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コミュニケーションデザインとは?わかりやすく意味を解説!
一言で表現すると
コミュニケーションデザインは、「誰に・何を・どの文脈で・どんな体験を通じて伝えるか」を設計し、相手の正しい理解と望ましい反応につなげる考え方です。見た目だけでなく、言葉、構成、導線、タイミングまでを含めて“伝わり方”そのものを整えます。
どこまでを設計するのか
- メッセージ:何を、どんな言い方・トーンで伝えるか
- 情報設計:迷わず読める見出し・段落・ナビゲーション
- 体験の流れ:認知 → 理解 → 共感 → 行動 → 継続
- チャネルの役割分担:Web/アプリ/SNS/メール/広告/イベント/店舗/CS
- オンライン×オフラインの接続:バラバラな接点を切れ目なくつなぐ
どんな成果物になるのか
取り組みのアウトプットは、メッセージマップやトーン&ボイスの指針、ペルソナと利用シナリオ、カスタマージャーニー、コンテンツ運用方針や編集ガイド、チャネルごとの運用設計、UIフローやコピー・ビジュアルのスタイル定義、そして計測の設計など、多岐にわたります。いずれも単発の制作物ではなく、運用しながら更新していく前提の“仕組み”として束ねられます。
基本の進め方
- 目的を定義:到達したい状態を明文化
- 受け手を理解:課題・動機・文脈を調査し仮説化
- 価値とメッセージ:何をどう言うかを決める
- 接点と導線:どこで・いつ・どの順に届けるか設計
- 表現制作:言葉・ビジュアル・UIに落とし込む(アクセシビリティ/法令も確認)
- 実装と計測:定性・定量で効果を把握
- 改善:学びを次の施策へ反映
隣接領域との違い
- ブランディング=「何者か」を定義
- マーケティング=価値を市場に届ける仕組みづくり
- PR=信頼や社会的文脈の形成
- UI/UX=接点での体験品質の向上
→ コミュニケーションデザインは、これらを一貫したストーリーに編成する“ハブ”です。
よくある誤解
「デザイン=見た目」という理解は誤りです。本質は“伝わり方の設計と運用”にあります。また、広告制作の別名でもありません。採用・社内連絡・サポート対応など、社内外のあらゆる伝達に関わります。さらに、作って終わりではなく、反応を見て更新し続ける継続的な取り組みです。
成果はどう見る?
到達・理解・エンゲージメントなどの先行指標と、コンバージョン・継続・推奨などの後行指標を組み合わせて評価します。数字だけでなく、「どこで誤解や離脱が起きたか」という質的な気づきも次の改善材料になります。
セブンデックスのコミュニケーションデザイン事例
積水ハウス|「伝える」と「使える」を両立したサイト設計

トップページを“課題提起→価値提示”の流れに再構成し、ブランドの世界観(情緒的価値)と情報設計(機能的価値)を両輪で設計。さらに展示場検索は、絞り込みや表示の最適化で「迷わず自分に合う展示場に辿り着ける」体験に整えています。ここでは、メッセージの組み立て×情報の見せ方×行動導線を一体で再設計している点が、コミュニケーションデザインの中核です。
ポイント:段階的ストーリー/機能・情緒の価値定義/情報棚卸しと導線設計/検索UI改善による来場予約の後押し。 (詳しい実績紹介はこちら)
キオクシア岩手|“候補者の判断に必要な情報”から逆算した採用サイト

経験者採用を強化するため、求職者が働く姿を具体的に想像できるよう、製造工程に沿った職種紹介や10名超の社員インタビューを核に情報設計。ブランドガイドラインとアクセシビリティ要件にも準拠し、信頼感と読みやすさを担保しました。誰に何をどう伝えるか(内容・トーン)とどの順で理解に至るか(構成・導線)を結びつけた設計で、採用コミュニケーションの質を高めています。
ポイント:ターゲットの声に基づくコンセプト/判断材料の提示順序の最適化/トーン&ビジュアルの一貫性/アクセシビリティ配慮。 (詳しい実績紹介はこちら)
QIX『Smiley』|パッケージを“選ばれる理由”の伝達装置に

動物病院チャネルで選ばれるために、まずブランドの成り立ち・思想・提供価値を言語化し、その物語をパッケージに直結。動物写真に頼らず、タイポグラフィとカラーで特長を明快に伝える設計へ刷新しました。価値の言語化(メッセージ)→視覚化(見せ方)→購買時の瞬間認知(行動)を一直線につないでいる点が、コミュニケーションデザインの要諦です。
ポイント:経営層インタビューでコア定義/一貫ストーリーの整理/“メディカル感×手触り感”の色設計/既存ユーザーの継承配慮。 (詳しい実績紹介はこちら)
3件に共通するのは、「誰に」「何を」「どの順で」「どの接点で」伝えるかを明確化し、行動につながる導線まで設計していること。見た目の刷新に留まらず、伝わり方そのものを作り替えている、コミュニケーションデザインの好例です。
コミュニケーションデザインが重要な理由とは
伝わり方を設計できれば、成果が“安定して”出るから
コミュニケーションデザインが重要なのは、情報を届けるだけでなく、理解→納得→行動までを一貫した体験として組み立てられるからです。要点は次の3つに集約できます。
1) 注意をとらえ、行動に変える
受け手の文脈に合う言い方・見せ方・順番を設計し、迷わず次の一手(購入・応募・問い合わせなど)へ進めます。“伝える”を“動いてもらう”に変換する役割です。
2) 誤解と摩擦を減らす
用語や比較軸、FAQの見せ方を揃え、期待違いや往復対応、炎上リスクを低減。意思決定の障害物を取り除くことで無駄なコストを抑えます。
3) 一貫性と学習で伸び続ける
チャネル横断でトーンと体験を統一し、計測・ルール・ガイドで運用を仕組み化。再現性ある改善サイクルが回り、短期の成果と長期の信頼を同時に積み上げられます。
ひと言まとめ:見た目の刷新ではなく、“届き方”の設計と運用が、成果を出し続けるための土台になります。
よくある反論への答え
小規模でも必要?
答え:必要。 お金も人も少ないなら、外せません。
やることは3つだけ。
- だれに(たとえば「小さな雑貨店の店長」)
- どんな悩みを(「在庫管理が大変」)
- 次に何をしてほしいか(「1分で相談」)
例:見出し「在庫管理で夜更かし中の店長さんへ」/ボタン「1分で無料相談」。
→ 当てずっぽうに広く打つより、ムダが減ります。
B2Bは関係ない?
答え:むしろ重要。 B2Bは決める人が何人もいます。
見るポイントが人によって違うので、入口や資料を役割別に用意します。
- 現場:使い方・導入後の一日
- 上司・決裁:費用対効果・導入効果の早見表
- 情シス:セキュリティ・連携
- 購買/法務:価格・契約条件
例:資料ダウンロードを「現場向け」「上司向け」「情シス向け」に分けるだけで、話が早くなります。
作って終わり?
答え:終わりじゃない。 小さく直して、良くしていくのが本体です。
毎月これだけチェック。
- どこで離脱?(タイトル/比較/フォーム)
- 何が聞かれてる?(問い合わせ・検索ワード)
- 小さく直す(タイトルを結論先出し、FAQを1つ追加、ボタン文言を「資料請求」→「30秒で資料を見る」など)
→ 手を動かすたびに誤解が減って、成果がじわっと上がります。
コミュニケーションデザインはセブンデックスにおまかせ
セブンデックスは、UX/UI・ブランディング・マーケティング・DXを横断し、戦略→設計→制作まで一貫して支援するデザイン&マーケティングカンパニーです。顧客体験からコミュニケーションまで“まとめて”設計できるのが強みです。まずはお気軽にご相談ください。