効果や、効果的なブランディングの進め方についても触れ、企業成長の基盤となるブランド戦略の全貌を解説します。

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コーポレートブランド (Corporate Brand) とは?

コーポレートブランドとは、企業全体を象徴するブランドイメージや価値観を指します。単なる製品やサービスにとどまらず、企業そのものの「カルチャー」「パーパス」「信頼性」などを総合的に表現したものです。このコーポレートブランドは、顧客、従業員、投資家、取引先、地域社会など多様なステークホルダーに影響を与え、企業の競争力や成長力を大きく左右します。

コーポレートブランドはなぜ重要か

コーポレートブランドは、企業の基盤であると同時に、その利益にも大きな影響を与える要素です。企業イメージを定着させ、コーポレートブランドを浸透させることで、企業の信頼性や独自性を顧客に訴求することが可能となります。また、これらを外部に発信することで、市場参入時の優位性を確保し、企業の安定性を維持する助けにもなります。安定性、信頼性、独自性は、最終的に企業にとって不可欠な要素となるのです。

例えば、トヨタは広告や製品の一貫性を通じて、「壊れにくい」「長持ちする」といったイメージを顧客に浸透させ、信頼を築いています。この信頼がブランドのリピーターを生み、企業の成長を支えています。

過去にセブンデックスが支援した、ブランディングについては、以下の記事もご覧ください!

コーポレートブランド戦略とは?

コーポレートブランド戦略は、企業がその価値やイメージを市場や社会に伝え、広めるための計画的な取り組みです。この戦略は、単に製品やサービスを売り出すための施策ではなく、企業全体の信頼性や社会的意義をアピールし、ステークホルダーからの支持を獲得することを目的としています。

コーポレートブランド戦略の施策例

  • 明確化なミッション・ビジョン・バリュー(MVV)
    企業がどのような社会的価値を提供し、どのような未来を目指しているのかを明確にすることが重要です。
    • トヨタの「持続可能な未来を目指す」や、LIFULLの「人々の住生活を豊かにする」という理念など。
  • 統一されたビジュアルアイデンティティ
    ロゴ、スローガン、デザインなど、視覚的な要素に一貫性をもたらすことで、ブランド認知度と信頼感を向上させます。
  • 内部への浸透(インナーブランディング)
    社員一人ひとりが企業ブランドの価値を理解し、それを日常業務に反映できるようにする取り組みが欠かせません。
  • 外部への発信(アウターブランディング)
    広告やSNS、イベントなどを活用して、ブランド価値をターゲットに届けることが求められます。

コーポレートブランディング (Corporate Branding) とは?

コーポレートブランディングは、企業そのものをブランドとして確立し、その価値を高めるための取り組みを指します。製品やサービスの認知を向上させる製品ブランディングとは異なり、企業全体のイメージや理念、信頼性に焦点を当てます。

コーポレートブランディングの特徴

  • 顧客や従業員、投資家など、広範なステークホルダーを対象
    コーポレートブランディングは顧客だけでなく、取引先、地域社会、従業員など、多様な層に影響を与えることを目的とします。
  • 長期的な視点が必要
    ブランド力の向上は短期間では達成できません。長期的な戦略と一貫した努力が不可欠です。
  • 全社的な取り組みが必須
    ブランド価値の向上には、経営陣から現場の社員まで、全員が一体となって取り組むことが求められます。

コーポレートブランドを行う目的・効果

コーポレートブランドは、企業が社会や市場で競争力を維持・向上させるための基盤です。例えば、以下のような目的や効果があります:

市場競争力の強化

コーポレートブランドを強化することは、市場での競争力の向上に繋がります。類似した製品やサービスが多い現代において、単に製品やサービスの独自性や機能性だけで差別化を図るのは難しくなっています。そこで、消費者が選択の基準とするのは、その製品やサービスを提供する会社のブランドです。

特に、現在ではSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みが重要視されており、これらを実施していない企業は多くの顧客から信頼や尊敬を失うリスクがあります。言い換えれば、社会的に良いイメージを持たれるブランドを確立できているかどうかが、信頼性や認知度に大きく影響を与えます。このように、コーポレートブランドの向上は、競争力を高め、企業の成功を支える重要な要素となっています。

従業員のコミットメント向上

コーポレートブランドの構築は、従業員のコミットメント向上に繋がります。会社のアイデンティティや価値を明確化し、それらが従業員にとって魅力的なものであれば、従業員のコミットメントは高まるでしょう。従業員が会社を尊敬し、「この会社のために頑張りたい」と自発的に思えるようになることが目的です。

こうしたコミットメントやモチベーションの向上は、作業量や作業効率の改善をもたらし、最終的には会社の利益やパフォーマンスの向上に結びつきます。コーポレートブランドは、従業員一人ひとりの意識を高め、企業全体の成長を促進する重要な要素となります。

優秀な人材の確保

コーポレートブランドは、優秀な人材を確保するために欠かせない要素です。多くの企業の中から就職先を選ぶ際、求職者の多くは会社のイメージや、その会社で働く価値があるかどうかを基準にしています。誰しも、尊敬でき、モチベーションを維持しやすく、コミットメントを持ち続けられる企業で働きたいと考えるものです。

こうしたブランディングを成功させることで、求職者にとって魅力的な企業となり、応募者の数が増加します。応募者が増えれば、その中から優秀な人材を見つけ出すことが、限られた応募者の中で探す場合に比べて容易になるでしょう。

さらに、コーポレートアイデンティティを確立することで、会社の理念や価値観と一致する人材を確保しやすくなります。求職者側が会社の求める人材像を理解すれば、応募者と企業との意思の相違が減少し、結果として、会社が求める人材の応募が増える傾向にあります。この一致によって、会社と求職者の間に良好な関係が築かれ、企業がさらにブランドを確立しやすくなるという好循環が生まれるのです。

有利な資金調達

コーポレートブランドを確立することは、有利な資金調達に繋がります。これは、銀行やステークホルダーからの信頼を獲得できるためです。顧客や従業員と同様に、企業が良いイメージを持ち、健全な企業文化を形成していることは、信頼の構築に直結します。

信頼を得た企業は、「この会社は金銭的に信頼できる」「リスクが低く、炎上の心配が少ない」といった評価を受けやすくなり、結果としてステークホルダーや銀行からの支援を得ることが可能になります。このように、資金調達が容易になれば、企業の成長に大きく寄与します。

十分な資金を確保することで、研究開発、人材育成、設備投資など、さまざまな分野への投資が可能となり、結果として企業全体の利益と競争力を向上させることができます。コーポレートブランドの強化は、企業の安定と成長を支える重要な戦略の一つです。

コーポレートブランディングの進め方と成功させるポイント

  • ブランド理念の整理と明確化
    【ポイント】
    自社のミッション、ビジョン、バリューを再定義し、全社員が理解できる形で明文化します。
  • ビジュアルアイデンティティの刷新
    【ポイント】
    必要に応じて、ロゴやスローガンを変更し、企業の新しい価値観や方向性を明確にします。
  • インナーブランディングの実施
    【ポイント】
    従業員がブランド価値を理解し、それを日常業務に反映できるよう、研修や教育プログラムを実施します。加えてMVVの浸透をさせましょう。
  • 外部向けの発信強化
    【ポイント】
    広告やSNS、PRイベントを通じて、ブランド価値を市場や社会に向けて発信します。
  • 効果測定と改善
    【ポイント】
    ブランド施策の成果を定期的に分析し、必要に応じて戦略を改善します。

コーポレートブランド成功事例

CyberAgent(サイバーエージェント)

サイバーエージェントロゴ

成長戦略 

サイバーエージェントは、インターネット業界を中心にメディア、広告、ゲーム事業を柱としながら、動画や音楽などエンターテインメント分野にも進出している企業です。「Always Fresh」というブランドコンセプトを掲げ、新しさと創意工夫を追求し、変化の激しい業界で柔軟に進化し続けています。このコンセプトは、社員やプロジェクトが個々の強みを活かしながら成長を続ける「サイバーエージェントらしさ」を体現しています。

コーポレートアイデンティティの刷新

2015年には、未来志向の企業姿勢を示すためにコーポレートアイデンティティ(CI)を刷新しました。新しいロゴでは「C」が企業全体を、「A」がそこから生まれるサービスやプロダクトを象徴しており、無限の可能性を込めています。また、「Ameba」ブランドにはキャラクター「アベマ」を採用し、動画やブログなど多様なサービスに対応する柔軟なデザインを構築しました。

ブランディングプロジェクトでは以下の成果がありました:

  • 名刺やオフィス用品、グッズのデザインを刷新し、企業の世界観を細部にわたって表現。
  • 既成品に頼らず、素材や仕様にまでこだわった独自性の高いデザインを展開。

この取り組みが評価され、2016年には「グッドデザイン賞」を受賞しています。クリエイティブ重視の姿勢は、内外で企業ブランドを強化し、信頼感を高める重要な要素となっています。

サイバーエージェントは、常に新しい価値を生み出し、変化の中で柔軟に進化することで、内外から信頼される企業を目指しています。

参考:

LIFULL(ライフル)

ライフルロゴ

LIFULLの新しいスタート

LIFULLは、社名を「NEXT」から「LIFULL」へ変更したことを契機に、企業の方向性と価値観を見直し、コーポレートブランディングを刷新しました。この社名変更は単なる名称変更にとどまらず、「生活をもっと満たす」という理念を基に、新たなスタートを切る象徴的な一歩でした。企業のミッションを広く社会に訴求し、戦略的に変革を進めた結果、LIFULLはその新しいビジョンを明確に示すことができました。

社会的貢献への取り組み 

LIFULLは、空き家活用プロジェクトを中心に、空き家問題や地域活性化などの社会的課題に取り組んでいます。この活動を通じて、単なるビジネスの利益追求にとどまらず、地域社会に新たな価値を創出し、社会全体への貢献を目指しています。こうした取り組みにより、企業としての社会的責任を果たしながら、地域社会とのつながりを深めることに成功しています。

社員と共有するブランド理念 

LIFULLは、社員一人ひとりがブランド理念を深く理解し、日々の業務を通じてその理念を体現できるよう、組織文化の構築に注力しています。具体的には、以下のような取り組みを実施しています:

  • 研修やワークショップを通じた理念の浸透
  • 社員同士の意識共有の場の設置
  • 業務へのブランド理念の自然な反映を促す仕組みの構築

こうした取り組みにより、社員全体で統一感のある行動を取る環境が整い、LIFULLのアイデンティティが内外にわかりやすく示されています。

理念の実現と企業文化の醸成

LIFULLの取り組みは、単なる理念の掲示にとどまらず、実際の業務や社会活動に反映されています。これにより、「生活をもっと満たす」という理念を内外で体現する企業文化を醸成し、企業としての存在価値を明確に示しています。

参考:

セブンデックスのウェビナー:『戦略的ブランドはどのように生み出されるのか』

『戦略的ブランドはどのように生み出されるのか』(動画セミナー)
動画はこちら

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弊社セブンデックスは、マーケティング×デザインに特化した「企業に寄り添い、事業成長にコミットするデザインコンサルティングファーム」です。企業ブランディングにも強みを持っています。

UXUI / ブランディング / マーケティングを主戦場としており、顧客体験からコミュニケーションまで一気通貫でデザインし、多角的な視点から企業価値の向上と事業成長を支援致します。

サービスやブランドの戦略部分からともに考え、デザインの分野を主軸に伴走してくれるのが特徴です。また、UXUIを主戦場にしつつも、飲食店の店舗デザインやパッケージデザインなどオフラインのプロダクトデザインも行うなど、幅広い分野の実績をもつ会社です。

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大学の授業で起業に興味が湧き、起業した際にマーケティングのスキルが直接的に役に立つと考えインターンを探す。マーケティングという概念の捉え方が他とは違うように感じられるセブンデックスに興味を持ち、入社。将来的には日本の教育の発展に貢献したいと考えている。現在は東京大学文科二類に所属し、今後は経済学部に進学予定。