
01.
ユーザーインタビューで明らかになった、アクセシビリティを含むUX課題
サービス改善の第一歩として、全盲のユーザー1名、一般ユーザー1名、それぞれを対象としたユーザビリティテストを実施しました。一般ユーザーにおいては、eラーニングの基本的な受講はスムーズに操作できた一方で、想定外の挙動や迷いを生む仕様が多々存在し、ストレスを感じるシーンが散見されました。
一方、全盲のユーザーにとっては、アクセシビリティへの配慮がほぼなされておらず、そもそも「操作が成立しない」状況が多く確認されました。本質的な課題は、機能の有無ではなく利用者の目線に立った設計になっていないことでした。
02.
“つまずき”の背景を掘り下げ、構造からUXを再設計
テストで得られた声の多くは、情報構造や文言の曖昧さによる「認知のギャップ」に集約されました。例えば、現在位置が把握しづらい画面構成や直感的でないラベルなどが、ユーザーの迷いを招いていました。そこで、ヘッディング構造を整理し、スクリーンリーダー対応のラベル設定や文言修正を行い、情報の流れと操作意図の一致を図りました。
一方、視覚的なシンプルさを追求するとスクリーンリーダーの情報提示が不足する場面もありました。そのため、健常者・視覚障害者ともに違和感なく目的を達成できるよう、視覚と音声両面で情報を補完し、ボタンや見出し一つまで多様な環境を考慮した設計を実現しました。
