コロナウイルスの影響を受け、2020年以降リモートワーク化が急激に進みました。予期せぬ働き方の変化の中、様々な対応に追われる日々を過ごした方も多いのではないでしょうか。
そんな猛威を振るっていたコロナウイルスも落ち着いてきた今日この頃、リモートワークによるメリットやデメリット、逆に出社して仕事をすることで得られる恩恵などが、世間一般に浸透してきました。オフィスを撤廃し、完全リモートワークに以降した企業、逆にリモートワークが上手くいかず出社の頻度を増やしたり、原則出社に戻す企業など、様々な動きが見られます。
セブンデックスでは、週3出社、週2リモートのハイブリッドワークを採用しています。出社日は曜日固定で全社員出社、リモート日は案件等で対応の必要がない限り、基本在宅で仕事をするというスタイルです。出社ができるようになって以降、大きな問題が発生することもなく、社員の納得度も高い状態で継続できています。その理由は何でしょうか。今回は振り返って改めて認識した、対面コミュニケーションがリモートワークに与えるポジティブな影響についてお話をしていきたいと思います。
目次
リモートワークで発生しやすい課題
コミュニケーションのハードルが上がる
リモートワークの日に感じる課題感を社員に聞いてみたところ、一番多く意見が上がったのは、コミュニケーションの質やスピードに関することでした。
例えば、
- 様子が見えないので、話しかけていいか迷う
- 相談をする前に、テキストにまとめることに時間がかかってしまう
- ニュアンスが伝わりづらい、温度感が読み取りづらいなど、テキストコミュニケーションに限界がある
- 仕様が固まっておらず、確認しながら進めたいフェーズでは、何度もハドルをつなぐことが結構手間に感じる
リモートワークの日には、主にSlackのチャットやハドルの機能を使ってコミュニケーションを取っています。メンバーのスケジュールや、オンラインの状況も見えているのですが、どうしても隣の席にいるときと比べるとやりづらさを感じる瞬間は発生し、結果として自分やチームの生産性の低下につながることも懸念されます。
新たな人間関係の構築が難しい
プロジェクトのフェーズや体制によっては、さらに人間関係の構築が必要になってきます。リモートワークでは、誰かから働きかけないとコミュニケーションは発生しません。ただでさえコミュニケーションのハードルが上がっている状況で、すぐに人間関係を構築できるかは、チームメンバーのソフトスキルに依存します。
- 新入社員等初めて関わるメンバーがいるとき
- プロジェクトにメンバーが途中参加するとき
このような場合は、質問をしやすくする仕組みづくりや、丁寧なフォローアップなど、工夫しながら解決していく必要があります。
対面コミュニケーションで構築される関係性
リモートワークが進む中、オフィスでの何気ない会話が意外と大切だったんだなという意見が見られました。オフィスでは、業務に直結する会話と、そうでない雑談があまり区別されることなく交わされています。そこから生まれる関係性が、リモートワークの質に大きく影響を与えています。
人となりを知る
入社したての時期やプロジェクトの始めの時期など、テキストコミュニケーションやオンラインミーティングのみだと、チームメンバーの人となりを知る機会が思いの外ありません。少し冷たい感じがして質問しづらいな、、と思っていた人が、会ってみたら案外気さくに話せる人だった、共通の趣味を持っていることが分かった、といったこともあるのではないでしょうか。リモートワークの前に一度でも直接会話しているだけで、文面から伝わる情報や温度感はかなり変わります。
出社した際の圧倒的なメリットは、やはり話しかけやすさにあると思います。セブンデックスの座席は案件に応じた並びとなっています。チームメンバーがすぐ隣にいるため、慣れていない人であっても様子を見て話しかけたり、周りのメンバーからヘルプを出したり、といった動きがしやすい状況です。そのタイミングで少しづつでも会話を増やしていくことが、その後の仕事の質を上げていくことに繋がります。
組織全体の心理的安全性が高まる
話しやすい関係性ができてきたあとも、何気なく仕事で困っていることを話した時に少しでも状況が良くなると、気軽に聞いてみるもんだな、また相談してみよう!といった、更に良い空気が生まれます。
その場でサクッと壁打ちができて悩みが解決したり、「あの人以前似たような仕事やってたから、何かヒントもらえるかもよ!」という情報がもらえたり、組織の課題として取り上げてもらえたり、を繰り返すことで、1人1人の課題が案件のみならず組織全体の改善にも繋がっていきます。
普段の何気ない会話が、心理的安全性を高め、結果として組織全体の底上げとなります。
ハイブリッドワークの良さ
状況に応じて柔軟な対応が可能になる
ここまで、リモートワークの課題にのみ触れてきましたが、常に上記のような課題を抱えているわけではありません。むしろコミュニケーション面で問題がなければ、リモートワークでも問題なく仕事が進められると言えるでしょう。
リモートワークにもメリットは沢山あります。通勤時間がないだけで、満員電車のストレスから開放され、自由に使える時間も増え、リモートワークのほうが効率的な面もあります。家庭の状況や、自宅の距離など、人それぞれリモートワークをしたい理由もあると思います。
その時の状況に合わせて柔軟に対応できることが、ハイブリッドワークの良さです。セブンデックスでも、自身や家庭の状況に応じてリモートに切り替えたり、プロジェクトの状況に応じてリモートの日であってもチームメンバーで出社したりといったことは、日常的に行われています。
クライアントワークにおいても同様
オンラインミーティングが当たり前になった現在、追加の移動時間や移動費がかかる対面でのコミュニケーションは以前よりハードルが高くなったままであり、特別な理由がない限り、お客様とのコミュニケーションはオンラインでの対応がメインとなります。またお客様の社内でも直接会ったことないメンバーがいるということもあります。
このような場合でも同様に、いかに会話しやすい環境を作るかが重要になってきます。社内以上にコミュニケーションのハードルが上がりやすく、制約も多いクライアントワークでは、より工夫が必要です。
セブンデックスで行っている施策の一部をご紹介します。
キックオフ
プロジェクトの開始時や、フェーズの切り替えタイミングで実施します。可能な限り直接集まり、プロジェクトの内容確認や、メンバーの紹介を行います。
朝会・夕会
毎日、もしくは曜日固定で定例化し、業務の進捗確認を行います。雑談も交えた形で困りごと等の共有を行うことで、相談しやすい状況を作ります。
ハドルの常時接続
話しかけられても問題ない時間帯は、カメラ、マイクオフの状態で、ハドルに接続しておきます。少々雑な方法ではありますが、一言確認できれば進めることができるタスクが多くあるフェーズなどは、スピード感を保つ意味でも有効です。
今回は仕事を進める中で感じた対面コミュニケーションの持つ効果に注目してみました。働き方については会社の事業形態や職種、カルチャーに依存する部分も多く、一概には語れないこともあると思いますが、出社頻度と一緒にコミュニケーションの取り方を見直してみると、新たな気付きがあるかもしれません。
世間ではバーチャルオフィスというものあります。これは、作業スペースを提供するコワーキングサービスやレンタルサービスとは異なり、実際に入居せず住所や電話番号のみを利用します。これらのサービスを利用する働き方もあるかもしれません。
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