SFA/CRMの領域で圧倒的な地位を築き上げたサービスがSalesforce。拡張性や連携の豊富さから、日本郵政やソフトバンクなど、名だたる企業も導入する信頼性の高いサービスです。
Salesforce導入にあたっては、その拡張性から自社に合った機能カスタマイズするために開発支援会社への依頼が一般的です。
では開発を依頼して結果どうなっているかと言うと、全く活用できていないケースを本当によく目にするんですよね…
ではどんなケースが失敗するのか、本来何を支援してもらうべきなのか、最適なパートナーの選び方を実体験ベースで書きたいと思います。
目次
こんなSalesforce導入失敗事例が
SalesforceはSFA/CRMプラットフォームなので多機能。そのため「自分たちが使いやすいように機能を絞る」作業が必要になります。
もちろん知識の無い方でも相当な気合を入れればできるのですが、、多少エンジニアリングの知識がある人でも慣れるのに3ヶ月くらいかかるレベル。使いこなせないか、多少使えてもSalesforceに沿ったデータ設計ができずに、負債を作ってしまいます。
なので開発支援会社へ依頼するわけですが、依頼のしかたも注意が必要です。本当によくある依頼の失敗例がこちら。
- Salesforceのことがよくわからないので要望だけ伝えたら、本当に要望だけに沿って開発された
- 便利そうなパッケージを提案されたので導入したら、全く自社のセールスフローと合わなかった
- 浸透支援までやってくれるはずだったけど役割が曖昧で、結局使い方のマニュアルと1時間のオンボーディングで終わった
…どうでしょう。心当たりはありましたか?
「自社のことかも…」と感じた方は、次のセクションに進みましょう。
目的は導入ではなく、組織を変え、事業を伸ばすこと
改めて。
何故Salesforceを導入するのですか?
…「導入したいこと」が答えでは無いはずです。
- チーム間の連携を強化したい
- データを活用して契約獲得や継続利用を最適化したい
- PDCAサイクルを回せる強い組織を構築したい
- リード獲得から契約・請求管理まで、サービスに関わる全てを一元管理したい
Salesforceを使って、事業・組織を成長させることが目的のはず。
この目的達成のために、開発支援会社を決めるのですが、こんな意思決定をしていませんか?
「金額が安いから」
…
理想の開発支援プロセス
では、開発支援会社を決めるために、どんな開発支援が良いのか、理想のプロセスをご紹介します。個人的にはただの開発だけではなく、今回紹介することまで行ってくれるパートナー選定を強くおすすめします!
このセクションは弊社の導入事例をガンガン入れていきます。
事業責任者レベルの方とSalesforceを導入して何をしたいのかすり合わせる
まず最初に行うのが、意思決定者とのすり合わせ。Salesforceを現場に浸透させるには声強い人を味方につけることが本当に大事なんです!本当に。
改めて意思決定者がSalesforceを使ってどんなことをしたいか、そのために現状できてないことを漏れなくインタビューします。
弊社セブンデックスが支援した時は、代表取締役をランチに誘ってまで根掘り葉掘り聞きました。この時の状態としては、現場は運用変更に拒否感があったけど、経営層は課題感が強い。そして正しいのは経営層でした。
Salesfoceを使う前はスプレッドシートを活用。チームごとの情報は貯まるけど、分析はしづらいし、チーム同士で同じ項目を取っていたり、連携したほうが良さそうなのにできていなかったり。
導入成功の定義=導入してツール活用、チーム間連携によりパフォーマンスが上がり事業貢献すること
がこの段階で見えました。
全チームへの生の声をヒアリング
と言う、経営層の熱い想いを知った上で、現場の声を聞き、現状の運用、課題感を聞きます。経営層の理想と現場のギャップを埋める為に重要なプロセスとなります。
実際にヒアリングみると面白いことも発見できます。例えばSalesforceの良さがわかってないので移行が面倒、という意見はもちろん、「え、本当にやるんですか?知らなかった」みたいな話が出てきたり。笑
実は開発そのものより、Salesforce導入に誰も乗り気じゃない事の方が課題、なんてこともヒアリングから把握できたりします。
現場へSalesforceを導入する意義を布教
トップダウンで強制しつつも、定着には現場の協力も欠かせません。全員で導入にベクトルが向くように、今の状態の何が課題で導入することでどう変わるか、社内布教活動が必要です。
もし社内のキーマンが行ってくれるなら良いのですが、できなければ開発支援会社にプロの知見から話してもらう必要があります。
布教活動するだけでコミュニケーションコストが爆発的に減るので、かなり大事なプロセスです。
既存運用を変える交渉
導入にあたって壁になるのが既存運用との整合性。
特に必ず起こる商品設計問題を例にしましょう。
Salesforceでは商品は商品マスタで扱うのですが、適切な商品設計がされていないとSalesforceで扱えません。
- 定価がない
- 営業の独断で割引をしている
- 商品の期間に関係なく変更を加える
- 基本プランとオプション込みプランが混在している
- 分割や前払い後払いのルールが統一されていない
- 「その他」的な商品が存在する
商品マスタの例外となるイレギュラーケースが1つでもあると、扱えない/扱うために膨大な開発が必要になるし、負債にもなります。
ただ言われて作るのではなく、長期を見据えて的確に提案、対等に交渉してくれる開発支援会社は頼もしいです。
データライフサイクルを意識したセールスプロセス設計
Salesforce導入で欠かせないのがデータ設計。
しかるべきタイミングで情報を取得し活用します。
設計が適切であれば、「過去似たような商談の受注失注傾向を見てアプローチ方法を変える」、「この行動をする会社は解約リスクが高いのでフォロー回数を増やす」など、データドリブンでの意思決定ができます。
データ取得にあたって、事業が追うべきKPI、KPIに紐づくKDI、相関関係のありそうな因子と、整理しながらの設計が必要です。設計一つで今後の組織パフォーマンスに影響する非常に重要なプロセスなので、どれだけ理想の状態を意識して設計してくれるか、開発支援会社の腕の見せどころです!
プロトタイピング
いきなり100点だと思うものを作り上げてしまうと実態と異なっていた時に手戻りができない/工数がかかってしまいます。
特にSalesforceは既存運用を代替するため、現場とのギャップが生まれやすいんですよね。このギャップを素早く埋めるためにも、プロトタイピングは必須です。
プロトタイプでは最低限の機能を実装。現場メンバーに使用してもらいフィードバックからどう作り上げていくかを決めます。完成の方向性は大きく3つ
- 新しいきれいな運用に現場を合わせてもらう
- 一部既存の運用に合わせる
- 既存の運用に合わせる(ただし今後負の遺産になることが多いので、納得するまで交渉する)
ここでも最適解が既存運用でなければ負債を作りかねないので、交渉力が大事になります。
がっつり定着支援
正直、Salesforceの開発が終わった所からが本当のスタートと言っても過言ではありません。これを現場メンバー全員が使いこなせなければ、理想の形には届かないのです。
運用開始後、1番起こるのが入力リテラシーの違いによる情報差分。そもそも入力しない、入力が遅い、適当に入力するなど。
目線を合わせるためにこんな施策が一般的です。
- ソフトな対応:その情報を入れるとどれだけメリットがあるか、入力の意義を伝える
- ハードな対応:入力チェックや、マネージャー向けに未入力把握レポートを作成する
一般的にはハードな対応を行おうとしますが、本質的ではありません。その情報を入れることで自分たちの組織、事業がどれだけ良くなるのか、全員が理解するまで伝え続ける必要があります。
弊社が支援した時は、全チームの定例会議に出席して布教する、個別に相談時間を設ける、自分から「どうですか?」と話しかけに行く、をひたすら繰り返して定着まで支援しました。
寄り添うパートナーを選んでほしい
ここまで理想のSalesforce導入プロセスをご紹介しました。
最後に開発支援会社の決め方ですが、どれだけ寄り添ってくれるかに尽きます。
いくら価格が安くてもSalesforceで成し遂げたいことが実現できないのであれば意味がありません。自分たちの課題を咀嚼、理解し、最適解を提示してくれる「この人達となら一緒に課題を解決できる!」と思った開発支援会社を選びましょう。
弊社セブンデックスでも「事業/組織成長にコミットするマーケティングパートナー」として、Salesforceを活用したDX支援を行っています。
Salesforceの導入/活用でお困りの際はぜひお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。
支援内容詳細については、以下でご紹介しています。