プロジェクト背景
富士水質管理株式会社様は業界内でいち早くホームページを導入したものの、その後の活用が進まず、新規法人顧客からの問い合わせや求職者の応募率向上が課題となっていました。ヒアリングを通じて、こうした目標を達成するにはサイトの全面リニューアルが不可欠と判明。
ホームページを有効なコミュニケーションチャネルとして機能させるためのパートナーとして、お声がけいただいたのが我々セブンデックスでした。
既存サイトの課題としてお聞きしていた内容は、情報設計が曖昧であることやコンテンツが不足していることから、新規顧客や求職者に対して企業の魅力やサービスが十分に伝わらないことでした。
課題:
- 企業の魅力やサービス内容が伝わりづらく、新規顧客からの問い合わせが少ない
- 採用関連コンテンツが不十分で、求職者からの応募が少ない

専門性の高い業種ならではの複雑さを、伝わる言葉に咀嚼して設計に落とし込む
私たちセブンデックスの強みは、業界を問わず、専門的な内容をしっかりと理解し、誰にでもわかりやすく伝えるご支援ができることです。
本プロジェクトにおいて私たちが最も重視したのは「クライアントの本質的な魅力を理解し、言語化・可視化するためのコミュニケーション」です。特に、富士水質管理様は修繕工事や維持管理、建物設備の保守点検といった専門性の高い分野で事業を展開されているからこそ、それらしい表層的な整理だけでは“伝わる”アウトプットはつくることはできません。
① 現場で得た“リアルな空気感”を、デザインのヒントに
プロジェクト初期には、対面でのキックオフを実施。資料や言葉では伝わりきらない情報を掴むべく、実際の業務現場やスタッフの様子、使われている道具、オフィスの雰囲気などを直接見て・感じることを意識しました。
作業服に身を包んだスタッフの佇まいや、社内に流れる空気感といった“リアル”な要素が、のちのデザインやコンテンツ設計における大きなヒントとなりました。
② 潜在的な魅力を引き出す、丁寧なヒアリングと情報整理
社内に眠る情報や魅力を最大限に引き出すため、単に資料を受け取るだけでなく、資料内容を深く読み込み、疑問点や不足情報を明確にしてからフィードバックすることで、より深い情報を引き出せるような対話を心がけました。
とくに事例収集においては、「どのような観点で情報を集めると、富士水質管理らしい事例になるのか」を事前に整理して共有。担当者の方が動きやすいような指示やテンプレートもあわせてご提供することで、情報収集の負荷を軽減しつつ、より的確な情報をいただけるよう工夫しました。
また、テキストでのやり取りにおいても、「どの程度まで編集・リライトが可能か」「どの粒度で渡せば良いか」といった点に対してもこちらから明確にお伝えすることで、受け渡しのスピード感を向上させることができ、実際の制作物に対しても文章力がとても高いという評価をいただきました。
担当者の声
「今回のプロジェクトを通して感じたセブンデックスさんの良さは、ただ“作って終わり”じゃないところだと思います。どんなに特殊な業界でも、しっかり理解しようと努力し、丁寧に言葉にしてくれる。それってすごく価値のあることだと思っていて、今後また新しいことをやるときには、お願いしたいなと思っています。」
クライアントとともに創りあげる姿勢を大切にしながら、その業界や企業の本質を深く理解すること。それこそが、私たちが目指す“伝わるアウトプット”の起点だと考えています。

“なぜ富士水質管理なのか”を届けたいターゲットに伝えるための戦略的コンテンツ設計
当初、事例紹介や社員インタビューといった新規コンテンツの追加要望はあったものの、「誰に」「何を」伝えるのかという情報設計の軸が不明確な状態でした。そこで、富士水質管理が「なぜ選ばれるのか」という本質的な価値を、今回のサイトリニューアルにおける2大ターゲットである法人顧客および採用候補者にしっかりと伝えるためのコンテンツ設計を行いました。
法人顧客向け:課題解決力と信頼性を伝える事例コンテンツ
同業他社の多くが、修繕や点検といった“できること”のみを紹介するのに対し、富士水質管理では「誰の、どのような課題に対し、どんな強みを活かしてどのように解決したか」が伝わる構成に。
対応施設の多様性や専門的なノウハウ、そして顧客に伴走する姿勢など、選ばれる理由が明確に伝わる事例紹介とすることで、他社との違いを際立たせました。

採用候補者向け:人と環境の魅力を伝える社員インタビュー
採用コンテンツでは、働く人・環境の魅力を伝えることに重点を置きました。社員インタビューでは、質問の設計を統一しつつも、社員一人ひとりの価値観や仕事に対する想いがにじみ出る構成に。また、富士水質管理ならではの徹底した育成体制や社員の成長を後押しする制度、エンゲージメントを高める仕組みを具体的に紹介することで、「安心して成長できる職場」という実感が湧く内容としました。

“人”と“チーム”の力を軸に、プロフェッショナルさを印象づけるビジュアルデザイン
ヒアリングや現場での観察を通じて明らかになった、富士水質管理様の本質的な強み。それは「課題解決における高いプロフェッショナル性」と、単なる作業実行者にとどまらない「人としての誠実さ・主体性」でした。これらの魅力が伝わるよう、ビジュアルデザインと印象設計の両面で工夫を行いました。
旧サイトでは、「どのような会社なのか」「どんな人が働いているのか」といった情報発信が極めて限定的で、企業の価値や雰囲気が十分に伝わっていない状態でした。そこで今回のリニューアルでは、以下のポイントを重視しています。
- 状況を的確に捉え、迅速に対応する力
- 業務範囲外でも顧客のために動く主体性
- 製造元を超える原因究明と課題解決力
- 他社にない高度な保守・点検技術
これらの“技術力”や“姿勢”を支えているのは、富士水質管理様の社内に根付いている優れたチームワークです。
特に社員インタビューや事例紹介コンテンツでは、個々の想いや現場での連携の様子を丁寧にすくい上げ、その空気感を視覚的に感じられるようなレイアウトや写真の扱いを意識しました。
UIデザインとあわせて、写真表現で特に意識したのは、お客様の課題の”半歩先”をリードする姿勢を映し出すことです。写真カットのディレクションには、人を起点に自ら考えて動く、そんな富士水質管理様のらしさが自然と伝わるよう、社員の方々の表情や姿が見えるカットを多く取り入れました。
今回のデザイン刷新を通し、富士水質管理様の魅力が整理され、伝わるようになり、有効なコミュニケーションチャネルとして機能させる。そんな当初の狙いを実現できるリニューアルとなるようなご支援をさせていただきました。

今回、セブンデックスがご支援させていただいた、富士水質管理株式会社様のコーポレートサイト、また我々のプロジェクトに対する姿勢や、プロジェクト進行方法、考え方については下記リンクよりご覧いただけます。