デザイナーのみならず、ものづくりを生業としている人にとって、質の高いインプットを続けることは常に大切ですよね。例えばUIデザイナーであれば、Webサイトやアプリを見る等のインプットをしているかと思います。事あるごとにコスパや効率の謳われる令和4年ですが、たまには足で、ちょっと遠回りして、いつもと違ったインプットをしてみませんか?
「美術館・ギャラリー巡り」は筆者の趣味のひとつであり、質の高い完成した作品を様々な角度から体感し、作家の思考に考えを巡らせる、大切にしているインプット方法のひとつです。今回は、良質なインプットとなりそうな展覧会を開催している美術館・ギャラリーを、エリア別にご紹介します!
目次
清澄白河エリア
東京都現代美術館
現代美術を中心に展示をする美術館です。いわゆる現代美術と言われて想像されるような作品から、映画、アニメーション、漫画等のポップカルチャー、更にはファッションまで、幅広い分野の企画展が開催されています。どの展覧会も質が高く、ボリュームがたっぷりで見応えがあります。見終えると創作意欲が湧くような展示が多く仕事への活力になるので頻繁に訪れる美術館です。
質の高さから、たとえ名前の知らないアーティストの展示に興味本位で入ってみても楽しめるので、余裕があればお目当ての展覧会だけでなく、同時に開催されている企画展を見てみたり、常設展まで周ってみることをおすすめします。
六本木エリア
21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHTは、東京ミッドタウン内に位置する、デザインへの関心を深めることのできる展覧会が開かれている展示施設です。客層は幅広く、あらゆる人が楽しめる内容になっています。誰にでも楽しめると同時に、デザインのプロにとっても学びになったり新たな視点を得ることができるので、企画展は毎回訪れています。
森美術館
森美術館は現代美術を中心に、世界のあらゆる国のアーティストの多彩なジャンルの作品を展示する美術館です。また、国内外で人気のある日本のアーティストの展覧会もよく開かれています。
銀座エリア
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
gggことギンザ・グラフィック・ギャラリー(通称:スリージー)は、グラフィックデザインのギャラリーです。デザイン業界の第一線で活躍する方たちのグラフィックデザイン作品が展示されており、デザイナーにとって刺激的となるであろう場所です。例えば、多くのポスター作品はスクリーン上で画像として見ることができますが、プリントされたものを遠くから見たり、近くに寄ってじっくり見たり、それを見ている人を観察してみたりすることで見つかるものを期待して、毎回足を運んでいます。
クリエイションギャラリーG8
クリエイションギャラリーG8は、グラフィックデザインのギャラリーです。こちらも、デザイン業界の第一線で活躍する方たちのグラフィックデザイン作品が展示されています。gggと合わせて訪れたいギャラリーです。
資生堂ギャラリー
資生堂ギャラリーは、資生堂ビルの地下一階の、現代美術を中心に展示するギャラリーです。日本で一番古いアートギャラリーと言われています。前衛的な作品や新進気鋭のアーティストの作品も取り上げた企画展も開催しています。随所に資生堂の美学が感じられること、また、歴史がありながらも常に新しさが感じられるところが魅力で、銀座に訪れる際は必ず立ち寄っています。
初台エリア
東京オペラシティ・アートギャラリー
東京オペラシティ・アートギャラリーは、現代美術、絵画、写真等を中心に展示しています。デザインや建築の企画展や、話題のアーティストの企画展が開かれたりすることもあるので、開催情報は常にチェックしておきたいギャラリーです。
NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
NTTインターコミュニケーション・センター(通称:ICC)は、東京オペラシティ内にある、メディアアートを展示する施設です。インタラクティブインスタレーションやVRといった科学技術を使用した作品や、映像作品などを見ることができます。見応えのある展示にも関わらず常設展は無料のため気軽に入りやすく、東京オペラシティ・アートギャラリーと毎回セットで訪れています。
外苑前・表参道エリア
ワタリウム美術館
ワタリウム美術館は、国内外の現代美術を中心に展示する美術館です。展示と共に、地下のショップでは、街中の書店ではなかなか見ることのできないラインナップのアート本探しを楽しむことができます。
スパイラル
スパイラルは、ホール、ギャラリー、レストラン、ショップなどを複合した施設です。若手のアーティストやデザイナーの展覧会をはじめ、アートフェスティバルや美術大学の卒業制作展が開かれたりなど、いつもフレッシュで勢いのある作品が展示されている印象です。表参道を訪れた際に、ふらりと気軽に寄っています。
<番外編>郊外へ日帰り旅行
市原湖畔美術館
市原湖畔美術館は、千葉県市原市南部の市原市に所在する美術館です。湖と緑に囲まれた美しくゆったりとした景色と、コンクリートむき出しのユニークでモダンな建築との対比が印象的です。現代美術を中心とした企画展が開催されています。市原市はアートによる地域づくりをしており、芸術祭「いちはらアート×ミックス」と合わせて訪れたい美術館です。
クレマチスの丘
クレマチスの丘は、静岡県三島市に位置する複合施設です。コンセプトである「花・アート・食」の通り、庭園で花を、美術館で彫刻や絵画を、レストランで食事を楽しむことができます。クリエイティブユニットKIGIがアートディレクションを手掛けた施設ガイドやグッズが魅力的です。
まとめ
インスピレーション、アイデアの源になることはもちろんですが、なにより創作意欲が湧くような作品は日々の仕事のモチベーションになりますし、リフレッシュにもなります。くれぐれも感染予防対策のガイドラインには従いながら、安全に美術館・ギャラリー巡りを楽しんでいただければと思います。