「マーケティングを支援する会社」と聞いてどんな会社をイメージしますか?おそらくSEOや広告、LPの様なキーワードが出てくることが多いのかなと思います。
もちろんそれらも支援内容には含まれますが、UXUIデザインにおけるビジュアル表現やブランディングにおけるロゴデザインのように、これらは手段の一つにすぎません。なぜ広告をうつのか?誰のための広告か?LPでどんな価値を伝えればよいか?リード獲得以上の目的は存在するのか?……そうしたことを考えた上で、それは最適な手段と言えるのか?を考えなければいけません。
と、なった時、「マーケティング」とは何を指すのか?何が正解なのか?僕が個人的にも感じていた、手段先行しているマーケティングへの違和感と、セブンデックスの支援内容から、紐解いてみたいと思います。
マーケティングとは?
そもそも、「マーケティング」とはどの様な定義をされているのでしょうか?ピーター・ドラッカーは次のように表現しています。
マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである
P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』
つまり、マーケティングの前提は顧客理解にあります。誰にどんなものを提供し、認知し、価値があると感じ、購買してもらうか。製品の購買プロセスを横断して考えること。そして、人が介在しなくても買われていく仕組みに落とし込むこと。その仕組みを連続的に作り、育てていく——この一連の活動がマーケティングだと理解しています。
海外ではこうした概念でマーケティングを捉えることが一般的で、BtraxやDesignStudio、CarbonFiveといったデザインファームのWebサイトをみても、当たり前のようにマーケティングについて言及しています。
と、色々書きましたが「ユーザーが気づかない間に欲しくなってた、を作り続ける」、「ビジネス視点とデザイン視点を両立させること」くらいに思ってもらえればOKです。
では、周りを見てみるとどうでしょう?マーケティング部署は製品の価値を顧客視点で正しく理解しているか?はたまた、製品開発部署はどう売るかまで検討したうえで開発を担えているか?……残念ながら少なくない会社が、縦割り組織構造や部分最適によって部署間に分断が生じ、一連の事業活動全てを踏まえた動きが難しくなってしまっています。
こうした分断された状況を正しく接合するのがセブンデックスの使命なのですが、そのお話をする前に、僕自身がなぜここに違和感を持ったのか、少し寄り道してお伝えしたいと思います。
「ビジネス?ユーザー?」この状況に違和感を持ったきっかけ
僕のファーストキャリアはエンジニアで、ナビサービスの開発に従事しました。当時から与えられたタスクをどう遂行するかより、成果に対してどうコミットするかの視点を大事にしていました。
そこからテクニカルディレクター、UXデザイナー、マーケターと職業を変えてきたのですが、その中では、ある違和感を強く持つようになっていきます。それは「事業を考える人」と「製品を作る人」とが分断していることでした。例えば…
- 出稿モデルの製品で、出稿者の成果を追うために誤クリックさせるデザインを指示してしまう
- サブスクモデルの製品開発で、プロダクトチームとビジネスチームが対立。プロダクトチームのみで仕様検討。結果良い製品はできたが、リード獲得、マネタイズが設計されておらず、リリース後半年でクローズしてしまった
- BtoB SaaSで、事業責任者が立てたKPIを意識せずPMが改善案を検討。ユーザー体験は向上したもののKPIにインパクトが無いリリースになってしまった
事業は本来どちらの視点もなければ成り立ちません。ですが両者の間で、「どちらが正解か」の議論をしている。会社によっては部署間の争いになっていたりと、完全な対立軸になっていたのです。
偶然それぞれの立場を経験した僕からすれば、双方の意見も踏まえた最適解を出せば良いのに、と思いつつ、会社によってはその壁を超えるのは難しいこともありました。
この様な経験を経て、「事業を考える人」と「製品を作る人」を統合し価値を考える重要性を認識。そして、様々な概念を参照する中で、それこそが、広義のマーケティングであると解釈しました。
セブンデックスが大切にするマーケティング
そんな想いを持ちながら紆余曲折ありセブンデックスと縁があったのですが、当時から変わらず重視しているのは、「事業を作るためにコミットする」ことです。
製品の構想段階はもちろん、デザインフェーズでも「どんなものを作ろう」ではなく、「どう売上に繋げよう」を前提に顧客目線で考える。そうなると売れる仕組みの作り方も企業ごとに異なってきます。
例えば、ある企業ではデータドリブンでサクサク施策立案・実行して仮説検証を回していますし、別の企業ではKPIを立てた上で多部署を巻き込んで発散、仕様検討を行っています。
レバレッジを効かせ成長曲線を描ける箇所はどこか。実態を伴いながら成長に寄り添うことは、僕自身、そしてセブンデックスのらしさだと思います。
多領域との接続を持ち、相乗効果を産む
小手先の支援ではない分、もちろん簡単なことではなかったりします。広義のマーケティングにおける課題の殆どは潜在的。広告やプロモーションの様にわかりやすい映えるものではなく、データが集約されていない、データドリブンで意思決定する文化がない、結果との相関を測れない……など、見えない部分の価値を証明し続ける必要があります。
そこで大切なのが、どんな施策にしろ他領域と接続し、相乗効果を生むこと。
- 例えばマーケター、セールス、CS、全部署のデータを一元で見れたら
- 例えば自分の成果が可視化されたら
- 例えば施策の結果がKPIのどこにどれだけ寄与したか見えたら
製品に紐づくあらゆる観点を持った人同士を接続すると、新しい視点で思考が始まり、今までに無かった結論が生まれる。KPIをベースに事実で仮説を立て検証する。結果を元に他部署と連携してさらに最適化する。この仕組み/サイクルを作ることがマーケティングの真髄だと思っています。
最後に、マーケティングの解釈が今回のものと置いた場合、顧客目線でどう売上とユーザーのニーズを紐付けるか、その仕組をどう構築するか。なんだかUXデザイナーの得意領域のような気がしませんか?
マーケティングというと、つい売上偏重で短期的な成果を追うためのもの……とデザインとは対立軸で捉えてしまいがちですが、数字やツールで食わず嫌いになってるだけで、頭の使い方は一緒。改めて紐解いたマーケティングを参考に、実践してみてもらえると嬉しいです。
以下のサイトでは、広告宣伝における「業界用語の難しさ」をわかりやすくコラム形式で掲載しています。業界用語の難しさにお悩みの際はご参照ください。