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KPIツリーの作り方、コツ|KGI/KPIの違い、事例、ツールを解説

ビジネス成功を定義する上で必ずと言ってよいほど使用するKGI/KPI。KGI/KPIの立て方一つで事業の解像度や行う施策の質に関わる重要な指標です。

この記事ではKGI/KPIについてや、KPIを構造的に図化するKPIツリーの作り方をご紹介します。
特に後半では実務で活用できるよう、ビジネスモデル別のKPIツリーを作成しました。参考にしていただけると幸いです。

KGIとは

KGIとはKey Goal Indicator の略で、会社、事業、組織などビジネスの根幹となる重要目標達成指標を指します。
KGIはビジネスにおける成長結果を定量的に測る役割のため、営業利益、売上など、お金に直結しているケースが多いです。

弊社では経営指標となる売上、人が多いと売上が伸びるビジネスモデルのため採用人数をKGIとして置いています。

KPIとは

KPIは Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標を指します。
ビジネス成長の結果であるKGIを構成する指標に分解したものになります。

KPIを用いる具体例をご紹介しましょう。
例えば上司に「会社の利益を上げることが重要だ。だからなんとかして利益を上げてくれ!」
と頼まれたらどうでしょうか?普段の業務からはかけ離れていて、どうすれば利益が上がるのか想像がつかないですよね。
上司も部下が何をした結果利益を上げたのか、全くイメージがつかない状態…

そこで、売上を構成する重要評価指標、KPIを定めます。KPIによって、営業であれば受注金額や受注単価など、実務に近い状態の指標を把握することができます。
この様にKGIに向けてどの様な指標があるか、必要な単位まで分解し道筋を立てることがKPIの役割です。

KGI/KPIの違い

KGIとKPIの違いですが、一般的に最終的にビジネス成長に繋がったと言える結果をKGI、そのプロセスをKPIとして表します。

実務での使い分けについては企業によって異なります。
事業、組織単位で最上位の指標をKGIと表す企業もいれば、どの指標に対してもKPIと呼ぶ企業もあります。個人的な感覚としては後者が圧倒的に多い印象です。

どちらにしても、どのような目的でその指標を立てたのかを理解しておくことが大切です。

KPIツリーとは|KPI設定のコツ

ここからが本題になります。いざKPIを立てようと思っても立て方が難しいですよね。よくある疑問はこちら。

  • どの粒度でKPIを定めればよいかわからない
  • だぶん関係ある指標もあるけど入れてよいのか

KGIに対してどの様な指標を定めるべきか、構造的に分解して図化したものがKPIツリーです。KPIツリーを使えば、上の指標が何で構成されているのかを整理しながら把握することができます。具体的な分解方法のコツをご紹介します。

四則演算で足し上げられるか

KPIツリーを作る上で、下位のKPIを足し掛けすることで上位のKPIが算出できるようにします。1+1=3 は許されません。
具体例をあげてみましょう。あるサービスの購入数を伸ばしたい場合、「お気に入りをたくさん使ってる人は多分熱量が高いから重要だよ」と購入数の下位KPIとして定めました。
お気に入り数が伸びたら購入数が伸びるのでしょうか?この場合お気に入り数と購入数に因果関係は無いため、間違った指標となります。
購入数のKPIであれば、この様なイメージになります。

お気に入りなど最終的に関係のありそうな指標は、KPIに対して影響があるかもしれない『因子』として、分析を行います。そこでお気に入りが増える=KPIが増えると証明できれば、サブKPIとして扱っても問題ありません。
KPIに影響があるかの分析はロジックツリーを使って検証する必要があります。以下記事で詳細を御覧ください。

今回のKPIツリーにおいては、四則演算で計算できるもの、と覚えましょう。

定量的に表せるもの

数字では表せない曖昧な指標は使ってはいけません。
例えばサービスの反響など定性的な項目を扱いたい場合は、『SNSでのリツイート数』など、何かしら評価できるであろう定量データに置き換えましょう。

ただ、そもそも四則演算が難しい定性情報は分析対象の因子として扱い、KPIとしては使用することは稀です。初期段階では使わないようにしましょう。

KPIを設定する上での注意点

KPI設定時によくある失敗もあります。私の経験を元に失敗例もご紹介します。

KPIの単位が合っていない

KPIを作る上で単位に矛盾があるケースが見られます。

例えば上位のKPIが問い合わせユーザー数、下位のKPIがPVの場合。本来ユーザー単位で比較しなければいけないのに、ページを見た回数だけPVにカウントされてしまうので、KPI間の差がブレてしまいます。このブレがイレギュラーパターンなのか、課題があるか判断できません。

ノイズを減らすために単位を合わせましょう。単位を変えたい場合は四則演算で上位のKPIの単位と合わせましょう。

四則演算で単位を合わせる

KPIを立てることが目的になっている

目標を決めるためにとりあえずKPIを作成。作って満足。そしてその後業務で何にも使わないケースがよくあります。
大切なのはKPIを元に目標を定め、目標とのギャップを埋めるために仮説検証を行い、KPIとの差分を確認する、と、業務の武器として使うこと。KPIを立てる目的を明確にした上で活用しましょう。

そのKPIは誰の責任か明確ではない

KPIツリーは作成後各チームの目標として渡すことが一般的なのですが、経験上多くの企業でKPIの責任範囲が曖昧なまま渡してしまっています。例えば「営業が受注したあとの早期解約率は営業の責任?カスタマーサクセスの責任?」など。

責任範囲があいまいなKPIはほとんどのケースで施策がうまくいきません。(チーム間のコミュニケーションロスで施策が前に進まない、が正しい答えですが、、)
そのため、KPIを定めチームに渡す際は、どのチームの責任かを定めた上で渡しましょう。

KPIツリーの作り方

KPIツリーについてや設定する上でのコツを理解したところで、実際にKPIツリーを作ってみましょう。

今回はBtoBサービスにおける営業新規受注フローのKPIツリーを作成してみたいと思います。


まずはじめにKGIを定めます。営業新規受注におけるKGIは売上ですね。ここから四則演算できる指標に分解します。

  • 営業の売上は受注数が関係する
  • 受注数は新規商談数が関係する
  • 新規商談数はリード獲得数が関係する

これらを図化しましょう。

各指標に割合を掛けることで分解することができました。

この様に分解することで

  • 売上を伸ばす
    • 営業の受注単価を上げる
      • 高単価商品を作る
      • etc
    • 営業の受注率を上げる
      • 過去の失注ログを活用する
      • 商談パスの質を上げる
      • etc
    • 商談転換率を上げる
      • アポ調整のマニュアル化
      • 受注しやすい属性で優先度付をする
      • etc

の様に、KPIツリーから施策へと落とし、仮説検証を行うことができます。

ビジネスモデルごとのKPIツリー

ここからは代表的なビジネスモデルごとのKPIツリーをご紹介します。KPIツリーを作る上で参考にしていただければ幸いです。

クライアントワーク

クライアントワークのKPIツリー

クライアントワークは案件数と、案件を行う人数のリボン図となります。案件が取れても人がいないと受けられないですし、人がたくさんいても案件がないと売上はたちません。セールスチームとプロジェクトチーム(場合によっては人事)との連携が非常に重要なことがわかります。

弊社セブンデックスはこのクライアントワークのビジネスモデルを行っています。このビジネスモデルで実感するのは、人数に対して、特に新規(採用)獲得が大変です。
そのため弊社では獲得に至るまでの各KPIをロジックツリーで分解し仮説立て、実績を予測しながら検証サイクルを回すようにしています。
ちょっと生々しいですが(笑)、実際に事業戦略を立てる上で使っているより細かいKPIツリーを紹介します。
(実際は各KPIに前年度実績と今年度目標を持たせて管理しています。)

月額課金モデル

月額課金モデルは課金人数が重要です。課金人数を積み上げるには新規課金人数はもちろん、既存会員の継続/離脱が重要です。月額課金モデルのサービスが継続や離脱防止に力を入れてる意味がわかりますね。

会社よっては営業よりもCS(カスタマーサクセス)に力を入れ、積極的に解約防止施策を行っています。

メディア(広告収益型)

最後に広告収益型のメディアを見てみましょう。最後広告で売上を立てるためには入り口のセッションが大事。企業がSNSで話題になることや、SEOで検索上位を狙う理由はセッション経由で売上につなげるためです。

KPIツリー作成におすすめのツール

最後にKPIツリーを作る上でおすすめのツールをご紹介します。

Whimsical

今回紹介しているKPIツリーはすべてこのツールで作成しています。操作は直感的、レイアウトも自動で補正してくれるため非常に使いやすいツールです。

リアルタイム編集可能、外部公開も簡単に行えるので、個人の整理だけでなくチーム作業でも使えます。
弊社ではWhimsicalを有料契約しています。個人的にはマインドマップレイアウトが直感的にツリー構造を作れるのでおすすめです。

Miro

Miroはリアルタイム共有に特化したサービス。KPIツリー以外にも付箋やデジタルペンを使えたり、チームコラボレーション機能が充実しています。作ったKPIツリーを元に議論したい場合にはおすすめです。

リモートが一般的になった今、ホワイトボードの様に直感的にやり取りしたいけど難しい、そんなシーンが増えてきましたが、Moroだと解決できます。

便利な機能が多い一方で操作になれるのに多少時間がかかるため、多機能なMiro派かシンプルなWhimsical派で分かれることが多いです。個人的にはシンプルで操作性に優れているWhimsicalを推します!

MindNode

MindNodeはMac専用のアプリケーション。アプリなので操作はスムーズ。レイアウトの微調整も簡単に行なえます。
お試し期間終了後は有料サービスとなってしまいますが、買い切りなので追加費用はなし。Macを使っている方に人気のツールです。

まとめ

KPIツリーについてや、KPI設定のコツ、作り方をご紹介しました。
KPIを設定することはビジネスを行う上での評価軸となるため、初期に行うことが多いですし、かなり大事な作業です。
仮説検証プロセスを回す最初の一歩を踏み出すため、まずは紹介したビジネスモデルを元に、自社のKPIツリーを作ってみましょう!

事業/組織開発
アメリカ/ボストン生まれ。新卒のナビタイムジャパンでフロント/サーバーサイドエンジニアを経験後、グッドパッチでプロジェクトマネージャー、UXデザイナー、マーケティングを担当。2019年セブンデックスに入社。事業・組織開発として、マーケティング、プロジェクトグロースに従事。SalesfoceなどCRMを活用した事業支援を行なっている。