ロゴの制作において、商標のトラブルは防ぎたいものです。基本的には弁理士さんなどの専門家に調査をお願いするものではありますが、制作者も事前に確認できるところはしておいた方がいいでしょう。
商標の種類は様々ですが、今回はロゴ周りの商標の確認方法についてまとめてみました。
目次
商標とはそもそも何か
商標とは、自社の取り扱う商品やサービス(役務)を他社のものと区別するために使用するマーク(標識)のことです。商標の種類は様々で、文字・図形・記号・立体・音など幅広いです。
また、作品が完成した時点で権利が自然に発生する著作権とは違い、商標権は特許庁に申請を行い、登録しなければ権利を得られません。商標権を得たロゴは、勝手に利用されたり類似したものが発生しないよう、商標法に基づいて保護されます。
参考|商標権の効力についてhttps://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/seidogaiyo/shotoha.html
方法①Toreru商標検索を使って調べる
Toreru商標検索とは、特許庁のサイトにて紹介されている「手軽に文字商標やロゴ商標の調査ができる簡易商標検索サイト」です。画像データをアップロードするだけで類似する商標をAIで検索できるなど、簡単な操作で商標登録されている類似ロゴを調べることができます。
使用方法
ロゴの読み(称呼)で検索したい場合
「テキスト検索」で調べたい名称を入力して検索します。
ロゴの画像で検索したい場合
「画像商標検索」を選択し、「ファイルを選択」で、ファイルを選択し検索します。対応している形式は「jpeg、png、gif、bmp」です。
方法②J-plat-patを使って調べる
J-plat-patとは、特許庁が提供している無料で登録商標の情報を検索できるプラットフォームです。
しかし、提供される情報の内容や検索機能は基本的なものに限定されているため、高度な検索や高い付加価値のついた情報へのアクセスについては特許事務所(弁理士)や特許情報提供事業者に依頼しましょう。
使用方法
- https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ へアクセスします。
- 「商標」→「商標検索」で、商標検索ページを開きます。
- 「検索対象種別」にて調査したい内容を入力し、検索します。
ここで、「検索項目は何を選んだらいいのか分からない」「キーワードは何を入力したらいいのか分からない」いう方もいらっしゃるのではないでしょうか。上から順に入れるべき内容を簡単に説明します。
「商標(マーク)」について
ここでは4種類の検索項目を選択することができます。掛け合わせる数や種類は自由です。1種類の項目だけでも検索できます。また、キーワード欄には複数のキーワードを入力することが可能です。
商標(検索用)
入力された文字を含む商標を検索できます。 また、「?」(ワイルドカード)をつけると、前方、後方、中間一致検索ができ、幅広く検索できます。
例えば 「セブンデックス?」→「セブンデックス〇〇」 「?セブンデックス?」→「〇〇セブンデックス〇〇」 といったように、「?」をつけた箇所を含めた検索ができます。
称呼(単純文字列検索)
完全一致する称呼を対象に検索できます。こちらもワイルドカードを使用した検索が可能です。
称呼(類似検索)
音や響きが似た称呼を対象に検索できます。類似の判断基準は検索結果一覧の「称呼 基準」列に番号で表示されます。数字の意味については、ページの上部にある「利用上の注意」にて参照できます。
図形等分類
図形を検索することができます。
この欄に入力するキーワードは、「図形等分類表」(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/t1101)を参照して記入します。このページはサイトの「商標」→「図形等分類表」で開くことができます。
商品・役務について
ここでは2種類の検索項目を選択することができます。こちらも掛け合わせる数や種類は自由です。1種類の項目だけでも検索できます。
こちらも、それぞれの項目について説明します。
類似群コード
商品や役務(提供するサービス)が分類されたコードです。
例えばセブンデックスは「42P01」(指定役務:デザインの考案)などを登録しています。
ロゴのリニューアルであれば、クライアントが登録している現行ロゴの類似群コードであったり、新しいロゴの作成であれば競合他社の類似群コードを参考に、検索をしましょう。
区分
商品・役務を分野別に大きく区切ったものです。45つのカテゴリーに分かれており、登録されている全ての商標は、いずれかの区分に属しています。
おまけ|方法③Google画像検索
Google画像検索は、Web上にある画像を検索することができるサービスです。
世の中には商標登録されていないロゴもありますので、画像検索を利用してできる範囲で把握しておくと安心です。もしGoogle画像検索で類似するロゴが出てきた場合でも、そのロゴが商標登録されていないのであれば商標権を得られる可能性もあるので専門家に相談しましょう。
使用方法
- https://www.google.com/imghp?hl=ja へアクセスします。
- 検索バーのカメラマークのアイコンをクリックし、「画像をアップロード」→「ファイルを選択」で、ファイルを選択すると画像検索ができます。 または画像をドロップして検索することもできます。
あとがき
最終的にロゴの商標を確認するのは弁理士さんなどの専門家ですが、つくり手として作成したロゴを世にリリースするために簡易でも商標確認できるようになった方がいいと思います。
また、商標検索の結果によってはロゴが使用できない場合もあるので、ロゴの最終決定前に商標を確認しましょう。
著作権についての記事もあるので、こちらも是非読んでみてください。