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企業のキャッチコピーとはどう違う?タグラインの意味を解説|ブランディング手法

タグラインという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
タグラインという言葉自体は、知らない人も多いとは思いますが、タグラインは、非常によく使われるブランディング手法の一つです。

今回は、そのタグラインの意味や効果について説明し、具体的な例をいくつか紹介していきたいと思います。

タグラインの意味

タグラインとは、簡単に言ってしまえば、主に企業や製品のロゴマークに近接する短いフレーズのことを言います。

例えば、カルピスの「カラダにピース」というフレーズが、このタグラインの一つです。

「カラダにピース」というフレーズからは、カルピスが届ける乳酸菌飲料の「体に良い」という機能面での価値とカルピスを飲んで「ピースフルな気持ちになる」という感情面での価値がイメージできると思います。

このように、企業や、サービス、商品の機能面と感情面両方を含む普遍的な価値を端的に表したフレーズがタグラインです。

タグラインとキャッチコピーの違い

タグラインが、企業や、サービス、商品の普遍的な価値を想起させるフレーズを差すのに対して、キャッチコピーは、主に、キャンペーンや、ターゲット、時代などに合わせた商品やサービスの宣伝として、消費者の心に強く訴求するフレーズのことを言います。

カルピスで言うと、「まっしろで、すすめ。」がキャッチコピーに当たります。
このキャッチコピーは、新社会人をターゲットにCMなどで使われているフレーズです。

カルピスのタグラインである「カラダにピース。」からは、ターゲットに関係なく、感情面と機能面での乳酸菌飲料における独自の普遍的な価値がわかると思います。
それに対して、新社会人向けに作られたキャッチコピーである「まっしろで、すすめ。」からは、カルピスの感情面や機能面における価値は伝わりませんよね?
しかし、このフレーズを聞いた新社会人は、自分の境遇などをこの言葉と重ね合わせ、カルピスになんとなく心が惹かれるのではないでしょうか。
このように、消費者との接触機会において、興味を持たせ、購買意欲を掻き立てるために特別に作られたフレーズのことをキャッチコピーと言います。

また、カルピスを「まっしろで、すすめ」というキャッチコピーで宣伝したとしても、小さな子供や、お年寄りの購買意欲は高まらないと思います。
先に述べたように、キャッチコピーは、ターゲットごと、キャンペーンごとなど、訴求したい方向によって変わってくるものなのです。

以上のように、キャッチコピーが、商品やサービス、企業の普遍的な価値を表すタグラインとは違うものであるということがわかったでしょうか。

タグラインの効果とは?

タグラインは、単なる宣伝文句ではなく、企業や、サービス、商品の普遍的な価値を想起させるものであるため、ブランドアイデンティティーや、市場におけるポジションをわかりやすくする効果があります。

例えば、「強さ引き出す乳酸菌」(R-1のタグライン)と「カラダにピース。」(カルピスのタグライン)では、同じ乳酸菌飲料でも、想起される商品の価値は変わってくると思います。

このように、タグラインを用いて価値が明確化されれば、コンセプトのブレないブランディングに繋がるだけでなく、顧客に競合他社との違いを示すことに効果的です。

タグラインの例

ここで、ブランディングの視点から、タグラインの具体例を紹介していきたいと思います。

「自然を、おいしく、楽しく。」

これは、野菜ジュースでお馴染みのカゴメのタグラインです。

「自然を」という言葉からは、野菜がイメージされ、「おいしく、楽しく」からは、親しみやすさが感じられます。

スーパーやコンビニで売っているような身近な存在であり、野菜を使った健康的な商品を扱っているなど、カゴメ独自の価値がこの短いフレーズでイメージすることができるのではないでしょうか。

また、言葉のリズム感がポップで、ブランドイメージに合った耳に残りやすいフレーズです。

このタグラインには、次のような思いが込められています。

「自然を」
自然を自然の恵みがもつ抗酸化力や免疫力を活用して、食と健康を深く追求すること。

「おいしく」
おいしく自然に反する添加物や技術にたよらず、体にやさしいおいしさを実現すること。

「楽しく」
楽しく地球環境と体内環境に十分配慮して、食の楽しさの新しい需要を創造すること。

https://www.kagome.co.jp/company/about/philosophy/statement/

「自然を、おいしく、楽しく」という短いフレーズから、ここまでの思いを汲み取ることはできませんが、顧客がこのフレーズを聞いて感じるイメージと企業の想いが合っていると言えます。

しあわせは、すぐ届く

これは、出前館のタグラインです。
このタグラインには、出前館の存在価値が表れていると言えます。

出前館は、飲食店ではなく、デリバリーサービスですよね。
つまり、おいしい料理を提供するのではなく、おいしい料理がすぐに届く“しあわせ”を提供することに存在価値があるのではないでしょうか。

そのようなブランドの存在価値がこの短いフレーズに表れています。

あったらいいなをカタチにする

これは、小林製薬のタグラインです。

薬品会社というと少々お堅いイメージがあると思いますが、このタグラインは、とてもポップなイメージが感じられます。
このポップさは、薬品会社でありながらも身近な存在として感じさせることに効果的なのではないでしょうか。

また、「あったらいいな」という言葉からは、顧客に寄り添う企業の姿がイメージされます。

「並外れた顧客志向」を貫くことこそ、コーポレートブランド経営の核になると信じています。

https://www.kobayashi.co.jp/corporate/philosophy/

このようなブランドの核としている「並外れた顧客志向」という企業の届けたい価値が、タグラインのイメージと一致していると言えます。

すべてはお客さまの「うまい!」のために。

これは、アサヒビールのタグラインです。

このタグラインは、言葉のニュアンスから、ビールブランドならではのイメージがそのまま思い浮かぶのではないでしょうか。

「うまい!」からは、ビールを飲んだ時のおいしさや、疲れた体に染み渡る爽快感も感じることができます。
また、それだけでなく、「お客さまの〜ために。」という表現からは、ブランドに対する信頼感を感じることができます。

短く印象的なフレーズで、その商品独自の価値が伝わるフレーズになっているのではないでしょうか。

お口の恋人

これはロッテのタグラインです。
お菓子の甘いイメージが思い起こされるような製菓会社としてのブランド価値が表現されたフレーズですね。

このタグラインの由来を見ていきましょう。

ロッテの社名は、ドイツの文豪ゲーテが著した名作「若きウェルテルの悩み」の中に登場するヒロイン“シャルロッテ”に由来します。
「お口の恋人」というメッセージには、「永遠の恋人」として知られる彼女のように、世界中の人々から愛される会社でありたいという願いが込められています。

https://www.lotte.co.jp/corporate/about/

「お口の恋人」というタグラインは、“ロッテ”という企業名にも掛かっているんですね。

企業名からもタグラインからも同じイメージを感じることができ、ブランドをより強くアピールできていると思います。

まとめ

企業や、サービス、商品、の普遍的な価値を表すフレーズであるタグラインは、ブランドイメージをわかりやすく反映でき、浸透させやすいため、ブランディングにとって重要なものであると言えます。

企業が届けたいブランド価値を、言葉のリズム感や、使っている言葉で表現できれば、顧客に、そのブランドのベネフィットを強くアピールできるのではないでしょうか。

これから、サービスや商品はさらに増えていくと思います。
そのような競争社会で独自の価値を表現できるタグラインを使用してみてはいかがでしょうか。