みなさんは普段、どんな形でデザインのインプットをしていますか?
Pinterestやdribble、デザインギャラリーサイトなどでインプットする方も多いかと思います。インスピレーションを受けたいときや、新しい刺激が欲しいとき、私は海外の事例も参考にしながらインプットの幅を広げています。
今回はブランドガイドラインに特化して、事例を交えながら海外のブランドスタイルガイドをご紹介します。
ブランドガイドラインとは
ブランドガイドラインとは、企業、事業、サービスのブランディングの構成、デザイン、および一般的なルックアンドフィールを設定するものです。
ガイドラインを定めた背景や目的は、企業やサービスによって様々ですが、ガイドラインがあることでビジュアルに一貫性があり、ステークホルダーの記憶に残るブランドを構築することができます。
それでは、海外の事例を1つずつ見ていきましょう!
海外のブランドガイドライン7選
Medium
Mediumは最初に会社の目的に触れた後、サービスが定めた製品原則について明言し、ロゴのサイズや配置、カラーコードを公開しています。その後に続く、タイポグラフィと配色について丁寧に説明しています。
メディアコンテンツに大きく関わってくる文章の読みやすさが影響しているのか、タイポグラフィと色に重きを置いたブランドスタイルガイドを公開しています。
https://www.behance.net/gallery/7226653/Medium-Brand-Development
ヘルシンキ芸術大学
こちらは従来のマーケティングガイドよりも、クリエイティブなブランドガイドラインになっています。
アニメーションを含むロゴの使用例を多数公開しています。グラフィック要素が大半を占めており、今回紹介する事例の中では一番ビジュアルに力を入れているガイドラインだと思います。
https://www.behance.net/gallery/11219015/University-of-the-Arts-Helsinki
Cisco
シスコはカリフォルニアに本社があるコンピュータネットワーク機器開発会社です。
ビジョンからガイドラインまで記載された独自のインタラクティブなブランドページを設けています。
ロゴ=自分たちの旗と考えており、ロゴがどのような存在であるかをメッセージで伝えています。またサービス独自の書体「CiscoSans」を制作・使用するなどタイポグラフィにも拘りながら、ブランドのビジョン、使命、戦略、ブランドプロミスまで丁寧にブランドを構築している様子が伺えます。
https://www.cisco.com/c/en/us/about/brand-center.html
Spotify
Spotifyのロゴは、緑を使った一見シンプルなロゴに見えますが、Spotifyしか使っていないSpotify Greenなる色が存在します。
Spotifyのカラーパレットには3つのカラーコードがあり、それらの色はガイドラインに沿って使用可能です。このカラーパレットに工夫が込められており、私たちが使ってもいいとされているカラーパレットに表示されている緑は、アクセシビリティと可読性を担保して、色味が調整されたカラーコードになっています。
https://developer.spotify.com/documentation/general/design-and-branding/
Netflix
Netflixは主にロゴの取り扱いに重点を置いています。
赤色と大文字のロゴが有名ですが、書体サイズや間隔、配置、背景色のコントラスト比率についての一連のルールと、ロゴに使われているNetflix redとよばれる単一のカラーコードを提供しています。
もう一つ、Netflixでコンテンツを再生するときやCMの最後に表示されるNマーク(シンボル)についてもNetflix redとシンボルに使われるダークレッドのカラーコードを提供しています。
https://brand.netflix.com/en/assets/brand-symbol/
Starbucks
ロゴ、フォント、アセット、イラストを集めたページになっています。トーンオブボイスについての説明文と事例を交えながら公開しており、Starbucksの独特の世界観を構築するためのtipsも学ぶことができます。加えて、本サイトのインタラクションが優れていて、何より閲覧するだけでとても楽しいです。
https://creative.starbucks.com/
NASA
最後は、宇宙開発に関わるアメリカの連邦機関NASAです。NASAの「The NASA Graphics Standards Manual」と称された本は220ページにも及びます。
内容は、多数のロゴの配置、色の使用などが記されており、NASAのスペースシャトルには独自のブランドルールがあることが伺えます。
https://standardsmanual.com/products/nasa-graphics-standards-manual
おわりに
今回は7つの事例をご紹介しました。ビジュアルだけでなく、その裏にあるビジュアルに込められた想いや理論にも触れることは良質なアウトプットを出すためのヒントになります。
他にも巧みに構築されたブランドと、そのガイドラインを公開している企業が多数あるので、ぜひ続編もご期待ください!