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セブンデックスの”思考をつくる本”デザイナー編

情報を整理し、意図をかたちにする。
セブンデックスのデザイナーの仕事は、見た目を整えることだけではありません。
伝えたいことの本質をとらえ、体験をデザインし、言葉にならない想いを“視覚”として届けること。

そのプロセスの中で、迷ったときや感性を研ぎ澄ませたいとき——手に取るのが一冊の本でした。

今回は、セブンデックスで活躍するデザイナーたちに「表現の軸をつくった本」「デザインの考え方に影響を与えた一冊」を聞きました。現場での経験とともに、彼らが日々の仕事の中で見つけた“デザインを考えるヒント”を紹介します。


はじめに

セブンデックスのデザイナーは、ビジュアルやUIをつくるだけでなく、
その背後にある「体験」「構造」「感情」までを設計します。
どうすれば心に残る表現になるのか。どうすれば人の行動を動かせるのか。
答えのない問いに向き合いながら、日々“考えるデザイン”を探求しています。

書籍は、その思考の幅を広げ、感性を磨くきっかけをくれる存在です。
今回紹介するのは、セブンデックスのデザイナーたちが実際に手に取り、表現や考え方に影響を受けた5冊。
それぞれの本が、デザインを通して「伝える」「感じる」「考える」力をもう一段深めるヒントを与えてくれるはずです。

リサーチを活かす組織”をつくる、現場発の実務知

『UXリサーチの活かし方 ― ユーザーの声を意思決定につなげるためにできること』著:瀬本 はろか


単にリサーチのノウハウを知るだけでなく、クライアントの組織にどう伝え、どう根づかせるかという観点を得られた点が印象的でした。データの扱い方やコミュニケーションの工夫など、UXを“意思決定の言葉”に変えるためのヒントが詰まっています。

クライアントにUXリサーチの価値を身近に感じてもらいたいときに読み返します。リサーチ結果の伝え方を変えるだけで、理解や共感の深さがまるで違う。そう感じられる一冊です。

“デザインだけ”で終わらせない。現場で効くベーシックスキル

『コンサル一年目が学ぶこと ― 新人・就活生からベテラン社員まで一生役立つ究極のベーシックスキル30選』著:大石 哲之

セブンデックスで初めて挑戦する業務が多い中で、この本を読んだことで「自分がやっているのはコンサルタント的な仕事なんだ」と気づきました。

Day0やマスタープランといった自社の進行プロセスを、あらためて整理して理解するきっかけにもなりました。

デザインを“思考・進行・合意形成”までつなぐ力を育ててくれる一冊です。

要件定義や企画設計のフェーズで読み返すことが多いです。論点整理や説明の順番を意識することで、デザインの説得力が増す、その“考える筋力”を養ってくれました。

“らしさ”と“説得力”の源泉を、1000の実例から掴む

『究極のロゴデザイン』編:デザインノート編集部 

ロゴ制作時の見本帳として常に手元に置いています。

完成形をただ眺めるのではなく、「なぜこの形なのか」「なぜこのフォントなのか」を自分なりに読み解くことで、デザインの意図を推察する力を鍛えています。

さまざまな業界のロゴを比較しながら見ることで、“らしさ”や“説得力”の根拠を見出せる点が魅力です。

ロゴ構想の初期段階で、方向性を探る際に活用しています。構成のバリエーションやフォント選定の発想源に触れることで、発想の幅が広がる。

迷ったときにページを開くと、表現する楽しさを思い出させてくれる“お守り”のような存在です。

他人でも、形式でもない。“自分の毒”で貫く

『自分の中に毒を持て(新装版)』著:岡本 太郎

仕事をしていると、制約や他人の目を意識しすぎて、自分の中の熱を見失う瞬間があります。
そんなときにこの本を開くと、“自分の中の毒”を信じて進むことの意味を思い出させてくれる。入社当時に抱いていた熱や、創作の原点を取り戻す感覚があります。最近も読み返し、当時の自分と今の自分を行き来するような感覚がありました。
目の前の仕事に追われて視野が狭くなったとき、自分の内側にある“毒”が、再びエネルギーとなって背中を押してくれます。

“見た目”ではなく、“仕組み”としてのブランディングを考える

『ブランディングデザイン ― ユニーク・広がる・機能するデザインの考え方』著:下川 大助

見た目やロゴの話にとどまらず、「ブランドが社会でどう機能するか」を具体的に考えられるのがこの本の魅力。
デザインを“感性”だけでなく“仕組み”として整理してくれるので、デザイナーはもちろん、企画・マーケティング・広報にも役立ちます。

特に提示されている「独自性・客観性・継続性」という3つの視点は、ブランディングを考えるうえでの共通言語としてとても有効です。リアルなプロジェクト事例も多く、自分の現場にどう応用できるかが自然と見えてくる一冊です。

コーポレートサイトやブランドリニューアルのプロジェクトで、「ブランド世界観をどう可視化し、どう広げていくか」を整理する際に参考にしています。表現を評価する場面でも、“独自性・客観性・継続性”の3軸を用いることで、感覚的な議論を整理し、意思決定をスムーズにする助けになっています。

あとがき

ロゴやビジュアルをつくるうえで、必ず読んでおきたいと思う本を紹介しました。
どれも、デザインの表層ではなく「考え方」や「視点」を深めてくれる一冊ばかりです。

 本は、インスピレーションの源であると同時に、思考を整理し、自分の表現を見つめ直すきっかけにもなります。
ぜひ手に取って、ページをめくる中で“自分らしいデザイン”のヒントを見つけてみてください。戦略や企画フェーズで役立った本を紹介したディレクター編も合わせてぜひご覧ください。