今や、企業がSNSアカウントを持つことは、当たり前になってきています。
しかし、SNSの運用は、それぞれの企業によって違いますし、何を参考にしたらいいのかわからないですよね。
そこで、今回は、“ブランディング”という視点から、企業のSNSアカウントの成功事例を紹介していきたいと思います。
目次
SNSにおけるブランディング効果とは?
企業のSNSの活用というと、商品情報の発信や、キャンペーンなどをイメージされると思います。
しかし、それだけでなく、持続的にユーザーと近い距離感で“その企業らしさ”を発信できる点で言えば、SNSは、ブランディングに効果的です。
人は、文字情報よりもビジュアルイメージの方が記憶に残りやすいと言われています。
このことを踏まえると、Instagramなどの持続的にビジュアルイメージを発信し続けられるSNSは、独自のブランド価値をユーザーに浸透させるのに最適なのではないでしょうか。
成功事例
宣伝効果を狙うだけでなく、独自のブランドを浸透させる一つの手段としてSNSを有効活用している事例を、Instagramを中心にいくつか紹介していきます。
Relux
Reluxは、厳選されたホテルを取り扱う宿泊予約サービスです。
ReluxのInstagramは、30万人以上と、他の宿泊サービスよりも多くのフォロワーがいます。
投稿は、Reluxで予約することのできるホテルと、そこから見える絶景が中心に紹介されたものが多いです。
開放感のある景色と、カジュアルさをあまり感じさせない高級感のあるホテルの写真から、Relux独自の世界観をイメージすることができます。
まさに、relax(安息)、luxury(贅沢)といったコンセプトが一目で感じることのできるInstagramは、ブランディングの成功例と言えるでしょう。
ゼスプリキウイ
ゼスプリは、CMなどでお馴染みのキウイブランドです。
Instagramは、28万人近くのフォロワーがいます。
投稿は、キウイを使ったレシピが中心に紹介されたものが中心になっています。
キャラクターを用いた、ポップでカラフルな写真からは、ゼスプリキウイが届ける、「ヘルシーな生活をもっとワクワクさせたい」といったコンセプトが表れています。
また、親子の写真が起用されているなど、全体的に親しみやすい雰囲気を感じることができます。
このような家族層をターゲットとしたイメージ戦略が、多くの人に愛されるブランディングを成功させていると言えるでしょう。
Red Bull
「翼をさずける」でお馴染みのRed Bullは、SNSに関わらず、戦略的にブランディングを行っている企業だと言えます。
例えば、Red Bullの広告で、「カフェイン○mg配合」などといった商品の機能性について訴求するものは見たことないですよね。
このようなことから、Red Bullは、エナジードリンクを飲んだ時の“翼をさずかった”というエキサイティングな“体験”を独自のブランド価値としていることがわかります。
SNSにもこのコンセプトが表れているものが多いです。
Instagramの投稿には、スポーツ選手の練習風景の動画がよく投稿されています。
選手たちが苦しみながらがむしゃらに這い上がっていこうとする姿は、Red Bullの体験価値を感じさせるものになっているのではないでしょうか。
トンボ鉛筆
トンボ鉛筆は、文房具ブランドとして有名なブランドですよね。
実は、文房具ブランドながら、13万人以上もののフォロワーを有しています。
投稿された手書きの絵、カラフルな文具からは、文房具の“楽しさ”を感じることができます。
文房具の商品紹介や、情報だけでなく、その文房具が届ける独自の体験価値が表れていることにブランディングの成功の鍵があると言えます。
ブルーボトルコーヒージャパン
ブルーボトルコーヒージャパンのInstagramのアカウントは、約21万人と多くのフォロワーがいます。
白を基調としたシンプルな写真が使われた投稿からは、ブルーボトルコーヒーならではの“清潔感”や、“丁寧さ”といったイメージが伝わります。
これらの投稿からは、ブルーボトルコーヒーが理念として掲げるホスピタリティという面での強みが、ビジュアルイメージとして伝わってきます。
このように、企業が提供したいサービスのイメージがユーザーと一致するのは、ブランディングの成功だと言えるのではないでしょうか。
和栗専門 紗織ーさをりー
紗織は、2019年にオープンした京都にある人気のモンブラン専門店です。
直径1ミリの繊細な最高級丹波栗のモンブランを食べることのできる唯一のブランドである紗織は、最近オープンしたにも関わらず、Instagramのフォロワーが3万人以上います。
投稿は主に、薄暗い背景に、モンブランの写真が載せられた写真が中心に紹介されています。
また、オリジナルの製造機で実際にモンブランが作られた写真の投稿が特徴的です。
これらの投稿からは、カジュアルさや、親しみやすさというよりは、特別感や、高級感のある雰囲気を感じることができます。
このような、人の興味を惹きつける投稿に、独自のモンブラン専門店というブランドとしての価値が良く表れていると言えます。
無印良品
無印良品の公式アカウントは、248万人以上と世界的に非常に多くのフォロワーがいます。
投稿を見ていただくとわかるのですが、無印良品のアカウントは非常に個性的です。
上の投稿は、「気持ちいいのはなぜだろう」をテーマに投稿されたものです。
このように、商品をただ紹介するのではなく、商品の品質に訴求した投稿がされています。
品質へのこだわりなど、ブランド価値の共感を狙ったInstagramは、無印良品の強みが表れているブランディングの成功例だと言えます。
MR.CHEESECAKE
MR.CHEESECAKEのInstagramは、チーズケーキのアレンジレシピなど、様々なお菓子の作り方が投稿されています。
これらの投稿から伝わるのは、そのブランドの商品がある“暮らし”です。
ここにMR.CHEESECAKEの体験を提供するライフスタイルブランドとしての価値が表れています。
ハーゲンダッツ
ハーゲンダッツは、SNSの媒体によってブランディング方法を変えています。
ハーゲンダッツと言えば、“プチ贅沢”、“特別感”といったイメージがあると思います。
TwitterとInstagramを比較してみると、Twitterの方は、商品の特徴がわかりやすいもの、Instagramは、“映え”を意識した商品画像が使われています。
媒体によって、商品のブランディング方法は違うにも関わらず、ハーゲンダッツの持つ“プチ贅沢”、“特別感”といったブランド価値は、どちらからも感じることができます。
まとめ
ここまで成功事例をいくつか紹介してきましたが、参考になるものはあったでしょうか。
どのSNSブランディングの成功事例にも共通するのは、そのブランド独自のコンセプトや体験価値が、ビジュアルイメージとして伝わるものであること、また、そのイメージが共感を得やすいコンテンツとして投稿されていることだと思いました。
こういった投稿を、継続的に発信することは、ブランドを浸透させるだけでなく、ブランドイメージの向上や、再認識にも繋がります。
今回紹介したSNSブランディングの成功例を参考に、自社のSNSを見直してみてはいかがでしょうか。