私は3年ほどグラフィックデザイナーとして働いてから、UIデザイナー・ブランディングデザイナーとしてのキャリアがスタートしました。
グラフィックデザイナー時代では、ブランディングのお仕事に携わったことはありましたが、ビジュアルアウトプット部分がメインだったので知識や体験としては、ブランドをデザインすることにはノータッチでした。
本当の意味でのブランディング経験の無いグラフィックデザイナーからブランディングデザイナーへと歩んだ道の中でのことをまとめて行きます。
ブランディングデザイナーの役割・領域
まず、ブランディングデザイナーは、実際にどんな役割を担っているのかと言うと、ビジネス戦略を理解した上で、どう魅せていくかのデザイン戦略を巡らせ、実際に言葉やビジュアルに落とし込み、対象の全てに関して一貫したデザインを行います。
ブランディングの対象は、企業・店舗・プロダクト・人・街など様々です。どう売り、魅せて行くかの戦略をデザインした上でのコミュニケーションデザインを行ないます。
図解してみるとこんな感じになります。
戦略から一貫してビジュアルに落とし込めるのは、メリットが多いです。全体感がわかっているのとそうで無いのではディティールに影響してきますし、デザインの幅やアイデアにも関係してきます。グラフィックデザイナー時代に、もう少し戦略への理解を巡らせられていれば、生みの苦しみフェーズが短縮できたかもしれないと思っています。
ブランディングデザイナーの必要となるスキルマップ
先程の図解のようにブランディングデザイナーの役割としては、ビジネスとコミュニケーションのデザインがメインです。この2つのデザインをする上で必要となるスキル・あったほうがいいスキルをブランディングプロセスにプロットしてみました。
図には記載していませんが、個人的にすごく必要だと思ったのは、国語力(読解力や語彙力の部分)です。
まずビジネスデザインフェーズでは、業界や経営層の考えていることを読み取る力と読解力。踏み入れたことのない業界の深い部分を知ることと、それを理解するための構造化力。アイデンティティ〜コミュニケーションデザインフェーズにおいては、どう伝えるかを考えるために必要となる語彙力、言語表現力のスキル・知識不足を痛感しました。
さいごに
私は、経験0からブランディングデザイナーとして歩み始めました。グラフィックデザイナー時代の時から「このコンセプトで本当に喜ばれるのか?」と疑問を抱きながらデザインをしていたので、戦略から入り、全体像を理解した上でビジュアルデザインをしたいと思っていたので、走り出しはスムーズで「これがやりたかった!」と言う感じでした。
経営者の思考理解、市場分析、現状把握からの盤面を整理することや先を見通した戦略立案など、今まで踏み込んだことの無い領域でしたが、ここから理解することでコミュニケーションデザインフェーズにおける、グラフィック制作の質はグッと上がると思います。
また、最初から戦略を理解していることでアウトプットまで一直線で進められるので、ブラッシュアップの時間を確保でき、より質を上げることに注力できます。
未だに難しいなと感じているのが、経営者の思考をトレースすることです。経営者としての経験は無いため、近しいところまでしかチューニングできていません。やはり、背負っているものや見据えているもののスケールが全く違うので、ブランディングを行う時は、覚悟して潜り込んで行かなければいけません。それがまた、面白くもあります。
今回は、ブランディングデザイナーとして歩み始めるにあたり、必要なスキルやプロセスを図解して行きました。みなさんのご参考になればと思います。