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組織の変革から事業グロースへ。デザインコンサルティングファームと共創する日本特殊陶業の未来

日本特殊陶業株式会社は、スパークプラグや酸素センサなどで世界シェアNo.1の企業。その他にも自動車関連、基幹産業関連、健康・医療関連など、様々な事業分野で世界トップクラスのシェアを誇る製品を持つ、日本のトップメーカーです。

セブンデックスは2020年10月より「デザイン思考をインストールする」という与件のもと、デザイン組織構築のパートナーを務めました。
セブンデックスとの出会い、支援から見えた今後の展望に至るまで、日本特殊陶業株式会社担当者の小山さんとセブンデックス代表取締役中村にお話を伺いました。

同じ目線で考え共に走るパートナーを求めて

ーまず、”デザイン思考をインストールする”という考えに至った経緯を教えてください。

小山:
弊社は創立から80年以上品質の高いモノ作りを生業としてきた会社。世界トップ品質のモノ作りに長けた人材が多く在籍しており、「良いモノを作りお客様に届ける」という考えがこれまでの世界シェアNo.1製品を生み出してきました。しかし時代が変わり、消費のスタイルがモノからコトへシフトする背景を受け、成長が見込める次なる柱となるような新ビジネスの創出が喫緊の課題となっています。

ビジネスをデザインの切り口から考えられる組織、企業に変えていきたい。この思いを実現するために新規事業立ち上げ部門から選抜したメンバーに対し、デザイン思考でビジネスを立ち上げる実践型研修を行う計画がスタートしました。

ー数あるデザインファームの中からセブンデックスを選んだ理由は?

小山:
組織開発を先導してくれるデザインコンサルティングファームを検討したのですが、私たちの目線で話してくれることを重視してたんですよね。
当時はデザインについて何も知らない状態だったので、講師の様に教科書を読み進めると言うよりは、一緒にUXデザインについて紐解いてくれる様な、私たちと一緒に考え、走ってくれる人たちが必要だと思っていたんです。

複数企業から提案を受けたのですが、セブンデックスは「戦略からプロダクトアウトまで、自走する組織を作るにはこうすべき」という私たちの目線に立った提案をしてくれて。この夢も描きつつリアルと向き合ってくれる様な、寄り添ってくれる感覚が最初の決め手でした。

またやり取りを重ねる中で誠実だなと感じる瞬間が多かったんです。例えば、懸念点について相談した時に、反射的にその場で答えて終わりではなく、「わかりました」と一旦持ち帰り、整理した上で共有してくれる。細かな積み重ねかもしれないですがちょっとした所からも、この会社しっかり向き合ってくれるんだな、と確信しました。

プロジェクトが進む中で“一緒に走っている”と感じた瞬間はありましたか?

小山:
普通だったら「大規模な組織単位の思考を変えるのは難しいですね」と言われてしまう所を「じゃあどうしようか?」と一緒に考えてくれて。「解決したい課題の本質はどこで、そのためには何を変えていく必要があるのか」について何度も議論しました。そもそも私たちが何を課題と感じているのかという部分に関してはたくさん壁打ちになって頂いたり、電話にもとことん付き合って頂いて(笑)。
解決したい課題の根本部分に誠実に向き合ってくれていると感じましたね。

中村:
もちろん日本特殊陶業のような大企業になると小規模な企業に比べ思考を変えるというのは難しいとは思うんですが、イコール出来ない訳ではなくて。「それならどう変えていくのが最適解なのか?」を考え実行に移していくのが僕たちの仕事だと思っています。
そこに対する議論は納得するまで重ねる必要がありましたし、誠実に向き合わなければそもそも課題の本質を見出すことも解決することもできないなと。

小山:
かなり面倒を掛けてしまったと思うんですが…進めていく過程でプロジェクトの目的が何度か変わったんです。でもその度に目的を理解して解決するための提案をくれたので、常に目的が何か意識されているんだなと感じました。

中村:
たしかに提案の承認をいただくまでリテイクの回数は多かったですが、単なる修正ではなく狙っているターゲットを変えたからリテイクするという感覚だったので、全く面倒だとは感じませんでした。「その目的ならこうするべきじゃないか?」と修正を重ねていくことが出来たので。
僕らも根本の問題を解決するために一緒にベクトルを向けられる方と進めていきたいと思っていますし、そこに対してだったらどれだけ時間を使ってでも、いくらでも向き合うべきだという姿勢でいます。

課題の本質を見出し、最適解へと導く

ー実際どのようにデザイン思考をインストールさせていこうと考えたのですか?

中村:
今回はデザイン思考を「浸透させる」ことが目的だったので、ただワークショップを開催して教えるだけでは浸透させることはできないなと。
これは普段の仕事でも意識していることなんですが、自分たちがいなくなって回らないのであれば意味がないと思っていて。自分たちが離れてもできることが浸透だと定義した時に、まず自分たち意外にUXデザインの体現者が必要だと考えました。
日本特殊陶業の中からUXデザイナーを数人選定する。そしてその人たちにUXデザイナーになってもらい、そこから社内にUXを伝播させていく、というプロセスを組みました。

ワークショップを行うだけではUXデザインを体感することは出来ても浸透までは至らないし、いつかその体感したことも忘れてしまう。なので、このプロセスを踏むことで、ただ学んで終わりではなく、浸透に繋がる仕組みを作ってしまおうと思いました。

小山:
セブンデックスとしてはただ単にワークショップをやるという提案で納めることや、社員数人にインプットさせるというのをゴールとすることも出来たと思うんですが、そうではなくて「どうやって社内に浸透させていくか」を目的として考えていただけたことが本当に頼もしく感じました。
プロセスに関しては全て考えてもらったわけではなくて、私も一緒に話し合って、「こうなんじゃないか」というのを当て込んでフィードバックして…というのをここでも何度も繰り返してやっと組み立てることが出来たので、まさに一緒に走っているなと実感できましたね。

ワークショップ当日の様子

ーオンライン研修も増えている中、体感できる研修にこだわったと伺いましたが、それはなぜですか?

中村:
僕たちは「一人じゃ出来ないことがチームなら出来る」というのがUXデザインだと考えているので、それを体感するためには、必ず一度は対面でやりたい強い想いがありました。
UXデザインを知ってもらうには、チームが存在して、そのチームのメンバーと対面で起こるコミュニケーションや見える表情を実際に体感してもらう必要があると感じていましたし、チームで議論してアイデアを出し合って…というのは、体感する手段としてオンラインは適さないなと。まずは対面だからこそ感じる熱量や空気感で巻き込み、この感覚を伝播してほしい、くらいの気持ちでいましたね。

小山:
私としても、どうせなら面白い研修をやりたいという気持ちもありましたし、参加メンバーは「UXデザインについて頭では何となく理解しているけど体感したことがない」という社員がほとんどだったので、中村さんが仰ったようにUXデザインを体感し理解を深めてもらう事を大切にしました。

結果的に、研修を見ていてこんなに活気溢れる研修って今まで無かったですし、参加したメンバーは今でもワークショップで体感したUXデザインを覚えていて、それを現場で活かしてるんですよ。もう一度開催したいねってみんなで話すくらいで。メンバーにとってのUXデザインのスタンダードが研修で体感できた事に加え、アウトプットに繋がったことは本当に嬉しかったですね。

デザイン起点で共に社会を変革させていく

ー今後は新規事業開発でも支援していきますが、セブンデックスに対してどのような期待を持っていますか?

小山:
この人たちが事業開発での課題の深掘りをしたらどう変わるんだろう?とワクワクしています。暗闇の中ひたすら正解を見つけに行く世界ではありますが、今回のような支援によって日本特殊陶業のUXデザインの型が出来ると思うんです。そこにセブンデックスの知見や考え方、価値を付加してもらいたいなと。

そうすることで、「日本特殊陶業ってデザインと向き合ってるよね」とか「品質のこだわりがサービスから伝わるよね」と思ってもらえるかもしれないですし、新たな方向へ一気に舵を切れるんじゃないかと言う、大きな可能性も感じています。

ーセブンデックスとしてはどのような可能性を感じていますか?

中村:
新規事業開発において、ソリューションの検証から事業戦略や事業計画、プロダクト開発まで一緒に走らせていただくことになるのですが、一気通貫の支援だと、まず僕たちのミッションである「戦略とデザインとデータの統合」を一緒に体現できると思っています。

日本特殊陶業の中では、戦略、プロダクト開発、グロースを一気通貫で行う、本質的価値を生み出すものづくりの手法が財産になると思っていて。事業開発の成功確率が上がり、会社全体の生産性が上がる。ロールモデルを作りたいと考えています。

実現に向けて今まさに挑戦している最中なので、事業の成功が本当に楽しみですね。

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