「この会議長いな。今何を話しているんだろう。どうやって決めればいいんだろう。」
長い会議に辟易としたことがある人も少なくないはず。
誰も長い会議をしたいわけではないのに
ついつい長引いてしまったり、話がまとまらなかったり。
時間がたてばたつほど、集中力が切れ、何も決まらずに中途半端に終わることが少なくないと思います。
今はオンラインで会議が行われる時代。オフィスですれ違ったときに、少し話せば解決できていたことも、話す時間をわざわざセッティングしなければならなくなりました。
では、どのように会議を進行すれば、スムーズに長引かずに終えることができるのでしょうか。
ゴールを文言レベルで明確にする
「何を決定するのか」のアウトプットイメージは全員で揃えられていますか?
会議の目的は「プロジェクトの進捗を報告する」「上司から承認を得たり、検討してもらう」「方向性の意思決定を行う」「アイデアのブレスト」など、様々な目的があります。どんな目的であったとしても「どんな状態になった時」「何を決めれば」この会議は終わるのかを全員で揃えておくことが大事です。
目的はできるだけ全員で同じイメージを持てるところまで認識を揃えられると、同じ方向性に向かって議論しやすくなります。
例)採用がうまく行っていないので課題を明確にしたい
→採用がうまくいっていないので、採用フローの中のどのフェーズに課題があるかを明確にする。その上で課題の解決策、担当者とその施策の期日を決める。
会議のゴールが全員で揃えられていない場合、それぞれが出す観点が違ってきたり、議論の順序も変わってきたりします。逆に、全員でゴールが明確に揃えられていれば、同じ方向を見て話すことができるので時間短縮にもつながります。
全員でゴールが揃っているか不安な時は「ゴールのイメージは〇〇でいいかな?」と聞いてみるといいかもしれません。
人数が多い会議であればあるほどゴールの確認が大事になってきます。
議論の前提を組み立てる
ゴールを揃えることができたら、次はどのように会議を進行していくかです。ゴールに向かうために解決すべき「論点」と「議論する順番」を決めていきます。
例えば「まだ決まっていない社内旅行について、詳細にプランを立てること。」がミーティングの目的だったとします。ここでのミーティングのゴールは「行き先」「予算」「宿泊先」が最低限決定することです。
では議論のゴールを達成するため、解決すべき論点は何でしょうか。 まずは論点を整理してみます。
ここで出てきた論点を確認すると「Aが決まらないと話せないB」が出てきたことがわかります。
目的が「まだ決まっていない社内旅行について、詳細にプランを立てること。」だった時、まずは「どこ行く?」から議論は始まりそうですが、場所を決めるにはそもそも「予算・泊まるor日帰り」が決まっていないと決められません。
このように、議論の目的を達成するにはゴールに到達する順序も大事になってきます。
では、議論の前提を見つけて論点が整理できたので、それをもとに議論する順序を決定します。
ここまで決まっていれば、あとは順序にそって話すだけです。
ただ、この順序はトライ&エラーです。初めて話す議題であればあるほど、話す順序や論点の精査が難しくなります。見てきたものや、考えてきたことが違う人が集まっているミーティングでいきなりスムーズにいくことはなかなかなさそうです。
この順序で議論したらスムーズなのでは? というたたきを作り、プロセスそのものをミーティング前に全員に共有し承認を得る。それでも、議論してみてダメだったらそこでまた考え直していくことが大事です。
具体と抽象を使いこなす
「なんだか話が噛み合わないな」「この人が何を話しているかわからない」といった場面に遭遇したことはありませんか?
議論の中で、それぞれが使っている言葉は同じでも、伝えたいことやその言葉へ抱いているイメージが違っていることがあります。私たちは無意識に、「具体」「抽象」を使い分け、両者の間を行ったり来たりしながら話していますが、個々人によって、持っている抽象・具体のレベル感は違っています。
図のように、どんな事象をとっても具体なのか抽象なのかは出ている事象の「関係性」によって変わってきます。
誰が悪いわけでもなく、所属してきた環境によって大きく違いが出てくる部分です。
では、持っている抽象と具体が違う人同士が話し合うにはどのようにすり合わせていけばいいのでしょうか。よくあるような「よいプロダクトとは何か」という議論で考えてみましょう。
抽象度が高い話であればあるほど「何について今話してるのか」がわからなくなることはあるあるだと思います。それぞれの価値観が反映される議題であればあるほど、何が正しいか何を話すべきかはなかなか見えにくいです。
そこで、議論の内容を整理してみます。
このように図解してみると、全員が違うことを話しているように見えて、同じことを話していることがわかります。ここまで書いてきた、目的・議論の前提・話す順序が揃っているのであれば、話している内容が明らかに間違っている場合は少ないはず。
「この人何を言ってるかわからない」となった時は「こういう意味ですか?」と聞き返してみることや全員で図解しながら粒度を揃えていくと、全員が同じ抽象度で話し合いしやすくなります。
最後に
「この会議は何のため?」「今何を話せばいいんだろう」「何を言っているのかわからない」
誰でもこのような状況が続くと疲れてしまいますし、少なからずフラストレーションが溜まると思います。自分のいる立場や相手との関係性によっては、今回上げた方法も実践することが難しい場合もあると思います。
そういった時でも会議は仕事をしている限り行われるので、少しずつ前を向けるように「どうしたらこの会議はよくなるだろう」と考え続けることが大事なのかもしれません。