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【2025年最新版】BtoB 企業のオウンドメディア成功事例10選|基本知識や運営プロセス、ポイントまで徹底解説

「最近オウンドメディアというフレーズをよく聞くけれど、BtoBでも本当に効果があるの?」——そう感じている方も多いのではないでしょうか。広告に頼らず、自社の強みや専門性を活かした情報発信ができるオウンドメディアは、今やBtoB企業にとっても、重要なマーケティング手法となっています。

本記事では、オウンドメディアの基本から、実際に成果を出している企業の最新事例10選、運営方法、成功のポイントまでをわかりやすく解説します。

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オウンドメディアとは?メリット、種類、特徴を解説

企業が導入するメディアの種類と特徴

企業が導入するメディアにはオウンドメディア(Owned Media)の他に、「ペイドメディア(Paid Media)」と「アーンドメディア(Earned Media)」があります。これら3つを合わせて「トリプルメディア」といいます。

オウンドメディア

企業が自ら所有・運営するWebサイトやブログ、メールマガジンなどのメディアです。自社のブランディングや見込み顧客の獲得に効果があり、長期的な資産となります。コンテンツ内容や発信タイミングを自由に管理できるのが大きな特徴です。

本記事では、この「オウンドメディア」について、具体的な活用法や成功事例を交えて詳しく解説していきます。

ペイドメディア

広告費を支払って利用するメディアで、リスティング広告やSNS広告が該当します。短期間で多くのユーザーにリーチでき、認知拡大に適しています。即効性がある一方で、継続的なコストが発生します。

アーンドメディア

SNSの口コミやレビュー、ニュースサイトでの紹介など、第三者によって自然に広がるメディアです。信頼性が高く、共感や好意を生みやすいですが、コントロールは難しいです。話題性やブランドイメージの強化に効果的です。

オウンドメディアのメリット

オウンドメディアには、単なる情報発信を超えた多くの戦略的メリットがあります。特にBtoB企業にとっては、長期的な信頼構築やリード育成に欠かせない存在となっています。ここでは代表的な4つのメリットを紹介します。

  • 長期的な集客基盤の構築:広告費に依存せず、検索エンジン経由の流入が期待できる。
  • ブランドの専門性や価値観を発信:自社の強みや想いを直接的に伝えることが可能。
  • 顧客育成(ナーチャリング)への活用:見込み顧客に対して、段階的なアプローチが可能。
  • 資産として貯蓄される:作成したコンテンツが長期的に価値を持つ。

メリットを理解した上で、自社に合った運用方法や活用目的を明確にすることが重要です。次章では、実際にオウンドメディアを活用して成果を上げているBtoB企業の成功事例をご紹介します。

【2025年最新版】BtoB企業のオウンドメディア成功事例10選|成功要因も解説!

ここでは、2025年時点で成果を上げるBtoBのオウンドメディア10事例を、主目的に沿ってわかりやすく整理して紹介していきます。まずはブランディング・採用強化型、続いて直接リード型、最後にナーチャリング・教育型の順で、各社の打ち手と成功要因を簡潔に解説します。

ブランディング・採用強化型

株式会社セブンデックス

セブンデックス SEVENDEXPOST
概要

UXやブランディング領域に強みを持つセブンデックスは、自社の知見やカルチャーを発信するメディア「SEVEN DEX POST」を運営しています。メンバー個人の視点を大切にし、社内の思考やノウハウをリアルに伝えています。採用・広報活動の一環としても活用され、ブランディング強化に寄与しています。

具体的な成果

同メディアを通じて応募者の質が向上し、面接前に企業理解が進んでいるという声が多数寄せられています。SNS経由での認知拡大も進み、記事ごとに数千PVを獲得するなど可視的な効果も表れています。

成功要因

社員が主体的に発信し、自社の価値観をストーリー性を持って表現している点が共感を呼んでいます。コンテンツのジャンルを「カルチャー」「UX」「戦略」などに分類し、読者ニーズに合わせた構成を取っているのもポイントです。

株式会社LIG

株式会社LIG
LIGブログ
概要

「LIGブログ」は2007年から平日毎日更新されており、Web制作・DXなどのノウハウを発信する巨大オウンドメディアです。社員が記事を書く文化と経営陣の強い情報発信意欲が土台となっています。

具体的な成果

継続的な運用により、当メディアは問い合わせ獲得や認知拡大において重要な役割を担い、事業を支える柱となっています。

成功要因

経営陣の発信への情熱と、企業変化に応じた柔軟な運営体制による継続的な改善が成功を支えています。

株式会社i-plug

株式会社i-plug
OfferBox Magazine
概要

「OfferBox Magazine」は、新卒採用に特化した情報発信を行うi‑plugのメディア(OfferBox関連)です。学生・企業双方にとって価値ある採用ノウハウを提供しています。

具体的な成果

売上面では、OfferBoxの成功報酬型サービスが前年同期比21.6%増となり、採用支援プラットフォームとして成長しています。

成功要因

学生とのコミュニケーションを重視した丁寧なフォロー体制が信頼を高めています

freee株式会社

freee株式会社
採用ブログ
概要

社員インタビューや社内制度の紹介など、freeeの「ありのまま」を可視化する採用ブログを運営しています。ボトムアップ発信により、等身大の企業文化を伝える広報手段として根付いています。

具体的な成果

「記事を読んで応募した」という応募者が増加し、自己応募やスカウトメールの返信率が向上。応募者に「こんなにいい会社だったんだ!」と思わせるポジティブギャップの解消にも貢献しています。

成功要因

社員のリアルな姿を多角的に伝えることで共感を呼び、継続的な発信と社内の文化を活かした記事作りが読者との信頼構築に繋がりました。

直接リード獲得型

SmartCamp株式会社

SmartCamp株式会社
BOXIL Magazine
概要

SaaS比較サイト「BOXIL」および情報メディア「BOXIL Magazine」は、SaaSの選び方や活用事例などを発信するビジネスメディアとして運営されています。

具体的な成果

BOXIL経由のリードは比較検討層からの質の高いものが多く、他チャネルに比べ商談化率が3倍以上。ある記事掲載から2ヶ月で、全体のコンバージョンの20%をBOXILが占めたことも確認されています。

成功要因

SEOを意識した比較コンテンツの網羅と、愚直に質の高いコンテンツを継続発信する体制、そして媒体を通じてユーザーを育成する仕組みが成果につながっています。

株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワード
Bizpedia
概要

会計・人事・労務など、バックオフィスの課題を解決する情報を提供する「Bizpedia」を運営しています。実務で使えるノウハウや法改正情報などを網羅し、経営者や担当者に向けて発信。専門家監修による信頼性の高いコンテンツが特徴です。

具体的な成果

業種・職種別のカテゴリ分けにより、回遊率や滞在時間の向上にも成功しています。メディア経由の資料DLやサービス導線も自然で、CV率の改善が見られます。

成功要因

SEOを意識した構成と内部リンクの最適化により、検索エンジンからの流入を継続的に獲得しています。記事ごとにCTAを工夫し、ユーザーの導線設計を丁寧に設計しています。また、会計分野の専門家による監修で、信頼性と実務性を担保しています。

HubSpot Japan株式会社

HubSpot Japan株式会社
ブログ
概要

HubSpot Japanは、インバウンドマーケティングの定番メディアとして、トピッククラスターモデルを活用したブログ運用を行っています。

具体的な成果

導入後6ヶ月で、検索流入が約2倍になり、資料ダウンロード数も2.5倍と劇的な成果を実現しました。

成功要因

体系的なトピッククラスタ構造とリライトによる継続的な最適化、さらに見込み客獲得(資料DL誘導)のプロセス設計が奏功しています。

ナーチャリング・教育型

株式会社才流

株式会社才流
オウンドメディア
概要

BtoBマーケティングの支援を行う才流は、自社およびクライアントのオウンドメディア運用に強みを持っています。特に戦略立案からコンテンツ制作、分析・改善まで一貫した体制を構築しています。自社でも積極的にマーケティング施策を実践・発信しています。

具体的な成果

BtoBマーケティングの支援を行う才流は、自社およびクライアントのオウンドメディア運用に強みを持っています。特に戦略立案からコンテンツ制作、分析・改善まで一貫した体制を構築しています。自社でも積極的にマーケティング施策を実践・発信しています。

成功要因

サイトの統合、既存記事のリライト、データに基づく改善とメルマガ施策など、組織全体でデータ駆動型運用を行った点が功を奏しています。

ナイル株式会社

ナイル株式会社
ナイルのSEO相談室
概要

Webマーケター向けにSEOノウハウや集客に役立つ情報を提供するオウンドメディア「ナイルのSEO相談室」を運営しています。運用体制は正社員1名+業務委託チームで、月約10本の記事を発信しています。

具体的な成果

過去3年間で資料ダウンロード数が34倍に増加、受注額は9倍になりました。PV数は1.2倍、セッション数は1.3倍と着実な伸びも記録しました。

成功要因

安定した発信体制と継続的な更新、導線強化(簡素なフォームやホワイトペーパーの増加)、ウェビナー連携などによりリード育成につなげた点が成長の鍵です。

株式会社PLAN-B

株式会社PLAN-B
自社サイト「PINTO!」
概要

デジタルマーケティングに強みのある株式会社PLAN‑Bは、SEOノウハウを活かした自社サイト「PINTO!」をオウンドメディアとして運用しています。自社開発のSEOツール「SEARCH WRITE」に基づく記事制作で、実践的な情報を提供しています。

具体的な成果

月間数百万人規模のトラフィックを誇り、記事の約7割が検索結果の1ページ目に表示される高いSEO効果を発揮しています。

成功要因

成功要因としては、SEOを軸にしたオペレーション体制とコンテンツ戦略の整合性が挙げられます。

成功事例から見る、成功のポイントとは?

数多くの成功事例を見ていくと、いくつかの共通点があることがわかります。ここでは、そうした実践から見えてきた、成果につながるポイントを紹介していきます。

成功ポイント画像

ターゲット設定の初期化

誰に届けたい情報なのかを、最初にきちんと決めておくと記事の構成や言葉選びが自然と決まってきます。読者の業種や悩み、立場を具体的に思い浮かべることで、ぐっと共感されやすいコンテンツになります。

専門性のある情報提供

自社ならではのノウハウや経験談を、数字や事例を交えてリアルに語ることが信頼に繋がります。表面的な情報ではなく、現場で感じたことや実践の中で得た視点を含めると、読者の心に響くコンテンツとなるでしょう。実体験ベースの情報提供が価値になります。

継続的な更新と改善

一度書いた記事なども、時とともに古くなるものです。定期的に見直して新しい情報を加えたり、読者ニーズに合わせて修正することで、メディア全体の信頼感が上がります。「公開して終わり」ではなく、「育てるコンテンツ」という姿勢が大切です。

SEO・SNS活用による流入設計

中長期的に安定した流入を見込めるSEOと、短期間で大きな認知拡大が期待できるSNSを組み合わせることで、安定した集客と新たな読者との接点が作れます。例えば、「検索で来た人にSNSでファンになってもらう」といった、流れなどを考えると効果的です。

オウンドメディア運営方法

成功ポイントを踏まえた上で、ここからは、成果につながるオウンドメディア運営の具体的な進め方を、5つのステップに分けて解説します。

オウンドメディア運営方法 画像

1.目的の設計

オウンドメディアを立ち上げる際は、まず「何のために運営するのか」という目的を明確にすることが不可欠です。例えば、リード獲得、採用強化、ブランディングなど、企業ごとにゴールは異なります。事業やマーケティング施策全体との整合性も意識して、評価軸や効果測定の視点までセットで設計しましょう。

2.ペルソナ設計

どんなに良い記事を作っても、読む相手がイメージ出来ていなければ届きません。年齢や職種だけでなく、「どんな悩みを抱え、何を検索しているのか」といった心理面まで想像して設計することが重要です。自社サービスと接点を持つ前段階のペルソナも含めて設計できると、より網羅的なコンテンツ戦略が組めます

3.コンテンツ戦略の策定

記事を作るだけでなく、カテゴリや企画軸、更新頻度などを整理し、長期的な運用設計を立てることが重要です。リード獲得用コンテンツ、ナーチャリング用、ブランディング用など、目的別に記事の役割を分けておくと成果が見えやすくなります。検索流入を狙うSEO記事と、シェアや反響を狙うSNS向け記事のバランスも意識しましょう。

4.制作体制の構築

オウンドメディア運営は意外と多くのタスクが発生します。社内メンバー、外部ライター、編集者など、役割分担を明確にしないと、属人化して運営が止まりがちです。ガイドラインや進行フローを整備し、誰が見ても回せる仕組みを整えることで、安定した更新が実現できます

5.効果測定と改善サイクル

成果を上げているメディアは、数字をきちんと見て改善を繰り返しています。PVやCVだけでなく、「どの記事が一番商談につながっているか」「滞在時間が長いのはどれか」といった視点も重要です。月1回でもいいので振り返りの場を設けて、PDCAを回し続ける習慣をつけましょう。

BtoBオウンドメディア運営での注意点

オウンドメディアはうまく運営できれば大きな成果を生みますが、その一方でリスクも存在します。気付かないうちにコストだけが膨らんだり、情報漏えいや運用トラブルにつながるケースも少なくありません。ここでは、運営時に押さえておきたい代表的な注意点を、実務視点で整理します。

費用対効果を欠いたコンテンツ投資

記事制作を進める中で、ターゲットや目的が曖昧なままコンテンツを量産してしまうと、手間とコストばかりが増えて成果につながりません。限られた予算の中で効果を出すには、検索意図やユーザー課題に沿った記事設計が不可欠です。

運用実態に見合わないツール導入

高機能なCMSやマーケティングツールを導入しても、現場で使いこなせなければ単なるコスト負担になってしまいます。ツール選定は「運用フローに合うか」「担当者が使い切れるか」を基準に見極める必要があります。

クライアント情報の無断転載

実績紹介や事例記事を作る際、許諾を取らずに社名や具体的なプロジェクト内容を公開してしまうと、信頼問題に直結します。特にBtoBでは取引先との関係性が重視されるため、公開前の社内チェックは必須です。

外部パートナーとの管理体制の甘さ

外部ライターや制作会社に業務を委託する際、NDAの未締結や情報共有のルール不足により、意図せぬ情報流出が起こる可能性があります。機密性のある情報は共有範囲と管理権限を明確にし、必要最小限にとどめるのが基本です。

まとめ

BtoBオウンドメディアは、単なる情報発信ではなく、戦略的に設計・運用することで事業成長に直結する強力なマーケティング資産になります。成功事例や運営のポイントから見えてきたのは、目的の明確化・顧客理解・仕組み化の3つが欠かせないということです。

自社に合った運用体制を築き、“読み手に届き、ビジネスに効く”メディアづくりをぜひ実践してみてください。

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BtoBオウンドメディアを“成果につながる資産”に育てていくには、表面的な記事制作にとどまらず、ブランド戦略やUX視点を踏まえた設計力が欠かせません。とくに、自社の立ち位置や提供価値を言語化し、ペルソナに届くコンテンツ体験をつくることが、競合との差別化につながります。


セブンデックスでは、ブランド戦略からUX/UIデザイン、コンテンツ設計までを一気通貫で支援し、企業のマーケティング成果に貢献しています。単なる記事制作ではなく、「ブランドを体現するメディア」をつくりたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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