“企業文化”
聞いたことがあっても、強く意識されたことのある方は少ないのではないでしょうか?
目に見えず、定量的に測る手段もないため、中々実感が持ちづらいと思います。
自分自身も、これまで“企業文化”というのはあまり考えたこともありませんでした。
しかし、企業の活動において最も注力するべき対象の一つです。
この記事では、そんな企業文化の重要性と、浸透するために必要なステップを、実例をもとにご紹介します。
目次
競合優位性を生み出す上で”企業文化”が最重要な要素
企業文化を定義すると「会社のメンバーで共通の事を信じ、それによって発生する判断と行動の全て」となります。
この企業文化こそ、企業が競争優位を生み出す上で、最も重要になる要素です。
企業文化の重要性を表す、ある経営者の言葉をご紹介します。
1990年代に経営危機に瀕していたIBMを、V字回復させたCEO ルイス・ガースナーの言葉です。
組織文化は、大企業を経営するためのさまざまな重要要素の1つに過ぎないと、最初は思っていました。そうですよね。マーケティング、ファイナンス、製造があります。そしてようやく組織文化のことを考え始めるのが普通です。
でも違うのです。組織文化がすべてなのです。組織文化はるつぼです。そこにアイデアが生まれ、どのように行動すべきかを人々が決定し、どのように振る舞い、どのように相互関係を構築されるか決まります。
この言葉が意味することは、企業は人の集合体であり、良い戦略やサービスは人から生まれるということです。
共通のものを信じて、共通の行動・判断をしている人の集合体は、その企業独自の価値を生み出していきます。
つまり、企業文化こそ、他社にはない競争優位を生み出す源泉になります。
企業文化づくりに失敗すると何が起きるか
企業が文化づくりを失敗してしまった時、競争優位を生み出せないばかりではなく、
組織が内部から崩壊して行きます。
メンバー同士がバラバラの基準・価値観で動いてしまい、思想がぶつかり合う。
結果、「会社と合わない」と感じて離職する人が増え、思うように業績が伸ばせなくなるという事象にぶつかります。
組織崩壊と企業文化の関係性を具体的にイメージするために、実際のケースをご紹介いたします。
ご紹介するのは、組織崩壊を経験しながらも、そこから立て直され、上場を果たした企業です。
代表ご自身が当時の様子や困難をまとめている記事があるので、リアルにイメージすることができると思います。
株式会社 I-ne代表 大西洋平 note「社員が一気に300名を超えたら組織が崩壊した話」
上記の会社が、崖っぷちの状況から猛烈な成長を果たした背景には、「強い組織文化への再構築」があります。
それほどまでに、組織文化は、企業活動を左右する要素になのです。
企業文化をつくるために
ここまで企業文化の重要性についてまとめてきました。
では、企業文化を醸成するためには、どうすれば良いのでしょうか?
前提として、企業文化は0からつくっていくものではなく、会社の創業時にすでにあるものです。
創業の時に大事にしていた想いや理想こそが、企業文化の基盤になります。
なので、会社の文化は「0からつくる」のではなく、「再認識し、メンバーに伝える」ものであり、組織のデザインだと考えています。
ここでは、簡単に3つのステップをご紹介いたします。
Vission・Missionの定義
企業文化を伝えていくための1つ目のステップとして、Vission・Missionの定義が必要です。
「なぜ企業活動をしているのか」「それを達成するために何を目指しているのか」
会社にいるメンバーが共通認識できるように言語化を行います。
Value(行動指針)の定義
2つ目のステップとして、Vission・Missionを達成するために必要とされる行動や価値観・基準を共通化していくことです。いわゆる、Value(行動指針)の策定になります。
Valueは、Vission・Missionを達成するために策定しているので、会社のフェーズや、外部環境の変化に応じて変えていく必要があります。
具体的な例として、Smatr HRも、会社のフェーズに合わせて行動指針を細かくアップデートしています。
Vission・Mission・Valueの徹底
3つ目のステップとして、定めたVission・Mission・Valueの全社での徹底です。
アプローチ方法としては、経営陣やマネージャー陣による発信や振る舞いを徹底すること。また、バリューに沿った採用活動や人事評価も極めて重要になります。
終わりに
ここまでで、企業文化を作っていくためのステップをご紹介してきました。
実際には「VMVを上手く言語化できない」「定めたがValueが中々浸透しない」などの難しさを感じると思います。
セブンデックスでは、このような”組織のデザイン”についても支援を行っています。
日本鋳鉄管様との取り組みをご紹介すると
- 企業活動のコアを再定義し、ビジョン・ミッションの策定
- 再定義された理念体系に伴い、社内外に発信していくためのホームページ・クリエイティブのリニューアル
- 理念の社内浸透のためのインナーブランディング施策の実施
下の記事で、実際のプロセスや考え方などをまとめているので、ぜひ覗いてみてください。