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デザインから経営を学ぶ | 厳選オススメ本6選

経済産業省・特許庁が『「デザイン経営」宣言』を出してから早2年。最近では、「デザイン」の4文字が含まれるビジネス書も多く見かけます。

しかし、実際にデザインの何が経営やビジネスに役立つのかと聞かれると難しい方も多いのではないでしょうか?

ここでは、デザインが経営に必要な理由やデザインの価値について学ぶことができる書籍を厳選して紹介します。新しい経営の方法についてデザインから学ぶための第一歩となる本ばかりです。

01. デザインがビジネスに不可欠な理由が書かれた本

ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと

概要

デザイン経営戦略は、世界に通用するものである。 その考えを軸に、ブランディングの先進国アメリカ・ニューヨークを拠点に20年もの間、世界中のビジネスを手がけてきたアートディレクターが「ビジネスがうまくいかないのはなぜなのか」について語る。
モノやサービスを売ることより大切なものとは何か。 「デザインする」とは何か。この本は、デザインがビジネスに必要な理由がブランディング視点から語られている本である。

この本のオススメポイント

  • 経営者が知っているべき「デザインとは何か」がわかりやすくまとめられている。
  • 日本の現状と世界のビジネスの流れから、今後必要になってくる「デザイン」が見えてくる。
  • ブランディングのフローが学べる。

感想

ビジネスや経営においてデザインができることを言語化してくれているので、実際にデザイナーがどのようにビジネスの中で活躍するのか想像しやすくなっています。

  1. クライアントをよく観察すること
  2. 課題や問題点や強みを見極めること
  3. オーディエンスや時代、市場を考慮すること
  4. それら全てを可視化し、かたちに落とし込んでいくこと

著者はこの4つが「デザインすること」だと言っています。 この本ではこれらの解説や手法などについても丁寧に書かれているので、デザインとは何かということを理解するには最適です。

02. デザインへの認識が大きく変化する本

デザインするな―ドラフト代表・宮田識

概要

インテリアやプロダクト、建築の設計デザインを軸に、都市開発からブランディングまで幅広いデザイン領域を手掛けているDRAFTの代表・宮田さんを主軸とした本である。DRAFTという広告デザイン会社の活動を通して、感性が広告や商品開発、ブランディングへ展開されていく様を描き出し、デザインと社会の関係を語っている。

この本のオススメポイント

  • デザインに向き合う姿勢や考え方に関して、様々な見方が得られる
  • みんなが一度は目にしたことのある広告が、どのような思想をもって作られたのか知れる(裏側の話が聞ける)
  • 宮田さんだけでなく、他の社員のインタビューも載っているので、デザイン会社で人が育っていく様子を外から見える

感想

宮田さんが社員にかける言葉や社員とのエピソードから、“モスバーガー”や“世界のkitchenから”など多くの広告を手がけてきたエピソードまで綴られていました。行間も程よくあけられているので読みやすく、実際に手がけた作品の写真が多く載っているので、時間をかけずにサクサク読めます。 内容は若干、宮田さんのエピソードを綴った伝記よりです。そのため、デザインに対していろんな考え方があることを知るために読む本だと思います。読後には、自分の中でデザインに対する見方が変わる本でした。宮田さんのお言葉でとても感銘を受けたものがあったので紹介させていただきます。

ーデザインとは、頭の中に思い描いたことを模写することです。
ー新しい表現を生むことだけだったら、デザインは(社会にとって)必要とは限らない。僕は、そもそも人や企業や社会がどうあるべきかを思い描いて、それを実現していくことがデザインだと思っている。

デザインするな―ドラフト代表・宮田識

03. デザイン思考やUXデザインがなぜ大切かを学べる本

イノベーションスキルセット

概要

イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで名誉フェローも務める、日本トップクラスのデザインファームTakramの代表・田川さんの著作。ビジネス / テクノロジー / クリエイティブの3つの視点で考えることの重要性、またそれらを全て持つBTC人材の必要性、そしてデザインの未来について学ぶことができる。デザインだけでは体験をユーザーに届けられず、エンジニアリングとストラテジーがかけ合わさることでユーザーに使ってもらえるということを改めて実感する。デザイン思考やテクノロジーの大切さを強く認識できる書籍である。

この本のオススメポイント

  • デザイン視点での時代の移り変わりと未来
  • 日本最高峰のデザインについての視点
  • デザイン思考、UXがなぜ大切かを学べる

感想

仕事にデザインを入れていく中で漠然と考える、これから先のデザインはどのように進化していくのだろう?の一つの解であるとおもいます。現代ではデザイナーとエンジニアの越境は進化を見せ、経営についてもデザインの重要性を語られるようになりました。ビジネス、エンジニアリング、デザインの3つを融合、相互理解できると、さらにユーザー体験を向上させることができ、ビジネスの向上にもつながっていきます。

04. 経営において世界観を作ることの重要性がわかる本

世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術

概要

good design company代表・クリエイティブディレクターの水野学さんと人文科学と経済科学の研究者である山口周氏の対談をまとめた書籍。世界観をつくる事は物語や未来を提示する力であるとし、世界観について二人の対談がまとめられている。意味、物語、未来のそれぞれをつくることについて構成が分かれており、世界観を構築しているブランドの成功事例を織り交ぜながら語られる口語体の文章のため、読みやすい。

この本のオススメポイント

  • ブランド戦略、企業戦略に関わってきた人が語る経営における世界観の重要性
  • クリエイティブに詳しくない人でも分かる内容
  • 対談形式で読みやすい

感想

この書籍には対談という形式で私たちも知るブランドの名前がいくつも挙げられています。Google、Apple、エルメス、パタゴニア、バルミューダなど、ブランド力が高いと言われる企業の話題にも触れながら、世界観をつくることの重要性、影響力の大きさを知ることができます。深くその手法を知る事は出来ないですが、そのぶんとても読みやすく、ブランドというコンテキストに対してわかりやすく感覚的に触れていくことができます。この書籍で語られる「世界観をつくるとは物語、未来を提示できる力である」は今後の組織を率いるリーダーに求められる素養かもしれません。

05. 長く愛されるプロダクトにまつわるデザインを知れる本

行こう、どこにもなかった方法で

概要

バルミューダ創業者寺尾玄さんの著書。どのようにしてバルミューダ製品は生まれてきたのか、どのようなこだわりがあるのかが語られている。お洒落な製品達はどれも設計(デザイン)が施されており、ユーザーに愛されている商品ばかりである。

この本のオススメポイント

  • 愛される商品のヒットメーカーがどのような視点で物づくりをしているか
  • 経営目線でのリアル
  • 寺尾玄さんという人の生き方

感想

人々が愛するプロダクトが作られるストーリーが公開される事はあまりないので、とても気付きの多い一冊となっています。また、物づくりのストーリーだけでなく、お金のやりくりや会社存続についても書かれており、どんなにすごいプロダクトも紙一重での成功を掴んでいるのだと実感させられます。その一方で、そのような幸運を引き寄せるのはいつの時代も大きな熱量の塊なんだと改めて感じさせてくれる、とても熱意のこもった本です。

06. 経営層が美意識を身につける重要性が書かれた本

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

概要

今までのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいたサイエンス重視の意思決定では、複雑で不安定な今日の世界においてビジネスの舵取りをすることができない、という考えを軸に「何故ビジネスにおいて美意識が大切なのか」について語られている本。消費が世界的に「自己実現的消費」に向かいつつあることや、システムの変化に法が追いついていないことなどから、いかに美意識がビジネスに成長と安心を与えるのかについて述べている。

この本のオススメポイント

  • 具体例が多くて読みやすい
  • 美意識がもたらす意思決定の重要さが分かる
  • 有名企業の実例が良いものも悪いものも書いてあるので、すぐ実践に移しやすい

感想

この本は直接的にデザインについて語られている本ではないですが、デザインが包括する「美」についての重要性を感じられる本です。AppleやGoogleのように世界で大きく活躍している企業はどこも会社として美意識を大事にしている、ということを多くの具体例とともに語っているので感覚的に理解しやすいです。また、美意識を大切にしなかったが故に失敗してしまった有名企業(ここでは名を伏せます)の例なども載っており、反面教師として読むこともできます。

さいごに

ここで紹介した本は、デザインから経営を学ぶための第一歩です。
経営におけるデザインの大切さについてもっと知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください!

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UXディレクター
多摩美術大学卒。大学1年次からセブンデックスにインターンとして入社。企業ブランディング、メディア運営など、社内外問わずさまざまなプロジェクトにアシスタントデザイナーとして携わる。社会に実装するデザインを作るにはセブンデックスのデザイン・マーケティングに対する考え方が必要不可欠だと考え、セブンデックスにUXディレクターとして新卒入社。