現代のビジネスの世界において、広報やブランディング、PR、マーケティングという概念を一切考えずに企業活動を行っている会社はほぼ存在していないと言えるでしょう。しかし、これら4つの言葉の違いを明確に説明することは意外と難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではそれぞれの言葉の定義を解説するとともに各概念の違い、相互の関係性についても詳しく解説していきます。
目次
広報やブランディングの定義とは?
広報の定義
官公庁・企業・各種団体などが、施策や業務内容などを広く一般の人に知らせること。またその知らせ(goo辞書)
上記の通り、広報とは情報を事実としてすべての対象に広く知らせることを指します。そのため、基本的には情報の取捨選択をして、都合が良いもののみ伝えることは良しとされていません。特に企業が伝える内容としては、
- 企業活動の内容
- 採用活動
- 財務関係 などが挙げられます。
ブランディングの定義
ブランディングとは「企業や製品のアイデンティティを定義し、そのイメージを構築・管理するプロセス」です。消費者がどのようなイメージを持ってもらいたいかというところから逆算し、戦略を立て、そこから広告やロゴなどにアプローチをかけていきます。
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PRの定義
PRとは【Pubulic Relations】を略した言葉であります。企業がステークホルダーに対して自社のことを理解し、企業活動に共感してもらい、関係性を作っていくことを指します。
またPublic(公衆)とRelation(関わり)の意味から、組織と組織が取り巻く人間と望ましい関係を創り出すための考え方や行動のあり方(公益財団法人日本パブリックリレーションズ協会より)とあることから一方的な活動ではなく、双方向的な組織と人を繋ぐための考え方や活動のこととされています。
また同じ略称を持つプロモーション(Promotion)は消費を促進させる活動のことのため全くの別のものになります。
マーケティングの定義
マーケティングの定義はいくつかありますが、日本マーケティング協会は以下のように定めています。
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。
また近代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーはマーケティングを「ニーズに応えて利益を上げること」と表現しました。さらにドラッカーはマーケティングについて、「マーケティングの理想は販売を不要にすること」と表現しました。
これらの言葉からマーケティングとは市場調査などから実際にモノやサービスの提供までの全てを包括しており、「顧客に価値を生み出すためのプロセスである総合的な活動」またその市場を開拓していくことを指します。
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広報やブランディングの違い
一方的か双方向的か
広報、ブランディング、マーケティングは施策のベクトルが一方的であるのに対し、PRはステークホルダーと関係性を築くことに重きを置いており、フィードバックや評価をもとに考えていくので双方向的な施策と言えます。
ターゲットが明確であるか
広報は文字通り、広く報じるため基本的には不特定多数に知らせる責任があるのに対し、ブランディングやマーケティングはターゲットありきの施策であります。また、PRはターゲットが定まっている場合とそうでない場合があるため、広報とブランディング、マーケティングの中間に位置していると考えられます。
長期的な施策であるか
広報とPRは基本的には短期的な施策であることが多く、一つ一つの施策が独立していることが多いのに対し、ブランディングとマーケティングは基本的には月、ものによっては年単位で戦略を練り、改良を重ねていきながら実行していきます。
広範な伝達が可能か
広範の伝達性に関しては、広報が一番強力であります。PRもターゲットは広いですが、広報ほどではありません。また、広報は情報をスピードも兼ねそなえているため、影響力が非常に大きいです。反対にブランディングとマーケティングはターゲットが設定されているためそもそも考え方が違います。
0→1の関係を構築するか
0→1の関係を構築することに強みを持つのはPRです。そもそもの役割としてステークホルダーと関係性を築くことが求められているため、潜在層の顧客を掘り出したり、新たな市場を生み出したりすることに長けています。また、広報はまず伝えることが大事になっているためPRほどの能力はありません。マーケティングとブランディングはターゲットが定まっているため、市場創造というよりも元から存在するものをさらに大きくしていくことの方が向いています。
上記の図、分析より、一つのツールが全ての特徴を網羅できているわけではないことが分かります。
だからこそ横断的に掛け合わせることでより良い施策が打つことが可能になります。
- 広報とブランディングを掛け合わせることで広範囲にブランドの周知が可能
- 同じく広報とブランディングを掛け合わせることでターゲットに集中して情報を届けることが可能
- ブランディングとPRを混ぜて利用することでマーケティングの課題である広範の伝達を改善
など、組み合わせることで弱点を補強したり、強みをさらに補強したりすることができます。
広報やブランディングの相互の関わり、戦略
広報×ブランディング、マーケティング
ブランディングを進める中で、ターゲットと届けたい内容を決定した後、発信活動を行います。その際、広報を活用することで、情報を広範囲に伝達することが可能となり、また多様な発信媒体や経験を持つ広報課の協力を得ることで、ブランディングの効果をさらに高めることができます。
一方で、広報が会社の情報を発信した後、受け手の反応や影響を詳細に分析することで、会社が直面している課題を明確にし、より的確なブランディングやマーケティング施策を実施することが可能になります。
PR,ブランディング×マーケティング
ブランディングやPRを行う目的の一つに、消費者の「第一想起」を獲得することがあります。一方で、マーケティングは消費者のニーズに応え、利益を生み出す活動であり、その効果を最大化するためには、ブランディングやPR活動が不可欠です。言い換えれば、ブランディングやPR活動が適切に機能しているからこそ、効果的なマーケティングが可能になると言えます。また、マーケティングを成功させるための手段としてブランディングを行う場合もあります。
このように、広報はブランディングを推進し、ブランディングとPRはマーケティング戦略を強化します。広報が欠けるとブランディングが難しくなり、ブランディングが十分に機能していないとマーケティングの効果も低下してしまいます。これらの要素はそれぞれの弱点を補完し合うことで施策が成功するため、相互に密接に連携することが重要です。
まとめ
広報とブランディング、またPR,ブランディングとマーケティングはとても親和性が高く、これらを組み合わせることで、単独で行う場合よりもより大きな効果を得ることが可能です。分業ではなく、各活動を横断的に連携させることで更なる発展や業績の向上が見込めるでしょう。
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本記事では、広報やブランディング、PR、マーケティングの概念、違い、関係性について解説しました。セブンデックスでは、業界特有の課題に対応しながら、企業のブランディングやPR活動のサポートを行っています。
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