ROIとは?意味と計算方法、ROASや費用対効果との違いも解説 KNOWLEDGE
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ROIとは?意味と計算方法、ROASや費用対効果との違いも解説

ROIとはReturn On Investmentの略称であり、日本語では投資対効果、あるいは投資利益率と呼ばれます。本記事ではROIについて基礎的な説明や算出方法、また混同されがちなROASや費用対効果との違いをご紹介します。

ROIとは

ROI(Return on Investment)は、投資対効果とも呼ばれ、ある投資によって得られる利益を投資額に対して評価する指標です。言い換えると、投資した金額に対してどれだけの収益が生まれたかを示す比率であり、投資の効果を数値化することができます。ROIは、ビジネス全般だけでなく、マーケティングや広告活動、新製品開発など、さまざまな分野で利用される重要な指標です。

なぜROIが重要なのか

それではROIがなぜ重要か、大きく4つのポイントに分けてご紹介します。

投資効果の評価

ROIを計算することで、その投資がどれだけの収益を生んでいるかを把握することができます。これにより、投資の成功度を客観的に評価し、さらにはどこに投資するかや戦略の優先順位を決定する際の重要な指標となります。また、ROIの分析を通じて、過去の投資活動から学ぶことができ、リスク管理や資源配分の改善に役立てることができるでしょう。

比較のしやすさ

ROIはあらゆる投資案件に適用できるため、異なるプロジェクトや投資案件でもROIで比較することができます。これにより、最も効果的な投資先を選択することができ、資源の最適な配分が可能となるでしょう。また、投資家や経営者はROIを使うことによって、企業内外の投資プロジェクトを客観的に評価し、より適切な決定を下すことができます。

効率的なリソース配分

ROIが高い投資先を優先することで、企業はより効率的にリソースを活用し、より良い成果を上げることができるでしょう。反対に、ROIが低いプロジェクトを見直すことは、無駄な費用の削減につながるため、企業の収益性が向上します。リソース配分の最適化は、企業の競争力を高めるための重要な要素です。このプロセスが、企業の持続的な成長を支える要素の一つとなります。

目標設定とパフォーマンス評価

ROIを用いれば投資に対して適切な目標設定を行うことができます。事前に明確な目標を設定することで、チームは効果的な取り組みにフォーカスでき、投資効果を最大化することができます。また、実際のROIを目標値と比較することで、プロジェクトのパフォーマンスを適切に評価することができます。これにより、組織全体での継続的な改善が促され、投資活動のさらなる効果の向上が期待できるのではないでしょうか。さらに、パフォーマンスの評価を通じて、企業は弱点や改善点を特定し、より効果的な投資戦略を策定することができます。

ROIの計算方法と目安

計算方法

ROIを計算するには、以下の式を用います。

ROI =(投資による利益 / 投資額) × 100

この式において、投資による利益は、投資した活動から得られる収益から投資額を差し引いたものです。ROIはパーセントで表されることが一般的であり、数値が大きいほど投資効果が高いと評価されます。

具体的な例を用いてROIの計算方法を説明しましょう。

例: ある企業がマーケティング活動に100万円を投資し、それによって150万円の収益が得られた場合、ROIは以下のように計算されます。

投資による利益 = 収益 – 投資額 = 150万円 – 100万円 = 50万円

ROI =(投資による利益 / 投資額) × 100 =(50万円 / 100万円) × 100 = 50%

この場合、ROIは50%となります。つまり、投資した金額の50%分の利益が得られたということを示しています。この数値を用いて、他の投資案件やプロジェクトと比較し、効果的な投資判断を行うことができます。

大まかな目安

それではROIは何%から優れていると評価できるのでしょうか。ROIの優れた値に関しては、業界やプロジェクトの性質、投資の規模や期間などによって異なりますが、一般的には、ROIが正の値(0%よりも大きい)であれば、投資が利益を生み出していると言えます。ただし、算出したROIが優れているかどうかは相対的な評価が必要です。

ROIを評価するときは以下を具体的な目安にしてみてください。

  • ROIが0%より大きい場合、少なくとも投資した費用を回収し、利益を生み出していると言えます。
  • 一般的に、ROIが10%~20%であれば、良い投資とされます。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、業界やプロジェクトの状況によっては、これよりも高い値、あるいは低い値が期待されることもあります。
  • 他の投資案件やプロジェクトとの比較によっても、優れたROIが相対的に評価できます。同じ業界や競合他社のROIと比較し、自社の投資効果がどの程度であるかを判断することができます。

最終的には、企業や投資家自身が、自身のリスク許容度や投資目的に基づいて、どの程度のROIが優れていると評価するかを決定することが重要です。目標ROIを設定し、それに対してどれだけ達成できているかを評価することが効果的な投資判断の一要素です。

類似の言葉「ROAS」「費用対効果」との違い

ROIに似た用語として、「ROAS」と「費用対効果」の2つが主に挙げられます。本項目では、その2つがROIとどのように異なるのかを解説します。

ROAS

ROAS(Return on Ad Spend)は、広告支出に対する収益の割合を示す指標です。主にオンライン広告やデジタルマーケティングの分野で用いられます。ROASは以下の式で計算されます。

ROAS(%) =(広告による収益 / 広告支出) × 100

ROIとの違いは、ROASは広告活動に特化した指標であり、広告支出に対する効果を評価することに焦点を当てている点です。一方、ROIは投資全般に関する指標であり、広告以外の投資やプロジェクトにも適用できます。

費用対効果

費用対効果はROIと同義と思われがちですが、それぞれの指標で表していることが異なっています。費用対効果は、ある活動やプロジェクトにかかった費用に対して、得られた利益がどれだけあるかを評価する概念です。ROIと異なり、パーセントではなく費用で算出し、投資効果を判断する際の一般的な基準となります。以下が費用対効果を算出する際の式となります。

費用対効果 = 効果(利益) - 費用

ROIと費用対効果の違いは、ROIが具体的な数値(パーセント)で投資効果を示すのに対し、費用対効果は効果(利益)と費用のバランスを評価する概念です。

ROI,ROAS,費用対効果の違い

それぞれの指標や概念は、特定の目的や状況に応じて適切に選択・活用されるべきです。ROIは投資全般の効果を評価する際に適しており、ROASは広告活動の効果を評価する際に適しています。一方、費用対効果は投資効果を評価する際の大まかな基準として利用されます。

ROIを向上させるには

それでは、ROIを向上させるにはどのような施策が考えられるでしょうか。ここでご紹介するもの以外にも多くの方法がありますが、本記事ではその中から3つのポイントを解説します。

コスト削減

投資額を減らすことで、同じ収益が得られた場合にROIが向上します。無駄な支出を見直し、効率的な資源配分を行うことが重要です。例えば、広告費を削減するために、よりターゲットに絞ったマーケティング戦略を立てることや、最適な広告チャネルを選択することが挙げられます。また、サプライチェーンの最適化や生産プロセスの改善を通じてコスト削減を図ることも有効です。

収益の最大化

投資活動から得られる収益を増やすことで、ROIが向上します。市場分析や顧客ニーズの把握を行い、より効果的な戦略を立てることが求められます。具体的には、新製品やサービスの開発、既存製品の改善、新しい市場への進出、顧客対応の向上などが考えられます。これらの取り組みは、顧客満足度を高め、売上を増加させることに繋がります。

最適な投資先の選択

ROIが高い投資案件を優先的に選択することで、全体的なROIが向上します。各案件のROIを事前に評価し、最も効果的な投資先を選択することが重要です。例えば、複数のプロジェクトや事業を比較検討する際に、それぞれのROIを算出し、最も収益性が高いと予測される案件に資源を集中的に投入することが効果的です。

まとめ

本記事では、ROI(投資収益率)について、その意味、計算方法、重要性、そして向上策について説明しました。ROIについての基礎知識は得られたでしょうか。ROIは、投資効果を評価し、資源の最適な配分を図る上で欠かせない指標です。本記事で紹介した方法はあくまで一例に過ぎませんが、それらを適切に組み合わせることで、より効果的な投資判断を行い、収益性向上に取り組むことが可能になります。

最後に、ROIの計算と評価は、投資判断のみならず、プロジェクトや事業の目標設定やパフォーマンス評価にも役立ちます。ROIを活用して、賢い投資判断を行い、ビジネスの成長を加速させましょう。

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大学と42Tokyoでコーディングを学ぶ中で、UX/UIに興味を持つ。AIの台頭によって、単純な技術力以外の価値が高まったと感じ、ユーザーに寄り添うことを学ぶためにセブンデックスにインターンとして入社。国際基督教大学情報科学専攻在籍。