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UXディレクター向けオンボーディングワーク|成長につながる2つの特徴

スタートアップには、スピード感を持って成長できる環境があるというイメージがありますが、実際は教育システムが整っていないために、右も左もわからない中で案件に参加し自走することが求められます。それは確かに成長にはつながりますが、メンバーに過度なストレスをもたらしたり、期待された品質を提供できず会社の信用に関わる問題が引き起こされる可能性もあります。

そこで、セブンデックスでは入社間もないUXディレクターに向けて、初めての実案件でもパフォーマンスを発揮できるよう、1ヶ月じっくりと取り組めるオンボーディングを準備いたしました!

(こちらの記事で紹介されている、入社オンボーディングのリニューアルとともに再設計された現場オンボーディングです。よければ合わせてお読みください!)

セブンデックスで得られる成長の機会や教育への考え方など、弊社のカルチャーを感じていただければと思います。

社長がクライアント!の模擬プロジェクト

まずは、具体的にオンボーディングの内容をご紹介します。

新入社員は、PM兼UXデザイナーとして、模擬プロジェクトを完遂させることになります。

与件は「メンバーが『健康的な食事を摂ること』に対して抱えている課題を調査し、市場の競合を考慮した上で、勝ち筋とともに新しいサービスを提案してください」というもの(今後変わる可能性もあります)。
弊社の社長をクライアントと想定し、リサーチ結果やペルソナ、コンセプトなどの成果物は、すべて社長が検収します。
参考として、一般的なUXデザインのプロセスに沿った簡単なWBSやスケジュールは準備していますが、基本的にはひとりでプロジェクトの目的設定からコンセプト提案まで、一連のプロジェクトをこなすことになります。


いきなり一人で模擬プロジェクトを推進するのは難易度が高いのでは? 社長が成果物をすべて検収するのは工数がかかりすぎるのでは?と思われるでしょうか。
確かに新入社員がひとりで遂行するには難易度が高いですし、社長にはかなり工数をいただきました。

では、なぜ弊社のオンボーディングがこのような形になったのか、ご紹介します。

特徴1. UXプロセスを目的思考から身につけるための、ひとりプロジェクト

元々、弊社では新入社員の教育に課題を抱えていました。 初めて案件に参加した新人のフォローや成長のためにメインディレクターが工数を割き、思うように進捗が生まれていなかったり、新人が自分の能力を活かせる場を見つけるまでストレスを抱えてしまう状態がありました。

セブンデックスが、今後より規模を拡大し成長するためには、新人がプロジェクトに参加したとき、メインディレクターに頼りきりになることなく、自走して一定の価値を生み出せる状態となることが求められていました。 そこで、約1ヶ月間にあたる15営業日を使って一連のプロセスや考え方を身につけ、新人がサブUXディレクターとして自走できるようにするという目的で、オンボーディングの設計が始まりました。

オンボーディングの目的

  • ジュニアディレクターとして、各プロセスのアウトプット作成を自走できる状態になること

では、「自走できる状態」とは何でしょうか。
弊社の業務を考えた時、一般的なUXの知識を用いてプロセスを遂行できるだけでは、能力が不足していることが分かりました。目的を理解した上で、その目的を達成させる行動ができるかどうかで、手順の通り作業をしたとしても全く違うアウトプットになってしまうためです。つまり、目的と自分の行動を照らし合わせてメタ認知できている状態が、ようやく自走できる状態であると定義できました。
まとめると「自走できる状態」とは、以下の能力が一定以上身についている状態であることが明らかになりました。

「自走できる状態」に必要な能力

  • 目的を立てる能力
  • 目的に対して、目標(ゴール状態や検証するべき仮説)を立てる能力
  • 目標に対して、適切な手段(代表的なUXのアウトプットを含む)を選択する能力
  • 手段を遂行する能力

ここまでの分析を受けて、今回作成したワークでは、以下のようなアクティビティを取り入れています。

  1. 目的を立てる能力:プロジェクトの目的を自身で設定する。中間成果物作成に取り掛かる前に、そのアウトプットの目的を明文化して報告する。
  2. 目的に対して、目標を立てる能力:目的を分解し、明確な目標を定義する。
  3. 適切な手段を選択する能力:UXの代表的なアウトプットの要件を自らで設計し一通り経験する。プロジェクトの目的とプロセスは新入社員が設計するが、参考となるWBSを渡すことで、大きく想定外のプロセスとならないように調整。
  4. 手段を遂行する能力:計画をやり切るためのマイルストーンをあらかじめ設定。遂行に必要なアクションを全面的に任せることで、関係者とのコミュニケーションや事前準備など、様々な能力の実践機会を設ける。

与件もこれらのアクティビティと矛盾しないよう、プロジェクトの目的やプロセスが決まりきらない抽象度で、かつ、成果物とプロセスがある程度想定内に収まりそうな具体度となるように、何案も出した中から選定しました。

そうした調整の結果、新入社員ひとりでプロジェクトを遂行してもらうオンボーディングが設計されました。

特徴2. 高い教育水準を保証するための社長レビュー

今回、セブンデックスで求められるアウトプット水準を誰より理解しており、他社員と比較し最も短時間で成果物を評価できることから、社長をレビュアーとして指名させていただきました。
実際、はじめは社長の時間がレビューに取られすぎるということで、レビューのルールを再設計しました。

再設計した結果、以下のようにレビュー工数を削減する仕組みを設けました。

  • レビューのタイミングを細かく区切ることで、アウトプットの理解コストを下げ、同時に手戻りを防ぐ。
  • notionのコメント機能を使うなど、コミュニケーションコストを減らす。

最終的には、社長の工数が一定必要だが、社員の成長が一番の事業成長に必要であると快諾いただきました。

さいごに

最後に、実際にオンボーディングを運用してみた評価を聞いてみました。

レビュアー(社長)の評価

  • 難易度の高い課題に挑戦することで、全体的に成長している。
  • 同時に、課題を抱えている能力や、どの程度の案件であれば扱える能力を持っているかなどを把握できた。
  • この研修で初めて取り組むことに失敗したことは、問題ないので、案件に生かしてほしい。

新入社員の評価

  • ワークを始める前はこのワークで色々わかるかなと思っていたけど、これまでなんとなく分かった気になって実はわかっていないことが多いと分かった。
  • 正解を求めてFBをもらうのではなく、自分なりの答えを持って成果物を作らなければいけないんだということに気づいた。知らないことを言い訳にしてはいけないなと思った。

これほど自由度が高く、社長から約1ヶ月にわたって直接成果物を評価してもらえるオンボーディングは、他社でもそうそうありません。

未経験でもUXに関われる人材になりたい、本質的な課題解決ができるビジネスマンとしての成長をしたいと思われる方は、ぜひご応募ください!