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デザイン思考|最初のステップ「Empathize (理解と共感)」の3つの方法

デザイン思考の最初のプロセスである「Empathize」では、ユーザーへの理解と共感を深めていきます。深いユーザー理解なくして、良いサービス・プロダクトを作れません。「Empathize (理解と共感)」にはいろんな方法がありますが、特に押さえておくと良い3つの方法をご紹介します。

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自分で体験してみる

ユーザー理解において、実際に自分で体験してみることは最も重要な方法です。他の人から見聞きして理解することと、自分で体験して実感することは全く違います。自分で実際が体験してみて得られる気づきは想像以上に沢山あります。

その際、大切なポイントが2つあります。1つ目は「本当にユーザーになったつもり」で体験することです。「それとなく体験してみた」 というように取り組み方だと、深い気づきは得られません。

実際、プロジェクトにおいて、プロジェクトは始まったばかりの時に何となく考えていたユーザー像や体験への考察は、プロジェクト後半で振り返ってみると全然違っていたということがよくあります。

自分ではない誰かになって考えることは思考負荷がかかる作業となりますが、丁寧に理解して取り組むことで得られる気づきは大きいです。ユーザーの状況、目的を深く理解した上で、真剣に体験してみましょう。

2つ目のポイントは、「実感とはあくまでも個人として感じたことである」ということを念頭に置いておくことです。実感は自分自身が感じたことなので、他から見聞きした情報以上に優先してしまう可能性があります。

例えば、僕は20代ですが、サイトのターゲットが40代だとしたとき、プロダクやサービスの使い方や体験に対する感じ方には年齢差が影響するので、実感を優先してしまうと、ターゲットにとって良い体験を提供できなくなってしまいます。なので、あくまでも1個人として感じたことだ、ということを忘れないように僕自身とても気をつけています。

ユーザーを観察する

ユーザーを観察する方法としては「発話思考法」(思考発話法ともいう)がおすすめです

発話思考法とは、操作タスクを実施する際に、調査協力者に自分の考えていること、理解したこと、感じたことなど、意識にあがるものすべてを声に出してもらい、それを記録する方法

UXデザインの教科書

ユーザーは自分が想像している以上に思いもよらない行動を取ります。なので、自分の頭だけでユーザーの思考や行動を想像することには限界があります。
また実際に自分で体験することを通じて、ある程度客観的に体験やユーザーについて把握することができますが、どうしても主観から離れらなれない部分があります。ですので、発話思考法で他の人が実際に作業するシーンを観察することで、体験やユーザーを客観的に理解することが有効となります。

Webサイトやアプリなどのサービスの場合、比較簡単に実施することが可能です。社内や身近な5人に30〜1時間程度協力してもらうと良いでしょう。画面録画をすると後から振り返られるのでおすすめです

ここで注意しておくべきポイントがあります。協力者がそのサービスの利用者でない場合は、先ほどの「自分で体験してみる」と同様に、協力者に正しく状況や目的を共有しておきましょう。何とく体験してもらうことでは、良い考察を得られなくなってしまいます。

私自身、発話思考法を用いた経験がありますが、かなり有効でした。やはり、自分の頭の中だけで色んなユーザーの一連の体験を考えるには限界があります。とはいえ実際のユーザーをリクルーティングして操作してもらうとなると工数がかかってしまいますが、発話思考法であれば社内のメンバーに利用シーンや設定を正しく伝えられれば、気軽に対応してもらえます。このように比較的気軽に実施することができるのも、この方法の良い部分だと思います。

また実際に他人が操作しているのを見ると、客観的に体験を把握できるようになります。先ほど紹介したように自分で実際に体験するのと合わせて、このように客観的に見ることで、ユーザーと体験を深く理解できたと感じました。ですので、まだ試したことがないのであえば、ぜひ試してみてください。

ユーザーに直接聞いてみる

実際にユーザーと会って話すことで得られる情報や気づきはとても多いです。私自身、その重要性を改めて感じる機会があったので、その実体験をを紹介させてください。

私はとある製品の販売サイトのリニューアルを担当していました。工数の都合で、ユーザーインタビューをすることができなかったので、お客様の声に書かれたコメントを全て読むなどして、ユーザーの理解に努めていました。ただ、「ネットで注文するのが不安だ」と書かれたコメントに対して今ひとつ理解できずにいました。

そのプロジェクト期間中に、たまたまその商品を使っていう人を見かけたので、思い切って質問してみました。いくつか質問させてもらった後、「この人なら確かにネット注文に不安になるであろう」とすごく理解することができ、話していたとき私はその人に対して無意識に共感しました。

この様に、ユーザーのことを本当に理解し共感できた経験をすると、「では、その不安を解消するにはサービスをどう伝えていくべきか」と、より深く考えられるようになったということがありました。

直接話したことで、ユーザーへの理解を深められることは間違いないと思います。想像だけで自分と属性が異なるユーザーのことを考えるのは限界があります。なので、可能な限り、ユーザーインタビューはした方が良いでしょう。また、リソースの都合でユーザーインタビューができないとしても、自分で何とか話せる機会を設けるようにした方が良いと個人的には思います。

ネット情報や他人から聞いた2次情報ではなく、実際のユーザーと直接話すことで得られる1次情報は入手することは難しいかもしれませんが、サービスやデザインをより良いものにできると思います。なので、そうした機会を持てるようにしてみてください。

おわりに

デザイン思考そのものについてはこちらにまとめてありますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

また、この記事を執筆するにあたって、こちらの記事がとてもわかりやく参考にさせていただきました!興味がある方はどうぞお読みください。

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