プロジェクトにおけるコミュニケーションには、日々の報告や相談など単純で頻度が高いものから、成果物の報告を含むプロジェクト方針の意思決定やトラブルの解決など複雑性や重要度が高いものまで、様々なものが含まれます。それぞれについて、どういったツールを使って、どのようにコミュニケーションを行うかの計画を、コミュニケーションルールと言います。
セブンデックスでは、プロジェクト開始時にコミュニケーションルールを決めています。初めて同じチームを組むメンバー同士でプロジェクトをスムーズに運用するために、円滑なコミュニケーションが不可欠なためです。
この記事では、実際のプロジェクトでの実績も紹介しながら、セブンデックスとクライアントがどのように情報をやりとりしながらプロジェクトを進めているかをご紹介します。
目次
プロジェクトの一般的な進め方
まず、プロジェクト開始前に数回ヒアリングの場を設定します。その時間では、プロジェクトの目的や背景から、レポーティングラインなど運用に関わる体制まで、プロジェクトの進め方に関わる情報をクライアントにヒアリングします。
伺った内容から、プロジェクトのゴールやプロセスなど、計画を作成します。その計画の一部として、必要な打ち合わせの種類や頻度、提出する資料の形式などを含めたコミュニケーションルールを検討し、ご提案します。
実際にプロジェクトが始まった際には、チャットツールやオンラインミーティングツールなどを使ってコミュニケーションを行います。
チャットツール
チャットツールでは、細々としたご依頼やご確認などの連絡を行います。セブンデックスでは、slackをご用意しております。
slackには、チャンネル、スレッド機能、メンション機能、スタンプ機能など、基本的なチャットツールの機能は一通りついています。メッセージをピン留めしたり、ヘッダーへURLをブックマークしておける、関連ファイル機能もあります。
細かい話でも素早く反応ができるのが利点です。
また、slackをより効率的に使用するために、クライアントとのコミュニケーションは#general、#会議調整・議事録、#projectの3つのチャンネルを使い分けています。
▼各チャンネルの概要
- #generalチャンネル
契約に関わるやり取りや、ご予算に関わる相談事、NPS調査への協力ご依頼など、あまり流れてほしくないやり取りを行います。
- #project
資料のご共有やプロジェクトの疑問点解消、ご要望の受付などをしています。
ペルソナやUIなどの成果物についてご確認の依頼をさせていただいただいたり、新しい資料の作成などの各種ご要望をいただくことがございます。
- #会議調整•議事録チャンネル
打ち合わせに関わるやり取りを行います。アジェンダや議事録を時系列に従って見直せるようにしております。会議前にはアジェンダの共有、会議後には議事録の共有を行います。
上記に加え、関係者が多くなると、開発に関わる方のチャンネルなど適宜増やし、最適化した体制を準備します。
オンラインミーティングツール
複雑な内容の報告や合意形成の場としては、オンラインミーティングツールを利用します。セブンデックスでは、Google meetをご用意しています。
Googie meet では、同じURLでいつでも何度でも実施できるため、slackの関連ページ機能などを利用して、すぐにお打ち合わせを始められるという特徴があります。
メンバー間のお打ち合わせのほか、意思決定者や関連部署の方への報告のためのお打ち合わせを実施することがあります。それぞれご要望に合わせて、ミーティングの頻度や内容を調整いたします。
具体的な事例
実際に提案させていただいたコミュニケーションルールの一例をご紹介します。
事例1:最速で進めることが求められた案件の場合
新しくリリースするサービスのUI作成をとにかく最速で進めたいというご依頼の場合は、30分〜1時間程度の短時間で、頻繁に意思決定者とのミーティングを実施しました。共有資料も時間をかけて作成するのではなく、編集中のファイルを直接ご覧いただきながらご説明し、フィードバックをいただきながら改善して納品するという方法をとりました。
ミーティングが不規則になってしまうため、プロジェクト開始時に、プロジェクト終了までの会議の日程をご共有し、変更があったタイミングで都度お知らせするという方法で日程調整をしていました。
事例2:意思決定者のお時間をいただきにくい案件の事例
プロジェクトオーナーである意思決定者がお忙しく、打ち合わせのお時間を作れないプロジェクトでは、通常より実務メンバーとのミーティング頻度を増やしたり、Slackなどチャットツールでの報告を活用することで、情報共有のコストを削減する計画を立てました。
また、意思決定者の方に提案を行う際には、現場メンバーとすり合わせをして合意を取った上でご提案をするすることが求められていました。したがって、プロジェクトオーナーの方から直接フィードバックをいただける回数が少なくても齟齬が生まれないよう、現場メンバーの方と通常より密に連携をとれるようミーティングを設計しました。
具体的には、週2回現場の方と15分ほどの打ち合わせを通して、プロジェクトへの違和感や不安をいち早くキャッチアップするよう務めたり、互いに依頼のやり取りを行いました。
また、プロジェクトオーナーの方へ成果物や報告を行う前には、必ず30分〜1時間の現場mtgを実施し、品質や違いが持っている情報のすり合わせを実施し、その上で、プロジェクトオーナーが出席するお打ち合わせの際は、お打ち合わせにかかる時間の短縮や意思決定をスムーズに行えるように、前日にはslackで使用する資料を展開することを決めていました。
コミュニケーションルールを定めることのメリット
コミュニケーション計画を定めることで、クライアントの求める品質の報告を確かめられたり、理解度に合わせた説明を調整しながらプロジェクトを進めることができます。
ご紹介させていただいた事例以外にも、プロジェクトオーナーの他に重要なステークホルダーに報告が必要な場合や、実務メンバーと共に一つ一つのプロセスを伴走する場合など、様々なご要望に合わせて最適な計画が変わってきます。プロジェクト開始前には、クライアントが望むプロジェクトとの関わり方や重視したいステークホルダーなど、進め方の希望をヒアリングし初期にルール策定することで、最適なコミュニケーションルールを設定することができます。
もちろんプロジェクト開始後にルールを追加で策定することもあります。実際に、クライアントのご希望でTeamsを利用していたところ、特定の条件で音声に乱れが生じるというトラブルが起きたため、トラブルが予測される時のみGooglemeetに変更をしたこともあります。他にもプロジェクトの状態に合わせて、ミーティングの頻度や時間なども、状況に応じて柔軟なルール変更を行います。
適切なコミュニケーションルールを設定し、クライアントの希望を叶えるプロジェクト進行を実現しましょう!