01.
「獣医学に基づく」ペットフードのリブランディング
ペットフードブランド『Smiley』は以前より「日本のペットたちに寄り添い、彼らにとって真に優しい食事を生み出したい」という思いのもと、日本で暮らすペットに最適化されたフードを開発し続けるブランドでした。これまで、独自の思想に基づくこだわりを追求し、製品ラインナップの拡充を進めてきた結果、一般ユーザーからは高い満足度とロイヤリティを獲得してきました。
しかし、市場規模が大きく競合製品がひしめくペットフード市場において、専門店流通では知名度を獲得し「純国産プレミアムフード」としての確固たるポジションを築いたものの、動物病院流通ではポジションの確立が課題でした。素材の良さや嗜好性といった面だけでは、動物病院が求める専門性やエビデンスの障壁を克服できなかったため、今回のプロジェクトでは、動物病院でも「選ばれるブランド」となるべく、ブランド構造や統一性の課題に着目し、リブランディングを実施しました。
今後『Smiley』が動物病院チャネルも含めたペットフード市場において「選ばれるペットフード」のポジションを確立していくためには、ブランドの立ち位置、あり方、ブランド構造を改めて再定義し、それらを的確に表現したクリエイティブを市場に発信していくことの必要性を感じ、プロジェクトが始動しました。
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02.
「Smiley」が目指すべきブランド構想を定義
まず初めに、エグゼクティブインタビューを通じて、『Smiley』ブランドに込められた思いや価値、ターゲット像、業界構造など、ブランドコアを設計する上で不可欠な情報を収集しました。「どのようなターゲットに対し、どのような価値を提供するのか」というコアバリューを捉えると同時に、「なぜ現在の市場で求められているのか」「優位性や差別化の要素は何か」といった観点から、事業の成長ベクトルとの整合性を確保すべく、周辺情報も含めて網羅的に把握しました。
その上で、ブランドの成り立ち、思想、提供価値、ターゲット、市場の動向や変遷、ブランド構造などを再定義し、一貫したストーリーとして言語化しました。
03.
ユーザーのブランド体験をシナリオ化
ブランド価値や構想を定義した後、「そのブランドは、本当にユーザーにとって喜ばれるものであるか」という観点を確保するため、ターゲットユーザーのブランド体験をシナリオとして具体化しました。
本プロジェクトでは、プロジェクト期間の制約から、ユーザーインタビューや検証を実施しないプロセスを採用していたため、ターゲットユーザーに対する深い理解をお持ちのQIXさまが有するユーザー像を基に、仮説としてのシナリオを設計いたしました。


04.
価値を伝えるユニークなパッケージデザイン
新規顧客獲得を目指し、パッケージデザインを大きく刷新。動物のビジュアルは使わず、タイポグラフィとカラーで『Smiley』らしさと商品特長を際立たせ、現代的で目を引くデザインにしました。
『Smiley』は、獣医師の推奨される高品質なペットフードブランドです。イメージによる情緒的な訴求よりも、テキストによって商品の特長を的確に伝えることで、顧客にその価値を理解してもらうデザインにしました。
カラーについては、既存のパッケージをできるだけ継承し、リピーターが迷わず手に取れるように配慮。その上で特長を表現する「メディカル感」と独自の世界観を表現する「手触り感」を両立させるカラーを、各商品に合わせて選定しました。