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【業界別】新規事業成功事例集|大手・中堅・ベンチャー各社の実例と失敗回避のポイント

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新規事業とは?簡単に解説!

新規事業とは

新規事業とは、これまでにない商品やサービスを生み出して、新しい市場や価値を切り開く取り組みです。たとえば、異業種にチャレンジしたり、社内の新しいアイデアから事業を立ち上げたりするケースが多く見られます。実際には、ニーズの調査から小さな実験(PoC)を経て、本格展開へと進む流れが一般的です。

もちろんリスクはありますが、それ以上に大きな成長のチャンスがあるのが魅力です。最近では社会課題を切り口にした事業も増えていて、発想力と柔軟さがカギになります。

新規事業を行うメリット

  • 収益源の多様化:既存の市場や商品の需要が減っても、他の事業で会社を支えることが出来る
  • 社員の挑戦・成長を促進:社内からアイデアを募ることで、
  • 社会や顧客の新しいニーズへの対応:社会課題や未開拓ニーズを捉え、新しい価値提供が可能になる

新規事業について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

【大手企業】新規事業の成功事例4選

物流

日本郵政✕Yper株式会社

日本郵政は、再配達問題の解決を目指し、スタートアップ企業Yperと提携して置き配バッグ『OKIPPA』の実証実験を行いました。実験は、東京都杉並区の1000世帯を対象に実施され、再配達率を約61%削減する成果が出ました。

この取り組みにより、配達効率が向上し、CO₂削減など環境面でも効果が期待されています。社会課題に向き合う姿勢と、実証ベースで効果を示した点が評価されました。日本郵政という信頼性あるインフラを活かせたことも大きな成功要因です。ユーザーと配達員の両者にメリットがある、共感性の高い取り組みでした。

ヤマト運輸株式会社

ヤマト運輸は、配送の効率化と環境負荷の低減を目的に、さまざまな新しい取り組みを行ってきました。例えば、共同配送の仕組みや定期便の導入、IoTを活用した配達管理の最適化などです。ラストワンマイル(顧客の手元までの配送)に向き合い、現場主義で改革を重ねています。

顧客と社員の両方に配慮したサービス設計も評価されています。社会インフラとしての使命感と、着実な改善の積み重ねが成果を生んでいます

自動車

本田技研工業株式会社

ホンダは自動車の枠を超えて、eVTOL(空飛ぶクルマ)やロボティクス、宇宙技術といった未来モビリティ事業に挑戦しています。これらの新領域は既存の技術資産を活かしつつ、次世代社会の課題解決に視野を入れたものです。社内では、“IGNITION CHALLENGE”など新規事業提案制度も活用されています。

既に技術検証やプロトタイプの開発も進行中で、将来の実装が期待されています。夢のあるプロジェクトに挑戦する企業姿勢が、多くの人の心を惹きつけています。技術と情熱を持った社員の力を引き出す仕組みも、成功のカギとなっています。

化学・医薬品

富士フィルム株式会社

富士フィルムは写真フィルム需要の急減を見越し、早くからヘルスケアや化粧品、再生医療分野に舵を切りました。写真フィルムで培った技術を応用し、高機能な化粧品や医薬品を開発しています

結果、従来の枠にとらわれない事業展開で売上を回復・成長へと導きました。技術の棚卸しと適用先の再設計が非常に優れています。変化を恐れず、むしろ機会に変えた姿勢が印象的で、過去の強みを未来の資産に変えた好例です。

【中堅企業】新規事業の成功事例4選

印刷

ラクスル株式会社

ラクスルは、分断されがちだった印刷業務の全工程をITで一貫管理できるプラットフォームを構築しました。発注からデザイン、決済、入稿、発想に至るまでを自動化し、UXの向上と業務の効率化を両立しました。AI技術により、チェック作業やレイアウト調整など人手のかかる工程を軽減しました。

従来の業界構造の非効率に着目し、ユーザー視点でシステム全体を再設計した点が秀逸です。既存顧客基盤を活かし、ニーズに即した機能を順次追加する拡張性のある戦略がとられました。テクノロジーと現場ニーズの橋渡しが出来たことが成功の大きな要因です。

陸運業

日本交通株式会社

日本交通は観光、陣痛、キッズ向けなど、特定ニーズに対応した多様なタクシーサービスを展開しています。従来のハイヤー業務に加えて、生活に寄り添う新しい移動体験を提供することで、新市場を開拓しました。信頼性とブランドを活かした差別化戦略が成功の鍵となっています。

用途ごとに顧客ニーズを掘り起こす企画力や、事業継承後の経営安定力が評価されています。また、ブランド信頼性の高さが新事業でも強みとなった好例です。

ヘルスケア

株式会社タニタ

タニタは健康と食の分野を軸に、都市型スマート農園や社員の個人事業化といった革新的な取り組みを実施しています。IoTを活用した都市農業は地域コミュニティと健康づくりの場としても注目され、タニタブランドとの親和性が高い事業です。

健康という強みを隣接領域に広げた発想が秀逸で、外部パートナーとの協業で実行力を補強している点が成功要因を考えられます。また、小規模から始めて着実に検証を進める姿勢が信頼を得ています。

観光

株式会社和多屋別荘

和多屋別荘は老舗旅館の枠を超えて、地域と共に文化・創造を育む場所へと変革しています。カフェや書店などを併設し、人が通いたくなる“地域の拠点”としての価値を生み出しました
温泉インキュベーションセンターではスタートアップ支援なども行い、新しい観光・文化モデルを実践しています。

地域資源を活かし、新しい交流・創出の場をデザインし、外部との共創で多様な価値観を取り入れた点が革新的です。宿泊に留まらない価値提供が評価されています。

【ベンチャー企業】新規事業の成功事例3選

SaaS

SmartHR

SmartHRは人事・労務業務をクラウド上で一元管理できるサービスを展開し、企業のバックオフィスの効率化を支援しています。入退社手続きや年末調整など煩雑な作業を自動化し、ミス、リスクの軽減に寄与しています。
データ活用のしやすさとUXの高さも評価され、今やHR業界の定番ツールとして認知されています。

分断されていた業務フローをまとめる発想が革新的で、導入・運用のハードルを下げたUI設計も効果的でした。勤怠や給与など他システムとの連携による一元管理が成功要因です。

AI

Preferred Networks

Preferred Networkshは、ディープランニングを軸に、自社プロダクトや産業応用、AI研究を推進しています。CrypkoやMEMESといった独自サービスの開発のほか、Google Cloudとの協業で高速インフラを整備しています。製造・医療・素材など幅広い分野で技術活用が進んでおり、世界レベルの研究と応用を両立しています。

高度な技術力と研究基盤が根幹にあり、研究結果を産業実装まで落とし込む力が強みです。戦略的な投資による、スケーラビリティの確保も成功を後押ししています。

メディア

SmartNews

SmartNewsは、日米で展開されるニュースアプリで、使いやすさと情報の質の高さから多くのユーザーを獲得しています。マルチリージョン化など技術基盤の強化により、海外ユーザーのUXも大きく改善しています。広告主にとっても効果測定しやすい設計で、収益モデルとしても高い評価を受けています。

グローバルを見据えた設計とUXの最適化が鍵となっており、日常的な接点を活かし継続利用を促進させています。ニュースと広告のバランス設計が収益化と顧客満足を両立しました。

成功事例から学び、失敗回避の成功ポイントとは?

✓ 既存の強みを活かす「隣接領域」での展開

成功企業の多くは、自社の技術・資産・顧客基盤など既に持っているものを、少し横に広げる形で新規事業を展開しているパターンが多いです。例:富士フイルム(写真フィルム技術を医療・化粧品へ)・タニタ(健康計測器から農業・働き方へ)

全く新しい分野に飛び込むよりも、強み✕ニーズを組み合わせた事業展開の方が成功確率が高いのです。

✓ スモールスタート+実証実験で効果を可視化

市場投入前に小さな規模で仮説検証→効果を定量化する流れを踏むことが大切です。例:日本郵政✕Yper(杉並区の1,000世帯でOKIPPAを検証)・和多屋別荘(旅館の一部をカフェや文化空間に変え、小規模な変化からスタート)

いきなり全国展開などを行うのではなく、テスト可能な形で小さく始める設計力が鍵となります。

✓ ユーザー(顧客)の“現場の課題”から逆算して設計

成功事例の多くがユーザーインタビューやフィードバックを出発点としています。例:SmartHR(労務業務の煩雑さをUIとクラウド連携で解決)・ラクスル(中小企業の発注✕決済の負担をITで一貫化し、解決)

「ユーザー目線」ではなく、実際の現場の声に基づく実装が、成果を左右します。

✓ 外部との協業・連携による補完体制の構築

新規事業は一社だけでは完結しません。技術・金融・自治体・研究など外部パートナーとの共創が有効的です。例:本田技研工業(eVTOL事業で航空機開発の他社と連携)・ラクスル (住信SBIネット銀行へ、 金融面の信頼性を補完)

大切なのは、「全て自社でやろうとしないこと」です。足りないものは信頼できる外部パ-トナーと組んで補う姿勢をとりましょう。

✓ “未来の当たり前”を先読みする力

変化が激しい今、未来にニーズが高まりそうな分野に先手で仕込む企業が成功しています。例:本田技研工業(空飛ぶクルマ、宇宙、再生可能エネルギーなど)・SmartNews(情報インフラとしてのニュース配信最適化を先行)

「今すぐニーズがある」だけでなく、3〜5年後に必要とされることへの仮説と行動が差を生む。

まとめ

新規事業は、不確実性の高い挑戦である一方で、企業の未来を切り拓く鍵でもあります。今回の成功事例に共通して見られたのは、変化する社会や顧客のニーズを的確に捉え、自社らしいアプローチで価値を再構築していた点です。

業界や企業規模にかかわらず、“強みの再定義”と“課題解決の具体化”が、新たな収益モデルや顧客接点の創出につながっています。つまり、新規事業とは単なる多角化ではなく、企業の存在意義をアップデートするプロセスとも言えるのです。

セブンデックスは、最初の一歩から、最後の成果まで伴走します

新規事業はワクワクする挑戦であると同時に、多くの不安や課題がつきまとうものです。セブンデックスは、構想づくりからブランド構築、UX/UI設計、マーケティングまで、一貫してサポートします。

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