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【テンプレート付き】バリュープロポジションとは?目的や事例を紹介!

バリュープロポジションとは、「自社が提供でき、競合他社が提供できず、顧客が望む価値提供」と定義されます。

バリュープロポジションが明確なプロダクトほど、事業としてのPMFがしやすくなったり、投資家から出資を受けるためのアピールポイントを作ることができます。そして、バリュープロポジションをもとに企業・採用ブランディングを行うことで競合優位性を築くことが可能です。

今回の記事では、バリュープロポジションの目的や作り方、そしてバリュープロポジションキャンバスのテンプレートの配布をしていますので、最後までぜひご覧ください。

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バリュープロポジションとは?

バリュープロポジション

バリュープロポジションとは、「自社が提供でき、競合他社が提供できず、顧客が望む価値提供」のことを指します。

バリュープロポジションを明確にすることで、会社として尖らし、アプローチすべきポイントを把握することができます。

バリュープロポジションの目的

バリュープロポジションを明確にした上で、どんなことに役に立つのでしょうか??

以下の使用ケースが考えられます。

  • 新規事業立ち上げの際に、自社のバリュープロポジションを組み込んで展開したい
  • 投資家に対して自社サービスのアピールポイントを明確にしたい
  • 事業・マーケティング戦略を考えるときに自社のメッセージが顧客にとって価値のあるものかを再認識したい
  • 企業・採用ブランディングをする際に競合優位な自社の魅力を伝えたい

バリュープロポジションキャンバスとは?違いを解説!

バリュープロポジションとバリュープロポジションキャンバスの違いとは何でしょうか?

バリュープロポジションとバリュープロポジションキャンバス

両方とも顧客に提供する価値を明確にすることを目的としていますが、具体的には以下のように違いがあります。

バリュープロポジション

顧客にどのような価値を提供するべきかを大枠で捉えられる。主に、顧客へ伝えるキーメッセージを抽出するときなど、コミュニケーションなどに役立つ。

バリュープロポジションキャンバス

顧客にどのような価値を提供するべきかをより詳細にペルソナ単位で細分化できる。主に、自社サービスが顧客のニーズや市場の需要を満たすように設計されていることを確認するために使用される。より顧客の理解を深め、詳細に突き詰めたいときに使われる。

バリュープロポジションのテンプレートと作り方

ここではバリュープロポジションの作り方やポイントを解説していきます。テンプレートも配布しておりますので、ぜひご活用ください。

テンプレ

▼バリュープロポジションのテンプレートはこちらから。

作り方

ペルソナとバリュープロポジション

1. 顧客セグメントの設定

3C分析をもとに市場や顧客について考える前に、顧客セグメントを明文化します。

まず顧客が誰であるかを特定することで、どの顧客に対してのバリュープロポジションなのかを明確にすることができます。

▼ペルソナ設定に関しては以下の記事を参考にしてみてください。

ペルソナ策定ガイド|作り方の解説とビジネス別の例を紹介|セブンデックス

2. 顧客が自社に望む価値

次に顧客がどんな価値を望んでいるのかを洗い出していきます。顧客が自社に望む価値を最初に明文化することで、顧客に対して大きくずれたバリュープロポジションになることを防ぐことが可能です。

3. 自社が提供できる価値

顧客が望む価値を可視化することができたら、自社が提供できる価値を洗い出していきます。あくまで顧客のペインがあるところにしか価値は生まれないので、顧客のペインとペインを解消する自社のサービスに整合性があるかを確認します。

4. 競合が提供できない価値

最後に競合優位性を見つけていきます。顧客のペインを解消する価値を提供できているだけでは、バリュープロポジションとは言えません。そのため、競合には提供できない価値は何かを洗い出すことが重要です。

上記のプロセスでバリュープロポジションを明確にしていきます。

ポイント

1. 顧客が自社に望んでいる価値を捉える方法

顧客が自社に望んでいる価値を可視化することは最も重要なプロセスです。主に以下の方法を用いて、適切に価値を洗い出しましょう。

  • 顧客インタビュー
  • マーケティングオートメーションの顧客データ
  • アンケートを取る
  • 顧客データの分析

2. Must haveな価値を提供する

顧客の課題に対しての提供価値が、Nice to have(あったら嬉しいもの)な価値かMust have(なくてはならないもの)な価値かを明確にすることが大事です。

Must haveな価値を提供することがより強いバリュープロポジションを確立することに繋がるので、Must haveな価値を念頭に可視化していきましょう。Must haveな価値は以下のような点で判断することが可能です。

  • 緊急性の高い課題に対する解決策か。

今すぐにその課題を解決する必要性があるもの。ex) コロナによって緊急事態宣言が出されたことでリモートで仕事をすることが求められた際にzoomが一気に普及した。

  • 経済的なインパクトの大きい解決策か。

一度その課題を解決したときに、どれだけ多くの影響を及ぼすか。ex) 目の前の顧客の価値の大きさだけでなく、どれくらい多くの人が同じ課題を抱えているか。

  • 頻度の高い課題に対する解決策か。

留学や結婚などの人生で数回しかないライフイベントではなく、頻度が高い課題か。ex) Googleドキュメントで議事録をまとめたり、Freeeでの経理業務など

これらのようにMust haveな価値を追い求めることで、より洗練されたバリュープロポジションを明確にすることができます。

3. 必ず上記のプロセス通りに進めること

バリュープロポジション

バリュープロポジションを作る際に起こりがちな問題としては、自社の伝えたい想いが先行してしまうことや、既存のアセットに引っ張られてしまうことの2点が考えられます。

そのため、①の顧客が望んでいる価値を中心にその他の自社が提供できる価値や競合が提供できる価値を洗い出していくことが重要になります。そして、①の顧客が望んでいる価値にズレがなければ、バリュープロポジションに大きなズレは生じなくなります。

バリュープロポジションキャンバスのテンプレートと作り方

テンプレ

▼バリュープロポジションキャンバスのテンプレートはこちらから。

作り方

ここではバリュープロポジションの作り方を解説していきます。先述した通り、バリュープロポジションキャンバスはバリュープロポジションより、詳細に顧客セグメントを突き詰めることができるフレームワークです。

バリュープロポジションキャンバス

①顧客セグメント

顧客が解決したい課題:ユーザーが達成したいタスク

顧客の利得:顧客の仕事に関連してユーザーが望み、期待する結果

顧客の悩み:顧客の仕事を達成するための障害になるもの

最初に、顧客セグメントを埋めることで、実際の顧客がどういった課題や懸念点を持っているのか?複数のペルソナを元に顧客セグメントの詳細を理解していきます。

②バリュープロポジション

製品やサービス:カスタマープロファイルに対応して提供する機能

顧客の利得をもたらすもの:顧客の利得を作り出すことができる製品やサービスの価値

顧客の悩みを取り除くもの:顧客の悩みを取り除くことができるプロダクトの価値

続くバリュープロポジションでは右側の顧客セグメントで洗い出した、顧客の課題に対してどんな価値を提供することが適切かを可視化していきます。

ポイント

1. 顧客セグメントとバリュープロポジションの整合性を確認する

全ての項目が埋め終わったら、右側に埋めた顧客セグメントに対して、左側の提案する価値が整合しているかを確認します。このとき整合性が取れていなかった場合は、整合性が取れるまで修正を繰り返しましょう。

顧客セグメントとバリュープロポジションを行き来しながら、整合性を確認し、徐々に粒度を細かくしていくことが大切です。

2. バリュープロポジションはたくさん発送し、最適なものを選ぶ

顧客セグメントで洗い出した顧客の課題に対して、バリュープロポジションを出す時は一貫性を維持しながらもなるべく発散していきます。一つの課題に対して解決するための価値は複数に渡るので、数多く出してから絞り込んでいくことが重要です。

バリュープロポジションキャンバスの作成事例

ここでは、実際に使用されたバリュープロポジションマップの作成事例を紹介してきます。

Tesla

Teslaのバリュープロポジションキャンバス

Apple pay

アップルペイのバリュープロポジションキャンバス

Airbnb

Airbinbのバリュープロポジションキャンバス

バリュープロポジションのおすすめの本

ここではバリュプロポジションを作る際におすすめの本を紹介していきます。これらの本は、実際に解像度高くバリュプロポジションを作成していく上で役立ちます。

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

「価値創造のパターン」を目に見えるようにすることで、顧客にとってなにより大切な、やるべき仕事、ペイン(痛み)、ゲイン(利得)をズバリと解決するような提案が顧客にできるようになります。つまり利益の出るビジネスモデルを上手にデザインすることができるようになります。

バリュー・プロポジションのつくり方 顧客の価値を「状況」で考えればプロダクト・サービス開発はうまくいく

バリュー・プロポジションのつくり方 顧客の価値を「状況」で考えればプロダクト・サービス開発はうまくいく

新規事業開発によって新しい事業やプロダクト・サービスを企画しますが、その多くが顧客に使われないまま収益化できずに頓挫してしまいます。なぜなら、顧客が価値を感じられるもの=バリュー・プロポジションが生み出されていないからです。顧客に価値を感じてもらうには「いま顧客はどのような状況にいるのか?」を正しくつかむ必要があります。そこで本書では、膨大な数の顧客調査を行い、顧客が本当に求めている体験・アイデアを提案してきた著者らがバリュー・プロポジションのつくり方を具体的に、かつ丁寧に解説されています。

バリュープロポジション経営の実践

バリュープロポジション経営の実践

創業以来一度の赤字もなく経営を継続させているアシックス商事の前社長が語る創業の理念経営を継承しつつ、顧客の望む価値・ニーズに向き合う「バリュープロポジション経営」について解説されている本です。

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弊社(株式会社セブンデックス)では、株式会社Speeeなどの採用ブランディング支援実績があり、実際にバリュープロポジションを明確にする支援等を行ってきました。

弊社は、目指す方向に対して、広告・コンテンツマーケティングなどの施策で価値提供を設計し、セブンデックスのUXデザインのナレッジを活かした戦略立案、施策実行を行うことに強みがあります。

バリュープロポジションの抽出やその先のマーケティグ戦略の立案などでお困りでしたら弊社(株式会社セブンデックス)までお問い合わせください。

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バンクーバー留学中に留学業界の情報の非対称性を解消するプラットフォームサービスを代表として立ち上げを経験。その後、デジタルマーケティングやデザイン業務を従事していく中で、セブンデックスの事業領域やカルチャーに共感し、インターンとして入社。日本大学商学部マーケティングコース在籍。