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サービスコンセプトをユーザー目線で評価する、コンセプトテストとは?

新しい商品やサービスをリリースする際、「それらが本当にユーザーに受け入れられるのか?」「ユーザーからどう見えるのか?」という議論が発生することが多いのではないでしょうか。

UXデザインプロセスに沿って、ペルソナが求める価値を満たす形でサービスアイデアのアイディエーションが行われていても、企画したアイデアのコンセプトが分かりづらかったり、ソリューションとして弱かったりするケースは往々にして発生します。

そのため、最終的に決定した商品やサービスコンセプトが本当にペルソナに受け入れられるものなのかは検証する必要があります。

本記事では、商品やサービスのコンセプトをユーザー目線で評価する手法の一つである、コンセプトテストの目的や実施方法についてご紹介します。

コンセプトテストとは?

コンセプトテストとは、前述の通り商品やサービスのコンセプトに対してユーザー目線で受容性や利用意欲・購買意欲を検証するユーザー参加型の評価手法の1つです。

コンセプトテストでは、サービスの特徴や利用シーンをイラストや写真を使って分かりやすく表現し、それらをユーザーに提示した上で、ユーザー目線での反応や評価を取得していきます。

コンセプトテストの目的は?

コンセプトテストの実施目的としては、下記の3つのパターンがあります。

①提案するサービスのコンセプトがユーザーにとって魅力的であるかどうか、分かりやすいか、利用や購買に繋がるかどうか等、検証したい項目に対するユーザー目線の評価を得ること
②コンセプトテスト終了後に、コンセプト案をアップデートするための根拠となる情報を取得すること
③複数のコンセプト案に対する相対評価を取得し、最終的に1つに絞り込むための判断材料とすること
(コンセプトテストでは、1案のみを提示するのではなく、複数案をユーザーに提示し相対的に評価してもらうことが基本となります)

コンセプトテストの実施プロセス

①テスト目的の整理

まず初めに、コンセプトテストで何を明らかにしたいのか、テストの目的を整理するところから始めましょう。

大きな目的としては前述の通りですが、サービスや商品の特性によって検証内容は変わってくるため、初めにテストの目的を整理し、言語化しておくことが大切になります。

②テスト設計(協力者の選定・方法の決定・検証項目の設計)

「①」で定義した目的に対して、「誰に」「どんな方法で」「何を検証すれば」目的達成できるのかを検討していきます。

誰に:テスト協力者の選定

「誰に」については、テストに協力してもらう対象者は誰にするのかを決定します。基本的には事前に設計したペルソナに近い方を選定していきますが、ペルソナとデモグラ情報やニーズが完全に一致するケースは少ないため、

どの観点でペルソナと一致している方を対象とするのかを決めておくと良いでしょう。

どんな方法で:テスト方法の決定

コンセプトテストではアンケートで定量的に把握する方法と、インタビューで定性的に把握する方法、それらの組み合わせで実施する方法があります。定義した目的に対して、どの方法が適切か決めていきます。

何を検証すれば:具体的な検証項目の設計

コンセプトテストでは、テスト協力者の評価を測定するにあたり、複数の評価尺度を設定して総合的に把握していきます。

例えば、下記のような「分かりやすさ」「ニーズ合致度」「共感性」「魅力性」「新規性」「経験意欲」「購入意欲」といった評価項目に対して、5段階評価(とてもそう思う・ややそう思う・どちらとも言えない・あまりそう思わない・全くそう思わない)を行っていきます。

評価シートの例

設計した検証項目での情報を取得することで、「①」の目的が達成されるかどうか、最後に今一度見直しましょう。

③コンセプトシートの作成

目的を整理し検証方法が決定したら、各コンセプトをテスト協力者に説明し、理解してもらうための資料を作成していきます。

一般的には、「サービスの概要・特徴」「実現するユーザー体験と利用文脈」を理解した上で評価を実施する必要があり、それらを分かりやすく整理したコンセプトシートを作成します。

コンセプトシートの例

利用文脈のイメージをより分かりやすくするためストーリーボードを作成したり、サービスの世界観への共感度を検証する際にはコンセプトインプレッションシートを作成するケースもあります。

④テスト実施

テスト当日は、テストの様子をビデオや録音で記録しておくようにしましょう。

当日の進め方としては、一般的に下記の流れで実施されます。

⓪可能であれば、事前に目的の共有やコンセプトシートを送付し、目を通してもらえていると良い
①テストの概要や目的について説明する。
②対象者の基本情報や、対象となるシーンにおける現在の体験について等、前提となる情報をヒアリングする。
③これから提示するコンセプトのペルソナについて説明する。
④コンセプトシートやストーリーボードを使い、コンセプトについて説明する。
⑤設計した検証項目をベースに、対象者目線での評価を行ってもらう。各評価に対して、「なぜその評価か」という理由を深堀りしてヒアリングしていく。
⑥各コンセプトに対して、③〜⑤を繰り返す
⑦全てのコンセプトに対する評価が終わったら、複数案の中での相対評価として順位づけを行ってもらう。その上で、評価の理由についてもヒアリングする。

⑤テスト結果を元に考察出し

テストが終了後、テスト対象者からの評価やヒアリング情報を整理し、冒頭に設定した目的に対して論点整理、考察出しを行っていきます。

取得した情報を元に複数案から1案に選定を行ったり、コンセプト案をブラッシュアップする等、プロジェクトのネクストステップに繋げていきます。

まとめ

定性的な仮説検証の手法として、コンセプトテストはとても有効です。新規事業を立ち上げる際や新しい機能を実装するといった際には、事前にコンセプトテストを行う事で、リリースした後に顧客のニーズに全く刺さらないといった事態を防ぎましょう。

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新卒入社でマイナビに入社し、企画営業としてマイナビ転職や、求人広告販売を担当。全社表彰/社長賞獲得。CX(Candidate Experience)を通して広義のデザインに可能性を感じ、また自分の仕事の領域を広げたいと思い、セブンデックスに入社。現在はPM/UXデザイナーとして様々な案件に携わりつつ、採用人事など幅広く担当している。