アイキャッチ KNOWLEDGE
KNOWLEDGE

新規事業の立ち上げに効くフレームワーク21選|アイデア出し〜検証・改善までまとめて解説

問い合わせ後、相談会の日程を提案いたします!
自社の課題をプロに壁打ちする!

新規事業でフレームワークが役立つ理由

新規事業は、最初から正解が見えている仕事ではありません。だから議論が散らかったり、「面白そう」だけで突っ走ったり、逆に不安材料が増えて止まったりしがちです。フレームワークが役立つのは、そんな霧の中で考えるときに“最低限の地図”になってくれるからです。

アイデアは思いついた直後ほど曖昧です。誰のどんな困りごとなのか、何を価値として届けるのか、代わりに何が使われているのか。この整理がないと、会話は感想戦になってしまいます。フレームワークを挟むと、見るべき観点が揃い、アイデアが「検証できる仮説」に変わります。

もう一つは、チームの会話が噛み合いやすくなる点です。営業・開発・企画・経営では見ている景色が違うので、同じ「顧客」「価値」という言葉でもズレが起きます。型があるとズレが早く表に出て、意思決定が進みます。

そして何より、やることが多すぎる新規事業では優先順位が命です。全部を完璧にやるより、勝ち筋になりそうな仮説を絞って小さく検証する。その取捨選択を助けてくれるのがフレームワークです。

立ち上げまでの基本ステップ

1. 課題とターゲットを決める

最初に「誰の」「どんな困りごと」を扱うかをはっきりさせます。ここが曖昧だと、後の調査も検証も全部ブレます。

2. 一次情報で確かめる

ユーザーへのヒアリングや観察で、課題が本当にあるか、どれくらい深いかを確認します。机上の想像だけで進めないのがポイントです。

3. 解決策と勝ち筋の仮説を置く

「どう解くか」を考えつつ、市場の大きさや競合・代替をざっくり見て、狙う価値があるか当たりをつけます。

4. 小さく作って検証する

完成品を作り込む前に、最小限の形(LP、試作品、手作業でもOK)で試して反応を取ります。学びを早く得る段階です。

5. 指標を決めて改善→事業化へ

反応が出たら、見るべき数字(KPI)を決めて改善を回します。手応えが固まったら、価格・チャネル・運用体制を整えて立ち上げます。

フレームワークのメリットと注意点

フレームワークのメリット

フレームワークの一番の良さは、考える順番を整えてくれることです。新規事業は論点が散らかりやすいので、「市場」「顧客」「競合」「提供価値」みたいに視点を揃えるだけで、議論がかなり前に進みます。
もう一つは、チームの会話が噛み合いやすくなる点です。立場が違っても同じ枠で話せるので、「何が決まっていて、何が未決か」が見えやすくなります。結果として、意思決定が速くなり、検証までのスピードも上がります。

フレームワークの注意点

一方で、フレームワークは“埋めたら答えが出る”ものではありません。型に当てはめること自体が目的になると、見た目は整っているのに中身が薄い資料ができがちです。特に新規事業では、一次情報(顧客の声、現場の事実)を入れないと、きれいな空論になりやすいです。
あと、使いすぎも罠です。あれもこれも並べるほど論点が増えて、結局「で、何をする?」が遅れます。フレームワークは“今の目的に必要な分だけ”で十分です。

アイデア出しのフレームワーク

アイデア出しは「ひらめき勝負」に見えますが、実際は、“視点をずらす”、“数を出す”、“形に整える”の3つができると強くなります。ここでは、そのために使いやすい4つを紹介します。

オズボーンのチェックリスト

発想を広げるための定番の「問いの型」です。頭の中にあるアイデアを、決まった切り口で揺さぶって別案を生み出します。ゼロから考えるより、「すでにある案」を起点にしたほうが出やすいのが特徴です。

使い方はシンプルで、今あるアイデアに対して「他の用途に転用できない?」「一部を置き換えたら?」「組み合わせたら?」「大きく/小さくしたら?」「逆にしたら?」みたいな問いを順に当てていきます。新規事業だと、機能を増やすよりも“提供方法”や“対象顧客”をずらすだけで一気に筋が良くなることが多いです。

SCAMPER法

オズボーンを、さらに使いやすく“型名”として覚えられるようにした発想法です。SCAMPERは「置き換える・組み合わせる・応用する・修正する・別用途・削る・逆転/並べ替え」といった視点の頭文字で、アイデアを連鎖させるのに向いています。

たとえば「置き換える」で材料やチャネルを変える、「削る」で機能を減らして導入ハードルを下げる、「逆転」で“先に成果を見せて後から課金”のように順序を変える、など。会議ではSCAMPERを回しながら、出てきた案を一旦ぜんぶメモして、最後に“検証が簡単そうなもの”から拾うのが進みやすいです。

マンダラート

9マス(または25マス)で、発想を「広げる→具体化する」まで整理できるフレームです。中心にテーマを置き、周辺に切り口を並べ、そこからさらに具体案へ展開していくので、ブレずに数を出せます。

新規事業では、中心に「解きたい課題」や「実現したい状態」を置くと強いです。周辺の切り口は「ターゲット」「利用シーン」「提供手段」「価格」「パートナー」「競合の代替」など、事業づくりに直結するものにすると、そのまま検証仮説になっていきます。雑に見えても、枠があるだけで“アイデアが散らからない”のがマンダラートの良さです。

9画面法(TRIZ)

アイデアが行き詰まったときに効く、“視野を強制的に広げる”フレームです。縦に「過去・現在・未来」、横に「上位(周辺/環境)・対象(中心)・下位(構成要素)」を並べて、9つの視点から状況を眺め直します。

たとえば「今の対象(現在×中心)」だけ見ていると機能追加に寄りがちですが、「未来×上位」を見ると業界や生活の変化がヒントになりますし、「現在×下位」を見ると工程のボトルネックが見つかります。新規事業では、課題を“本人の問題”として捉えすぎているときに、環境や仕組み側に解き口が移ってアイデアが出ることが多いです。

市場調査・分析のフレームワーク

市場調査は、細かいデータを集めるほど正確になる…というより、「狙う市場はどこか」「勝てる余地はあるか」を早めに見立てることが大事です。ここで紹介するフレームワークは、調査の範囲を広げすぎず、判断に必要な情報へ一直線に近づけるためのものです。

TAM・SAM・SOM

市場規模を“現実的に”分解するための型です。TAMは理論上の最大市場、SAMは自社が狙える範囲、SOMはさらにその中で当面取れそうな現実の取り分、というイメージで捉えるとわかりやすいです。
新規事業でありがちなのは、TAMだけ見て「市場が大きいからいける」と判断してしまうこと。でも実際に効くのは、SAMとSOMです。どの業界・どの用途・どの顧客層に絞れば、最初の勝ち筋が作れるのか。そこを言語化するために使います。

PEST分析

市場を取り巻く“外側の変化”を整理するフレームです。政治・法律、経済、社会、技術といった観点で、追い風と向かい風を見立てます。
新規事業では、顧客の課題そのものよりも、外部環境の変化が「今、解決したくなる理由」を作ることがあります。規制、補助金、景気、働き方、人口構造、技術の普及など。PESTをやると、単なる思いつきだったアイデアが「今このタイミングでやる意味」に変わっていきます。

5フォース分析

引用:https://ferret-one.com/blog/5forces

競合だけでなく、利益が出にくくなる圧力を全体で捉えるフレームです。新規参入、代替、買い手の強さ、売り手の強さ、既存競争の激しさを見て、収益性が削られそうなポイントを探します。
重要なのは「競合が多いか少ないか」よりも、どこで価格競争になりやすいか、なぜ儲けが薄くなる構造なのかを理解することです。たとえば代替が強いなら差別化が必要ですし、買い手が強いなら導入メリットの明確化やスイッチングコスト設計が効いてきます。

3C分析

顧客・競合・自社の3点で、勝ち筋の当たりをつけるフレームです。市場調査の中でも使いやすく、チームの議論がまとまりやすいのが強みです。
コツは、まず顧客(Customer)を丁寧に置くこと。競合(Competitor)を先にやると、どうしても“相手の機能比較”になりがちです。顧客が何に困っていて、何を価値と感じるのかが見えてから競合を見ると、比較の軸がズレません。そのうえで自社(Company)の強みが刺さる場所を探します。

SWOT/クロスSWOT分析

強み・弱み(内部)と、機会・脅威(外部)を整理して、戦略の方向性を見つけるフレームです。SWOTは現状の棚卸し、クロスSWOT(TOWS)はそこから具体的な打ち手に落とす作業、と捉えると使いやすいです。
新規事業では特に「機会×強み」を見つけるのが重要です。逆に「脅威×弱み」を放置すると、途中で詰まります。ここで無理に“きれいな表”を作るより、重要な論点が2〜3個浮き彫りになれば十分です。その論点が、次の検証テーマになります。

顧客理解・価値設計のフレームワーク

新規事業でよく起きるのが、「良いものを作ったのに刺さらない」問題です。原因の多くは、機能や特徴を語れても、顧客が本当に求めている価値の言葉になっていないこと。ここでは、顧客の解像度を上げて“刺さる価値”に落とすための3つを紹介します。

ペルソナ

ペルソナは、ターゲットを「属性の塊」ではなく、具体的な一人として描くための型です。年齢や職業だけで作ると薄くなるので、生活や仕事の状況、意思決定の基準、普段の行動、困りごとの背景まで含めて具体化するのがポイントです。
この作業が効くのは、チーム内で想像している顧客像のズレを潰せるからです。「想定顧客」と言いながら、ある人は現場担当を思い、別の人は決裁者を思っている。ペルソナがあると、そのズレが表に出て、コミュニケーションもプロダクトの優先順位も揃いやすくなります。

カスタマージャーニー

カスタマージャーニーは、顧客が課題に気づいてから利用・継続に至るまでの流れを“時系列”で整理するフレームです。新規事業では特に、プロダクトの中だけを考えると失敗しやすいので、前後の行動や感情まで含めて捉えるのが重要です。
ここで見えてくるのは、「使い始める前」に詰まっているポイントや、「使い始めた直後」に離脱する理由です。つまり、機能追加より先に直すべき“体験の穴”が見つかります。価値はプロダクト単体ではなく、導入のしやすさや安心感も含めた体験として決まるので、ジャーニーは早い段階で作っておくと強いです。

詳しくはこちらをご覧ください。

バリュープロポジション

バリュープロポジションは、顧客の「やりたいこと・困りごと」と、提供する「価値・効用」を対応させて言語化するフレームです。良い感じのキャッチコピーを作るというより、「その顧客にとっての“嬉しさ”」をズレなく定義する作業に近いです。
ここでよくある落とし穴は、機能(何ができるか)を価値(何が良くなるか)として語ってしまうこと。バリュープロポジションを作ると、価値を“成果の言葉”に置き換えやすくなり、検証も設計も進めやすくなります。さらに、競合との差別化が曖昧な場合でも、「誰にとって、何が一番助かるのか」が明確になるので、打ち出しが強くなります。

事業設計・戦略のフレームワーク

STP

市場を「どう分けて(Segmentation)」「どこを狙い(Targeting)」「どんな立ち位置を取るか(Positioning)」を決める型です。新規事業で効くのは、機能の議論が先行して散らかるのを防げるところ。STPを一度通すと、「結局この事業は誰のための何なのか」が短い言葉で言えるようになって、以降の判断(機能・価格・営業先)が揃います。

ポジショニングマップ

競合や代替手段を、2つの軸で並べて“空き地”や“過密地帯”を見つける整理法です。ポイントは、軸を「顧客が本当に比較している基準」にすること。作ること自体が目的ではなく、「勝ちやすい場所はどこか」「そこに行くには何を捨てるか」を決めるために使います。

リーンキャンバス

1枚で事業の仮説をまとめるためのキャンバスで、特に立ち上げ初期に向いています。課題、顧客、解決策、価値、チャネル、収益などを一気に並べるので、抜け漏れに気づきやすいです。完成度を求めるより、「今いちばん危ない仮説はどれか」を浮き彫りにして、検証テーマを決めるための道具として使うと強いです。

ビジネスモデルキャンバス(BMC)

リーンキャンバスよりも、事業が回る構造(誰と組むか、何を資源にするか、どの活動が要か)まで含めて描けるのがBMCです。立ち上げ直後〜拡大局面で「運用できる形になっているか」「供給側の設計が弱くないか」を点検するのに向きます。リーンで仮説を立て、BMCで事業としての骨組みを固める、という使い分けがしやすいです。

詳しくはこちらをご覧ください。

4P/7P

価値を「どう売るか」を具体化する枠組みです。4Pは製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販促(Promotion)。サービス色が強い事業なら、ここに人(People)・工程(Process)・物的証拠(Physical Evidence)を足した7Pで考えると、体験の品質や提供の再現性まで落とし込めます。戦略が決まった後に、実行プランへ変換するのに便利です。

検証・改善のフレームワーク

MVP設計

「一番小さいプロダクト」を作るというより、「一番早く学べる実験」を設計する考え方です。作り込みの前に、仮説の中でも特に危険な部分(本当に欲しいのか/お金を払うのか/継続するのか)を最短で確かめます。LPでも手作業提供でも良くて、重要なのは“学びが出る形”になっていることです。

KPIツリー

ゴールとなる指標を置き、それを分解して「何が効けば伸びるのか」を見える化する方法です。新規事業は改善点が無限に見つかるので、KPIツリーがあると“どこを直すべきか”がぶれにくくなります。チームが増えても、同じ数字を見て意思決定できるのが強みです。

AARRR

ユーザーの行動を、獲得→初回体験→継続→課金→紹介の流れで捉えるフレームです。どこが詰まっているかが見つけやすく、「今は獲得より継続が先」みたいな優先順位が立ちます。MVPの検証でも、AARRRのどこを確かめたいのかを先に決めると、実験設計が締まります。

ICE/RICE(優先度付け)

改善案や検証案が増えたときに、感覚ではなく一定の基準で並べ替えるためのスコアリングです。ICEはImpact(効果)× Confidence(確度)× Ease(手軽さ)、RICEはここにReach(対象の大きさ)を足すイメージ。数字はあくまで目安ですが、「なぜそれを先にやるのか」を説明できるようになるので、チームの納得感が上がります。

まとめ

ここまで紹介したフレームワークは、覚えるためにあるというより「迷ったときに戻れる型」です。新規事業は、アイデアが良くても市場が違ったり、価値が伝わらなかったり、検証の順番を間違えたりして失速します。だから最初から全部を完璧に埋めようとせず、いま必要な型だけを選んで前に進めるのが現実的です。

進め方のおすすめはシンプルで、まずはアイデア出しで仮説を広げ、次に市場と競争の当たりをつけ、顧客理解で「誰に何が刺さるか」を言葉にします。そこで見えてきた勝ち筋をリーンキャンバスやSTPで1枚にまとめ、MVPで小さく試して学び、KPIやAARRRで改善を回す。フレームワークを順番に使うというより、仮説→検証→更新を回すための道具として使うと効果が出ます。

もし迷ったら、まずはリーンキャンバスを一度埋めて「一番危ない仮説はどれか」を決めるところから始めてください。次に、その仮説を確かめる最小のMVPを作って当てる。新規事業は、考え抜いた人が勝つというより、学びの回転が速いチームが勝ちやすいので、型を使ってスピードを上げるのがいちばんの近道です。

会社紹介資料

セブンデックスの会社概要が解説されている資料を無料でダウンロードできます。

マーケティングカンパニーの長期インターンシップで、クライアントのSEO記事企画、CRO施策、プロジェクトマネージャーを経験。ブランディングを学ぶ中で、戦略、デザイン、マーケティングが一貫した事業内容に関心を持ち、インターンとして入社。上智大学外国語学部英語学科在籍。