企業の未来を切り拓く鍵は「ビジネスデザイン」にあります。急速に変化する市場環境の中で、単なる商品やサービスの提供だけではなく、顧客のニーズを深く理解し、革新的なアイデアと戦略を融合させることが求められています。本記事では、従来注目されてきた「デザイン思考」や「サービスデザイン」と一線を画すビジネスデザインの実例や具体的なプロセスを解説します。
目次
ビジネスデザインとは
「ビジネスデザイン」とは、企業や組織が市場での競争優位を確立し、持続可能な成長を実現するための戦略的アプローチです。単に製品やサービスの外観や使い勝手を改善する「プロダクトデザイン」や「サービスデザイン」とは一線を画し、企業全体のビジネスモデルや戦略、組織文化、オペレーションまでを総合的に捉え直すプロセスを意味します。
従来の経営手法が数値や効率性に重きを置いていたのに対し、ビジネスデザインは「顧客体験」や「市場の未来予測」を中心に据えた解決策を模索します。
たとえば、急激な市場変化に対して、従来の枠に囚われないアイデアを取り入れることで、企業は新たな市場機会を捉えることができます。また、従来のビジネスモデルが直面する陳腐化のリスクを先取りし、常に進化し続ける体制を築くことができるのです。
このように、ビジネスデザインは単なる「デザイン思考」や「サービスデザイン」の延長線上ではなく、企業戦略全体を再構築するための包括的なフレームワークと言えます。
ビジネスデザインとデザイン思考とサービスデザインの違いとは?
ビジネスデザイン、デザイン思考、サービスデザインの三者は、どれも企業が変革を遂げるための重要な手法ですが、その焦点や適用範囲には明確な違いがあります。
まず、デザイン思考は、問題解決のプロセスにおいてユーザー視点を徹底的に追求し、アイデアを柔軟に発想するための方法論です。具体的には、観察や共感、プロトタイピングを通じて現状の課題を浮き彫りにし、革新的なソリューションを生み出すアプローチを採用します。
一方、サービスデザインは、顧客が体験するサービス全体の設計に焦点を当てています。これは、顧客の接点であるタッチポイントを最適化し、利用者にとってシームレスで満足度の高いサービス体験を実現するための設計手法です。ユーザーインタフェースの改善にとどまらず、サービス提供のプロセスや組織内部の連携まで視野に入れる点が特徴です。
そして、ビジネスデザインは、これらのアプローチをさらに発展させ、企業全体の戦略やビジネスモデルを根本から再考する枠組みです。ここでは、単なるプロダクトやサービスの改善にとどまらず、企業が市場で持続的な競争優位を確立するための戦略的な改革が行われます。
このように、デザイン思考は問題解決のプロセス、サービスデザインは顧客体験の最適化に特化しているのに対し、ビジネスデザインはこれらのアプローチを包括し、企業全体の成長と革新を目指すための戦略的手法と言えます。
ビジネスデザインがなぜ重要なのか
ビジネス環境が急激に変化する現代において、企業が持続的な成長と競争優位を実現するためには、従来の戦略だけでは不十分となっています。そこで注目されるのが「ビジネスデザイン」です。
ビジネスデザインは、単なる製品やサービスの改善に留まらず、企業全体の戦略、組織構造、そしてオペレーションまでを再構築する包括的なアプローチです。これにより、企業は市場の変動に柔軟かつ迅速に対応し、イノベーションを促進する体制を築くことが可能になります。
また、ビジネスデザインは顧客の体験やニーズを企業活動の中心に据えることで、従来の「売る」ビジネスから「顧客と共に成長する」ビジネスへとシフトさせる力を持っています。
たとえば、急速に変わる消費者行動に対応するための新たなサービス開発や、デジタル技術を活用したビジネスモデルの刷新など、具体的な取り組みが成功を左右する要因となっています。
さらに、ビジネスデザインは組織内のコミュニケーションやチームの連携を促進し、全社員が同じビジョンに向かって動くための共通基盤を提供します。これにより、企業は内部のシナジーを最大限に引き出し、外部環境の変化に対しても一丸となって挑むことができるのです。
セブンデックスが手掛けたビジネスデザインの事例
株式会社うるる
「入札情報速報サービス NJSS」でCRMを活用した事業・組織構築支援
入札情報速報サービス「NJSS」を展開する株式会社うるる。業種問わず様々な顧客ニーズに答えられるのがサービスの強みです。
リード獲得から受注、フォローと、セールスフローが細分化されている中で、チームやチーム間の連携強化を目的として、SFA/CRMによる事業・組織開発を行いました。
また、セールスフローに伴う、顧客への届け方、アウトプットをUXUIデザインによって支援しました。
セールスフロー設計
どの様な状態になるのが良いか、理想の状態と経営層の方とすり合わせを実施。理想と現状の比較から課題を洗い出しました。
運用の責任範囲が不明瞭なケースが多かったので、セールスフロー設計の後にフローベースで登場人物を洗い出し、誰が最終意思決定をするか責任を明確にしました。
Salesforceデータ設計・開発・組織浸透支援
Salesforce導入前について、チーム単位の運用はできていたのですがチームをまたいだ情報共有ができていない状態でした。
そこで、まずは必要なデータを洗い出し、いつどのタイミングでデータを取得すべきかを定義。セールスフローのどこで取得するか明確にしました。
現場のスピード感に合わせるために、リリース直後ヒアリング、仮説検証のサイクルを3日~1週間で行いました。現場の定例に出てフィードバックをもらうなど、密にコミュニケーションを取ることで、関わる全員が主体的に動いてくれる状態を構築することができました。
冊子デザイン
入札に興味を持った方向けに、冊子でわかる入札本を作成しました。
入札とはなにか、何をすればよいのか、漫画でわかりやすく解説しました。パッケージについては「入札と言えばNJSS」と想起されるように、参考書として保管できるような、高級感を演出しました。

ランディングページデザイン・実装
マーケティング施策で利用する、入札を学ぶランディングページのデザイン/実装を行いました。
デザインのみではなく、ランディングページを活用した分析、アクションなど、CRMやセールスフローとの連携設計も行いました。

ビジネスデザインを学べる本を紹介
ここでは、実践的なフレームワークや事例が豊富に盛り込まれたおすすめの書籍をいくつかご紹介します。
1. 『ビジネスモデル・ジェネレーション』

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書籍概要:
現在世界中で主なコンサルタントと会社によって使用されている実用的な革新のテクニックを披露。3M、エリクソン、デロイトなどの一流企業で利用されています。これまでの時代遅れな概念を捨て去り、価値創成の新しいモデルを掲げたこの本はすべての組織のマーケッターや開発社員、コンサルタント、企業家、およびリーダーにとって読み応えのある一冊です。
2. 『Value Proposition Design ― 顧客価値の創造とビジネスモデルの革新』
書籍概要:
『ビジネスモデル・ジェネレーション』の著者が手がけた続編ともいえる本書は、顧客視点に立った価値提案の重要性を徹底的に解説しています。具体的なワークショップ形式のアプローチや事例が豊富で、実際のビジネス現場で直面する課題を解決するヒントが散りばめられています。顧客と共に価値を創造するプロセスを学びたい方に最適です。
3. 『デザイン思考の教科書』
書籍概要:
デザイン思考を基盤に、イノベーションを起こすための具体的な手法が体系的にまとめられた本書は、ビジネスデザインの考え方を学ぶ上でも大変参考になります。ユーザー視点の発想法、プロトタイピングの技術、そして実践的な事例を通じて、デザイン思考がどのようにビジネスの現場で活用されるのかを深く理解できます。実践にすぐ活かせる知識を得たい方におすすめです。
ビジネスデザインに強い会社をご紹介
株式会社セブンデックス

株式会社セブンデックスは「企業に寄り添い、事業成長にコミットするデザインコンサルティングファーム」。
UXUI / ブランディング / マーケティングを主戦場としており、顧客体験からコミュニケーションまで一気通貫でデザインし、多角的な視点から企業価値の向上と事業成長を支援する、ビジネス×デザインを得意とする会社です。

サービスやブランドの戦略部分からともに考え、デザインの分野を主軸に伴走してくれるのが特徴です。また、UXUIを主戦場にしつつも、飲食店の店舗デザインやパッケージデザインなどオフラインのプロダクトデザインも行うなど、幅広い分野の実績をもつ会社です。
株式会社ニジボックス

株式会社ニジボックスは、企業やサービスの成長に向き合い続けるリクルートグループのUIUXデザイン会社です。「Grow all」をミッションに、リクルートグループ各社をはじめ、大企業からスタートアップまで幅広い顧客を持ち、ビジネスのあらゆるフェーズにチーム感高く伴走する会社です。
株式会社root

株式会社rootは、クライアントとの綿密なコミュニケーションにより、デザインパートナーとして事業成長に貢献する会社です。「デザインの実践を個から組織・事業へ」をビジョンに掲げ、スピーディーな開発改善によって事業本来の価値がユーザーに届くサービスを目指しています。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください!
ビジネスデザインならセブンデックス
市場の変化が激しい今、企業がこれまで以上に柔軟で革新的なアプローチを求められています。この記事でご紹介したビジネスデザインの考え方は、単なる製品やサービスの改善だけでなく、企業全体の戦略や組織文化を見直すための大切なヒントとなるはずです。
株式会社セブンデックスは、UX/UIデザイン、ブランディング、マーケティングなど、さまざまな分野で企業の成長をサポートしてきました。私たちは、あなたのビジネスが直面する課題や夢に寄り添いながら、一緒に未来を創造していくパートナーとしてお手伝いいたします。まずはお気軽にご相談ください。