行動指針とは、会社全体で正とされる価値観を言語化し、共通の判断軸となるものです。
意思決定に迷った際、判断軸となるのが行動指針であり、企業の文化を醸成していくためにも重要な軸となります。
セブンデックスの行動指針については、以下の記事で詳細に説明されているので、是非読んでみてください。
しかし、行動指針も作っただけでは、浸透していきません。
ボードメンバーがトップダウンで展開する浸透施策についても限界があります。
会社のメンバーが行動指針について理解を深め、共感できる状態になるために、メンバーによるボトムアップ施策が必要です。
この記事では、セブンデックスの社内で行ったボトムアップ施策について紹介致します。
1. 行動指針浸透のプロセス
会社全体で、行動指針を体現できる状態になるためには、5つの段階があります。
- 認知:存在を認知してる状態
- 理解:行動指針に込められた想いや意図を理解できている状態
- 共感:行動指針に対して、共感できている状態
- 行動:行動指針を体現するために意識的に行動をしている状態
- 習慣化:行動指針を体現するのが、無意識的にできている状態
2. 行動指針浸透の現在地を知る
行動指針の浸透プロセスについて理解した上で、現状会社がどの段階にあるのかを、把握していきます。
私たちが、実際に実施した施策は3つです。
- ボードメンバーへのインタビュー
- メンバーへのアンケート
- メンバーへのインタビュー
ボードメンバーへのインタビュー
この施策の狙いは、2つあります。
- 行動指針の作成者であるボードメンバーから、行動指針に込められた意図を確認すること。
- ボードメンバーが感じている課題感の把握。
行動指針は、経営陣が作成しているケースが多いと思います。
まず初めに、行動指針に込められた意味や想い、作られた背景を理解して進めていきましょう。
メンバーへのアンケート
この施策の狙いとしては、行動指針浸透状況の把握です。
今回は、認知段階は達成できているのが明らかであったため、理解・共感が達成できているか把握するためのアンケートを設計していきました。
メンバーへのインタビュー
アンケートで明らかになった会社の状況を踏まえて、その状況になっている原因を深掘りしていきます。
実際のアンケートから、メンバーの行動指針に対する理解がバラバラであると言う課題が見てきました。
そこで、その理由を深掘りするために、以下のインタビューを行いました。
- 印象など精神的なハードルはないか
- わかりづらいと感じている部分はあるか
- 解釈がずれている部分は、どのように間違った解釈が発生したか
上記について、メンバーから具体的な声が出るようにインタビューを実施していきました。
3. 行動指針の理解を促進するワークショップ
行動指針の浸透状況の把握と、その原因を把握した上で、ボトルネックを解消するための施策を展開していきます。複数の施策を展開してきましたが、本記事ではメンバー全員に向けたワークショップ施策についてご紹介致します。
内容としては、
- 行動指針の意義と、込められた想いについて説明を受ける。
- 他社の行動指針と、自社の行動指針を見比べてみる。
- 自身の行動について、行動指針の観点から他者評価を受ける。自分が意識して体現できている行動や無意識で体現している行動を知る。(他者評価はポジティブな評価のみPick)
- 行動指針の反例となる行為の洗いだし。メンバー同士で、何が”カッコ悪い”ことなのかを言語化をする。
上記のワークショップを行った狙いとしては、3つです。
- メンバーの行動指針に対する解釈を揃える
- 他社の行動指針や反例などを見て、より直感的に理解できるようにする。
- 行動指針の体現について具体的にイメージし、より身近に感じてもらう
実際にやってみたメンバーからの感想としては、
「変えるべき部分と伸ばしていくところが分かった。」
「意外と体現できていることもあるのかもしれないと前向きな気持ちになりました。」
「次はどうしたら体現できるか考える時間が欲しい。」
と言う感想を頂きました。
これらの施策を経て、社内では以下のような変化が見られました。
Before:行動指針の理解がバラバラ → After:行動指針に込められた意図について理解が揃う
Before:行動指針を身近に感じない → After:より身近なものになり「体現できる」と前向きな雰囲気に
さいごに
行動指針を浸透するために施策を行う際は、ガムシャラに露出を増やしていくのではなく、
会社の現状と、ボトルネックとなる原因を正しく把握した上で施策を展開していきましょう。
今回、一部の施策をご紹介しましたが、組織の置かれている状況で行うべき施策も変わると思います。
この記事が少しでもご参考になれば嬉しいです。