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グッドデザイン賞はどのようなデザインが受賞している?|2019年度に受賞したアプリを紹介

グッドデザイン賞を知っていますか?
グッドデザイン賞を受賞したデザインには、下のロゴマークが使用されていることが多いのですが、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

ちなみに、この「Gマーク」は、認知率59%と言われ、多くの人に親しまれているそうです。

Gマークを見たことがあったり、グッドデザイン賞という言葉をなんとなく聞いたことがあったりする人は多いと思うのですが、実際どのような基準で、どのようなデザインが受賞しているのか知っている人はあまりいないのではないでしょうか。

今回は、グッドデザイン賞について簡単に説明しながら、実際に受賞したアプリをいくつか紹介していきたいと思います。

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グッドデザイン賞とは

まずは、グッドデザイン賞について簡単に説明したいと思います。

グッドデザイン賞とは、その名の通り、“良い”デザインを評価し、顕彰する仕組みです。
日本人のおよそ85%が知っていると言われるほど認知度が高く、年に一度、優れたデザインに賞が贈られています。

グッドデザイン賞でいうところの“良い”デザインとは、決して“美しい”デザイン、“かっこいい”デザインなど表層的なデザインのことではありません。

グッドデザイン賞のデザインの定義は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために人為的に築いたものごとを言います。

そのデザインの“良さ”の判断は、社会的またはユーザーにとっての価値や意義になりうるかというところが基準になっています。

この価値や意義は、時代によって変わってくるものではあるので、グッドデザイン賞は、そういう意味で時代のトレンドを反映しているとも言えます。

グッドデザイン賞の具体的な審査基準

ここで、2020年度グッドデザイン賞の審査基準を紹介していきたいと思います。

審査員は、「人間的視点」、「産業的視点」、「社会的視点」、「時間的視点」、この4つの視点から、総合的に判断し、グッドデザイン賞を選定しています。

この4つの視点を具体的に見ていきましょう。

人間的視点

・使いやすさ・分かりやすさ・親切さなど、ユーザーに対してしかるべき配慮が行われているか

・安全・安心・環境・身体的弱者など、信頼性を確保するための様々な配慮が行われているか

・ユーザーから共感を得るデザインであるか

・魅力を有し、ユーザーの創造性を誘発するデザインであるか

https://www.g-mark.org/guide/2020/guide2.html#guide2-7

この視点からは、いかにユーザー視点でデザインがされているかが重要なのかがわかります。
アクセシビリティや、ユーザビリティ的なことだけでなく、ユーザーからの共感を得ることや創造性を誘発することも審査基準になっているんですね。

産業的視点

・新技術・新素材などを利用または創意工夫によりたくみに課題を解決しているか

・的確な技術・方法・品質で合理的に設計・計画されているか

・新産業、新ビジネスの創出に貢献しているか

https://www.g-mark.org/guide/2020/guide2.html#guide2-7

個人的に、グッドデザイン賞を受賞しているアプリなどは、社会的な課題を解決しているかというところや、新ビジネスの創出に貢献しているかなど、この産業的視点において優れたデザインが多いように感じます。

社会的視点

・新しい作法、ライフスタイル、コミュニケーションなど、新たな文化の創出に貢献しているか

・持続可能な社会の実現に対して貢献しているか

・新たな手法、概念、様式など、社会に対して新たな価値を提案しているか

https://www.g-mark.org/guide/2020/guide2.html#guide2-7

やはり、グッドデザイン賞は、時代を反映するという一面もあるため、産業的視点においても社会的視点においても、いかに“新しいもの”をデザインすることが重要になってくるんですね。

時間的視点

・過去の文脈や蓄積を活かし、新たな価値を提案しているか

・中・長期的な観点から持続可能性の高い提案が行われているか

・時代に即した改善を継続しているか

https://www.g-mark.org/guide/2020/guide2.html#guide2-7

この視点からは、ただ流行りのものを作ればいいということではなく、そのデザインに本質的な価値があるかどうかがいかに重要であるかがよくわかります。

2019年度グッドデザイン賞を受賞したアプリ

ここで、2019年度にグッドデザイン賞を受賞したアプリをいくつか紹介していきます。

OKIPPA

OKIPPAは、再配達の心配なしに荷物を受け取ることができる宅配バッグのサービスです。
配達が完了すると専用のアプリに配送完了通知が届きます。

宅配バッグだと盗難の危険があるのではないかと不安になると思いますが、アプリと連携すると、盗難に遭った場合でも、盗難保険が利きます。
(最近、この盗難サポートの保証の上限金額が3,000円から5,000円に引き上がったそうです。)

再配達問題を解決する従来の再配達ボックスは、今までもありましたが、値段の高いものが多く玄関のスペースをとるイメージが強いのではないでしょうか。
OKIPPAは、宅配ボックスではなく、宅配バッグであるため、気軽に手に入るだけでなく、簡単に配置もできます。

このように、ユーザーが気軽に再配達問題を解決できるという社会的意義が評価されたのだと思います。

再配達をなくすことは、業者の負担を軽減するだけでなく、再配達のトラックから排出されるCO2の削減にも繋がるそうです。
このように、環境問題の解決に一石を投じるという点で、「持続可能な社会の実現」に貢献しているところも評価されたポイントだと思いました。

OKIPPAのアプリを実際にインストールしてみたのですが、OKIPPAのアプリ自体は、荷物配送追跡サービスであるため、置き配バッグ関係なしに使用することができるようです。

アプリを開くと、配達状況を一目で確認することができて、非常に見やすくわかりやすいUIデザインだと思いました。
今まで一々メールを開いて配達状況を確認していたので、これからはこのアプリで一括に管理しようと思います!

TABETE

このアプリは、閉店時間や賞味期限などの理由から、まだ美味しく食べれるのに廃棄せざるを得ない食品を抱える飲食店と、その食品を食べてくれるユーザーをマッチングするアプリです。

ここで評価された大きなポイントは、「食品ロス」という課題を解決する社会的意義があることだと思われます。

また、店舗は、もともと廃棄されるはずの食品が売れることで売り上げが上がり、ユーザーは、お得に特別価格で食品を買うことができるという新しいビジネスモデルが創出されています。

食品を買うまでの流れが直感的に進められるシンプルなデザインになっており、UXUIデザインが優れているところも評価されたポイントだと考えられます。

また、このアプリの「TABETE」という名前の可愛らしさや、サービスのわかりやすが、社会貢献というお堅いイメージを拭ってくれていて、親しみやすいアプリになっています。

早速アプリを入れてみたのですが、開いたらすぐに現在地周辺の食品を見ることができて、思わず食品を買ってみたくなるUIデザインだと思いました。
ただ、まだ登録店舗数が少なく、現在地から少し遠いところにしかお店がないのが難点です…
これから、登録店舗の数や、エリアが広まっていけば、もっとユーザーが増えていくのではないでしょうか。

Slack

このアプリは、ビジネス向けのコミュニケーションツールです。
メールや、LINEなどの個人間でのやりとりを基軸にした従来のチャットアプリとは違って、チャンネルというグループ間でのコミュニケーションを一括管理することを基軸にしています。

また、カレンダーアプリなど、1,500もの多くの外部アプリと連携することができることが大きな特徴です。

さらに、チャットルームなどのデザインをカスタマイズできるといった他のビジネスアプリよりも自由度が高いアプリになっています。

このようなビジネスツールとしての新しさや、ユーザーの創造性を誘発する自由度の高いデザインが評価されたのだと思います。

私はこのアプリを実際に業務で使用しているのですが、知りたい情報に辿り着きやすいUXUIデザインになっていて、ビジネスツールとして優れていると感じています。
例えば、「Threads」というチャンネルからは、自分宛てに向けられたメッセージだけを一括に見ることが可能です。

他にも、リアクションの絵文字の自由度が高く、メッセージの反応がしやすいところも気に入っています。

ただ、LINEなどとは違う見慣れないUIなので、使い慣れないうちは、少々煩わしさもあるのかな…と思います。

FiNC

このアプリは、体重/食事/歩数/生理/睡眠などの記録をまとめて管理することができるヘルスケアアプリです。

FiNC独自のAI(人工知能)を駆使したパーソナルトレーナーが、毎日の食事・睡眠・運動のデータをもとに、一人一人の悩みに合わせて健康や美容に関するアドバイスをしてくれます。

自分が健康であるかどうかは、一つの要素だけでは判断できないと思います。
また、体重、食事などは、相互に作用し合うものですよね。

評価されたポイントは、そういった健康に関する要素を一つのアプリでまとめて管理できるというところにあるのではないでしょうか。

その上で、総合的な記録から、AIという新しい技術を使ったサポートが得られるというところも、評価されたポイントの一つだと思います。

実際に使ってみると、他のヘルスケアアプリに比べて情報量が多い印象を受けました。
シンプルに、手軽にというよりは、健康をしっかり管理したい人向けのアプリなのではないでしょうか。

また、記録画面の一括管理機能は、記録した情報を一気に見ることができるので、そこがとても便利なアプリだと思いました。

DEAR

このアプリは、SNSやメールで結婚式の招待状、お礼状を送ることのできるアプリです。
招待状のテンプレートは、新郎新婦の写真や、動画、プロフィールを入れるなど、カスタマイズすることができます。

最近では、SNSの需要が増えて、親しい友達同士でもお互いの住所を交換し合うことってあまりないですよね。
このアプリが評価されたポイントは、そういった新しい時代の価値観に合わせてサービスがデザインされているところにあると思いました。

また、ただSNSで結婚式の招待状を送るとなると、少しチープでカジュアルなイメージを持たれてしまう気がします。
そういった課題を、このアプリを使えば、シックで高級感のあるデザインの招待状を送れるということで解決しているところも評価されたポイントの一つなのではないでしょうか。

アプリを実際に使ってみたところ、全体的にシンプルなデザインで使いやすく、招待状が本当に手軽に作れてしまいました。

また、招待状に式場のGoogleマップが埋め込むことができたり、招待された側の利便性にも優れていると思います。

おわりに

ここまで、グッドデザイン賞について紹介してきましたが、グッドデザイン賞がどのようなものかわかりましたか?

グッドデザイン賞を知ることは、“良い”デザインとは何なのかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

もうすぐ2020年度グッドデザイン賞も発表されるらしいので、さらに詳しく知りたいという方はグッドデザイン賞の公式サイトをご覧になってみてください。

サイトはこちら↓
https://www.g-mark.org/

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